この記事では、機械学習の基礎知識を振り返り、有用なライブラリを紹介します。
機械学習の概念を理解し、実践に役立つツールを把握することで、学習プロセスをより具体的に描くことができるでしょう。
機械学習の習得を目指す方々に、適切な情報を提供することを目的としています。
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- 1 機械学習とは
- 2 機械学習に便利なライブラリを紹介!
- 2.1 機械学習ライブラリTensorFlow
- 2.2 Kerasの概要
- 2.3 深層学習フレームワーク Chainer
- 2.4 機械学習ライブラリPyTorch
- 2.5 MXNet - AWSサポートの柔軟なディープラーニングフレームワーク
- 2.6 深層学習ライブラリDeeplearning4j
- 2.7 高速ディープラーニングツール「Microsoft Cognitive Toolkit」
- 2.8 百度のオープンソースフレームワーク
- 2.9 高速GPU対応の画像認識ライブラリ
- 2.10 NumPyの概要
- 2.11 データ解析のためのPandasライブラリ
- 2.12 科学技術計算のためのSciPyライブラリー
- 2.13 データ可視化のためのMatplotlib
- 2.14 機械学習ライブラリscikit-learn
- 2.15 産業・アカデミック分野で幅広く使用されるdlibライブラリ
- 3 まとめ
機械学習とは
コンピューターがデータから自動的に学習し、そのデータに内在する規則性を発見することを機械学習と呼びます。
発見した規則性に新しいデータを適用することで、将来の予測が可能になります。
膨大な量のデータが存在すれば、人手によるアルゴリズムの構築を自動化でき、様々な分野で活用されています。
教師あり学習の概要
機械学習には、過去のデータセットを活用して学習を行う手法があります。この方式では、入力と出力のペアを用いてアルゴリズムを訓練し、望ましい結果に近づけるようモデルを調整していきます。
事前に用意された「教師データ」を基に学習を進めるため、この手法は教師あり学習と呼ばれています。
教師なし学習の概要
機械学習における教師なし学習は、正解データを与えずに入力情報のみから学習を行う手法です。
- 顧客情報や未ラベル化された画像セットなどが、この手法の入力データとなります。
- 教師なし学習は主にクラスタリングや関連性分析などの用途で活用されています。
強化学習の概要と歴史
機械学習の一分野である強化学習は、システムが環境内で試行錯誤を重ね、設定された報酬を最大化する行動を自ら獲得する手法です。
この考え方の原型は1950年代にすでに存在し、当初は機械の自律制御を実現する最適制御の研究として行われていました。
現在でもロボットの歩行制御などに活用されています。
深層強化学習の概要
機械学習の一種である強化学習では、データを入力として受け取り、最適な行動を出力する関数が活用されます。
ニューラルネットワークを関数として用いた強化学習手法を深層強化学習と呼びます。
例えば将棋では、勝敗が指標となりますが、各局面における最善手は明確ではありません。
そこで、
- 盤面の状況を入力とし、次の一手を出力するニューラルネットワークを学習させることで、深層強化学習が実現されます。
機械学習に便利なライブラリを紹介!
本文では、機械学習の実装を支援する有用なライブラリを複数ご紹介します。
これらのツールは、
- データ処理
- 学習モデルの構築
- 評価
に至るまで、様々な場面で活躍します。
プログラミングの効率化や、高度な機能の活用を可能にするため、機械学習の実践に役立つでしょう。
ぜひ活用の一助としてご覧ください。
機械学習ライブラリTensorFlow
TensorFlowは、Googleが開発した機械学習ライブラリです。
このツールは、以下の機能を備えています。
- ニューラルネットワークの構築と訓練を可能にする
- データフローグラフを作成した後、必要な計算を複数のデバイスに分散させて並列処理を行うことができる
このため、大規模なデータセットも扱うことが可能となっています。
Kerasの概要
KerasはPythonのオープンソースライブラリで、GoogleのエンジニアFrançois Cholletが中心となり開発・維持管理を行っています。
独自の処理を実装することは難しい欠点がありますが、
- TensorFlowなどの低レベルライブラリをラッピングし、
- ニューラルネットワークモデルの構築が可能です。
深層学習フレームワーク Chainer
Chainerは、日本のPreferred Networksによって開発が進められているプログラミングライブラリです。
Python 2系およびPython 3系の両方で利用することができ、GPUを活用した計算処理にも対応しています。
- 画像認識
- 化学
- 生物学
- 強化学習
などの様々な分野での適用を円滑に実現するための多数のライブラリを備えています。
機械学習ライブラリPyTorch
機械学習の計算処理を行うオープンソースのライブラリが存在します。
2016年に公開されて以降、高速な演算処理と使いやすさから注目を集め、ユーザー数が増加傾向にあります。
Facebookが開発を主導しており、機械学習分野で幅広く活用されています。
MXNet - AWSサポートの柔軟なディープラーニングフレームワーク
MXNetは、AWSによる公式サポート表明を受けて注目を集めている深層学習ツールです。
効率性と柔軟性、拡張性を兼ね備えており、
- 畳み込みニューラルネットワーク
- LSTM
などの機能を提供しています。
深層学習ライブラリDeeplearning4j
Deeplearning4jは、Javaで書かれた機械学習ライブラリです。
この製品は、サンフランシスコに拠点を置くSkymind社によって作られています。
高速な計算を実現するため、同社独自のC++ベースの行列演算エンジンを搭載しています。
高速ディープラーニングツール「Microsoft Cognitive Toolkit」
マイクロソフト社が開発したAI技術を活用した深層学習ツールキットが存在します。
以前はCNTKと呼ばれていましたが、現在は新しい名称に変更されています。
この製品は高速処理能力を備えており、
- 音声認識
- 画像認識
などのディープラーニングモデルにおいて優れた処理速度を発揮することが特徴です。
百度のオープンソースフレームワーク
この人気の高いオープンソースフレームワークは、中国の検索大手百度によって開発されました。
中国語による開発資料が提供されているため、国内での利用が盛んです。
他のフレームワークがクラウド環境を前提としているのに対し、このフレームワークはクラスター環境での動作を念頭に設計されています。
高速GPU対応の画像認識ライブラリ
このライブラリは、C++言語で構築されており、迅速な処理能力、GPU対応、洗練されたアーキテクチャとソースコード、そして活発な開発コミュニティを備えています。
画像認識に特化しているため、高速な処理が可能となっています。
NumPyの概要
NumPyは、数値演算を高速に実行するためのPythonライブラリです。
データ分析や線形代数計算において、NumPyは不可欠なツールとなっています。
このライブラリを活用すれば、
- ベクトル
- 行列
などの多次元データ構造を簡単に作成できます。
データ解析のためのPandasライブラリ
データ処理作業を実行するためのPythonライブラリがPandasです。
- データの確認
- 可視化
- 変形
- 様々な集計
- 欠損値の取り扱い
など、大量のデータを分析する際に必要不可欠な作業を簡潔なコードで実行できます。
科学技術計算のためのSciPyライブラリー
SciPyは、NumPyをベースとした科学技術計算向けのパッケージです。
このライブラリには、以下の機能が含まれています。
- 補間
- 積分
- 最適化
- 画像処理
- 統計解析
- 特殊関数
SciPyを活用するためには、NumPyのインストールが前提条件となります。
データ可視化のためのMatplotlib
Pythonには視覚化ツールとしてMatplotlibというライブラリが存在します。
このMatplotlibを活用すれば、
- ラインチャート
- バーチャート
- パイチャート
など、様々な種類のグラフを作成することができます。
機械学習ライブラリscikit-learn
scikit-learnは無償で利用可能なPythonプログラミング言語向けの機械学習ライブラリです。
サポートベクターマシン、ランダムフォレスト、k近傍法、確率的勾配降下法、回帰分析、クラスタリングなど、機械学習で広く活用されるアルゴリズムが実装されています。
- サポートベクターマシン
- ランダムフォレスト
- k近傍法
- 確率的勾配降下法
- 回帰分析
- クラスタリング
また、可視化ライブラリMatplotlibとのデータ連携にも対応しており、機械学習モデルの構築から結果の確認までをスムーズに行えます。
産業・アカデミック分野で幅広く使用されるdlibライブラリ
dlibは、産業界や学術界を問わず、ロボット工学、組み込みシステム、大規模な高性能コンピューティング環境、モバイル端末など、様々な分野で活用されているオープンソースのライブラリです。
このライブラリは、幅広い用途に対応しており、多くのユーザーに利用されています。
まとめ
この記事では、機械学習のライブラリについて説明しました。
紹介したライブラリを活用することで、機械学習の理解が深まるでしょう。
分量は同程度です。
皆様の学習の一助となれば幸いです。