プロジェクト管理オフィサー(PMO)という職種について、年収面や業務内容、将来性などの詳細を掘り下げていきます。
IT業界では人材不足が深刻化しており、PMOへの需要も高まっています。
PMOの平均年収や最高年収、必要なスキルや資格、フリーランスでの案件状況など、PMOの実態に迫ります。
PMOへの転職や将来のキャリアパスを検討されている方、PMOとしてのさらなるスキルアップを目指される方に、PMOの全容を余すところなく解説します。
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PMOの仕事内容
この節では、プロジェクト管理オフィス(PMO)の業務内容について説明します。
PMOとは、プロジェクト管理を支援する部門のことで、プロジェクトマネージャー(PM)の補助や、プロジェクトの進捗管理、課題やリスク、品質の可視化などを行います。
また、プロジェクトの障害となる問題の解決や、プロジェクト管理に関する研修・人材育成も PMO の役割です。
PMOの主な役割は3つに分類できます。
- 「PMOアドミニストレータ」で、プロジェクトデータの収集と共有、書類作成、経費管理などの事務作業を担当します。
- 「PMOエキスパート」で、プロジェクトルールの策定、環境整備、改善・標準化の実施、ツール検討、社内教育などを行います。
- 「PMOマネージャー」で、PMOチーム全体の統括、勤務状況管理、プロセス管理、教育などのマネジメント業務を行います。
PMとPMOの違いは、PMがプロジェクト全体のマネジメントを行うのに対し、PMOはプロジェクト内の個別プロジェクトの統括を担当する点にあります。
つまり、PMが全体を管理する一方で、PMOは一部分のマネジメントを行う役割分担となっています。
PMOの年収
この節では、PMOの年収について説明します。
PMOの平均年収、最高年収、最低年収、フリーランスとして働く場合と会社員として働く場合の年収を比較します。
フリーランスのPMOの年収の詳細は、ITフリーランス向けダイレクトスカウト「xhours」の調査によると、
- 平均年収が1,021万円
- 最高年収が2,520万円
- 最低年収が300万円
です。
月額単価では、
- 平均が85.1万円
- 中央値が80万円
- 最高が210万円
- 最低が25万円
となっています。
会社員エンジニアの平均年収は469万円です。年代別では、
20代 | 373万円 |
30代 | 509万円 |
40代 | 605万円 |
50代以上 | 701万円 |
となっています。
会社員のPMOの平均年収は約600万円と言われ、会社員エンジニア全体の平均より高く、40代の平均年収とほぼ同じです。
フリーランスのPMOと比べると、フリーランスの方が421万円程度(約1.7倍)高い年収となります。
PMOとして活躍するなら、平均年収が高く、高年収を得やすいフリーランスのPMOがおすすめです。
PMOの年収アップに必要なスキル
この節では、PMOの収入増加に求められる能力について説明します。PMOとして必要な資質を備えていれば、高い報酬を得られる可能性が高くなります。
- 将来PMOとして従事する予定の方も、この内容を参考にしていただき、収入アップの一助としてご活用ください。
PMOの役割と必要なスキル
プロジェクト運営オフィス(PMO)の役割は、プロジェクトリーダー(PM)とは異なる側面があります。
- PMOは、プロジェクトの計画策定やスケジュール管理に深く関与します。
- 大規模プロジェクトでは、プロジェクト開始時に全体の体制構築、予算編成、人員配置、リスク予測などを担います。
- プロジェクト開始後も、全体の管理・支援業務を継続します。
そのため、プロジェクト参加経験やプロジェクトマネジメントに関する知識・スキルが求められます。
加えて、プロジェクト管理手法や専門ツールの習熟も推奨されます。
PMOの文書作成スキル
PMOの職務には、以下が含まれます。
- 会議の議事録作成
- 進捗報告書作成
プロジェクトを円滑に進めるためには、
スケジュール管理 | タスク管理 | 物品管理 |
に関する文書化能力や文章力が求められます。
PMOのコミュニケーション力
プロジェクトマネージャーにとって収入を向上させるための重要な能力は、効果的なコミュニケーション力です。
プロジェクトに関わる内外の関係者全員に対し、正確な情報を口頭や文書で適切に伝達し、同じ目標に向けて業務を進められるよう調整することが求められます。
そのため、コミュニケーション能力は不可欠な要素となります。
PMOに求められるスキル
プロジェクトマネージャーにとって収入を向上させるためには、迅速な意思決定と問題解決能力が不可欠です。
課題が生じた際、対応が遅れれば納期に影響を及ぼしかねません。
そのため、
- 適切な判断を即座に下し
- 問題解決に向けた適切な指示を出せる力
が求められます。
PMOのためのITスキルと業界知識の重要性
プロジェクト管理オフィサーが年収を向上させるためには、IT関連の専門知識と業界に関する理解が不可欠です。
技術的な正確な知識を持ち、プロジェクトメンバーに適切な助言を提供する必要があります。
迅速な対応力を身につけるため、
- IT分野の知見や業界動向に精通しておくことが重要です。
プロジェクトを円滑に進めるには、関連知識を深め、メンバーからの質問に的確に答えられる能力が求められます。
業界特有の知見やトレンドについても熟知しておくと有利でしょう。
PMOの年収アップにおすすめの資格
この節では、PMOの収入増加に役立つ資格について説明します。
PMOとして活躍するには、多岐にわたる能力が求められるため、関連する資格を取得することで、自身の力量を裏付けることができます。
PMOスペシャリスト認定資格の概要
プロジェクト運営組織の専門家を認証する資格制度が、一般社団法人日本PMO協会によって運営されています。
この資格試験を受けるには、
- 指定の教材を修得し
- プロジェクト・マネジメントの基礎資格を既に取得していること
が前提条件となっています。
プロジェクトの本質や基本原理、マネジメント知識を身につけられるため、PMO担当者にとって有益な資格と言えるでしょう。
PMPの概要と重要性
プロジェクトマネジメントの国際的な認定資格であるPMPは、米国のPMI本部が運営しています。
この資格試験は、PMBOKと呼ばれるプロジェクト管理の知識体系に基づいて実施されます。
- 受験要件として、一定期間のプロジェクトマネジメント実務経験と、35時間の公式トレーニングの受講が義務付けられています。
つまり、PMPの資格取得を通じて、プロジェクト管理に関する理論的知識と実践的なスキルを身につけることができるため、PMOにとって必須の資格と言えるでしょう。
プロジェクトマネージャ試験(PM)の概要
プロジェクト管理の専門性を評価する試験として、情報処理推進機構が主催するプロジェクトマネージャ試験があります。この資格は、
- ITに関する幅広い知見に加え、
- プロジェクト遂行に必要な計画立案、予算管理、スケジューリング、品質保証などの総合的な能力を問うものです。
システム開発やプロジェクト運営に関する実力を客観的に示せるため、PMOにとって有益な資格と言えます。
フリーランス求人・案件数から見るPMOのニーズ
この節では、フリーランス求人・案件の数値からPMOに対する需要を説明します。
ITフリーランス向けダイレクトスカウト「xhours」が公開している職種別の募集情報を分析すると、PMOの案件数は7,703件となっています(2021年8月時点の同サービスの調査による)。
同時期に同サービスが取り扱っていたフリーランス案件の総数は203,017件でした。
つまり、PMOの案件がフリーランス全体に占める割合は約3.8%に相当します。
この結果から、PMOのフリーランス需要は一定程度存在していると言えるでしょう。
PMOの将来性
この節では、PMOの将来展望について説明します。PMOの需要は今後も堅調に推移すると見込まれます。
IT市場の動向を分析すると、PMOの需要が堅調に推移する背景がさらに明らかになります。
- IDC Japanが2019年12月に発表した調査では、国内IT市場の規模は2019年に前年比4.0%増の約17兆9,394億円となり、2018年から2023年にかけての年間平均成長率は1.9%と予測されています。
IT市場の拡大に伴い、プロジェクト数の増加が見込まれることから、PMOの需要も高まると考えられます。
さらに、
- AI、IoT、ビッグデータ、ブロックチェーン、xR、5Gなどの技術進歩によるIT業界の飛躍的発展や、ITエンジニアの高齢化問題
などを勘案すると、PMOを含むIT人材の需給ギャップが深刻化する可能性があります。実際、2030年までに79万人のITエンジニア不足が生じるとの指摘もあります。
以上の分析から、PMOの需要は今後も底堅く推移すると予想されます。
ITフリーランス向けダイレクトスカウト「xhours」では、PMOの案件を多数掲載しています。
まとめ
この記事では、PMOという職種に焦点を当て、PMOの年収、仕事内容、必要なスキル、資格、需要、将来性について詳しく説明しました。
PMOとして成功するには、明確な目標を設定し、継続的な学習が重要です。
目標を持つことで、行動の方向性が定まり、自然と年収も向上するでしょう。
高年収を望むならITフリーランス向けダイレクトスカウト「xhours」を活用することをお勧めします。
システムエンジニアやWebエンジニアからPMOを目指す場合は、以下が望ましいでしょう。
- 上流工程の経験を積むこと
PMOとして高年収を得るための第一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。
この記事が皆様の役に立てば幸いです。