インフラエンジニアの職場環境も変化の波に乗っています。
ITエンジニアのリモート勤務が一般化する中、システム基盤を支える役割を担うインフラエンジニアにも、在宅勤務のオプションが広がりつつあります。
本稿では、インフラエンジニアがリモートで働く際の実態と、求められる技能について説明します。
また、遠隔勤務に伴う留意点も解説しますので、転職やフリーランスを視野に入れている方は参考にしてみてください。
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インフラエンジニアはリモートワークできる?
現代のIT基盤構築担当者は、場所を選ばずに業務が可能な職種となっています。
従来、企業のシステム基盤は自社内で運用されることが多く、保守・監視・構築作業は直接的な作業が必要とされていました。
そのため、「IT基盤構築担当者はリモートワークが難しい」と認識されがちでした。
しかし、近年では
- 企業のシステム環境や中核システムがクラウド型に移行しつつあり、遠隔地からでもIT基盤の整備が可能になってきています。
その結果、
- 在宅勤務を前提とした求人や案件が増加し、自宅で働くIT基盤構築担当者が一般的になりつつあります。
- 大手企業がAWSなどのクラウド環境を提供するようになり、信頼できる環境が整備されつつあります。
企業がクラウド環境の導入を積極的に進める理由が増えてきているため、今後もIT基盤構築担当者のリモートワーク需要は高まることが予想されます。
従来 | 現在 |
---|---|
企業のシステム基盤は自社内で運用 | クラウド型に移行 |
直接的な作業が必要 | 遠隔地からの整備が可能 |
リモートワークが難しい | 在宅勤務を前提とした求人が増加 |
インフラエンジニアのリモートワーク案件実情
インフラエンジニアの就労形態について、ITフリーランス向けダイレクトスカウト「xhours」の調査データを基に説明します。
2022年7月時点で、常駐案件が63.4%、リモートワーク案件が36.6%という割合になっています。
常駐案件がまだ主流ですが、リモートワーク案件も3分の1以上を占めています。
前年と比べると、リモートワーク案件の割合が約10%増加しており、今後も
- クラウド化
- リモートワーク環境の普及
に伴い、リモートワーク案件がさらに増加すると予想されます。
インフラエンジニアの年収
インフラエンジニアの収入水準は、正社員の場合は平均538万円と比較的高額であることがわかります。
一方、フリーランスとして活動する場合、月額単価の中央値65万円を年収に換算すると約786万円となり、正社員よりも高収入が期待できます。
収入面での向上を望むならば、フリーランスインフラエンジニアへの転身も選択肢の一つと言えるでしょう。
リモートワークと年収の関係
インフラエンジニアの常駐案件とリモートワーク案件では、年収に大きな変動はないと考えられています。
社内業務がリモート形式に移行しただけで、業務内容自体は変わらないためです。
また、正社員の場合、リモートワークを理由に年収を下げることは法的に認められていません。
したがって、リモートワークに切り替えても年収が下がる心配はありません。
ただし、リモートワークでは残業代が発生しにくいため、これまで残業収入があった場合は年収に影響する可能性があります。
リモートワーク案件に応募する際は、事前に業務内容と年収について確認することが重要です。
クラウドエンジニアの年収とスキル特化の重要性
インフラエンジニアの職種の中でも、クラウド環境の構築や最適化に特化したクラウドエンジニアが注目を集めています。
リモートワークが可能な求人や案件も増えており、インフラエンジニアの仕事を探す際にはクラウドエンジニアも選択肢に入ってくるでしょう。
正社員のクラウドエンジニアの平均年収は597万円と、インフラエンジニアの545万円よりも高めとなっています。
クラウドエンジニアとして働く場合、AzureやAWS などの主要サービスに特化することが多くなります。
フリーランスのAzureエンジニアとAWSエンジニアの月額単価は、それぞれ平均68.6万円(最高185万円)、73.1万円(最高200万円)となっており、年収に換算すると約820万円、約880万円となります。
インフラエンジニアのフリーランス年収と比べると高い水準にあります。
これは、各サービスに特化したスキルを持つ専門性の高い人材への需要が高いことが要因と考えられます。
Azure やAWS は今後も需要の高いクラウドサービスとなることが予想されるため、早期からこれらのスキルを磨いておくことをお勧めします。
インフラエンジニアのリモートワーク案件獲得方法
インフラエンジニアとしてオフィスに出勤せずに業務を行うことは、現代では一般的な働き方となっています。
しかし、リモートワークの案件を見つける方法を理解していないと、望む職に就くのは容易ではありません。
そこで、インフラエンジニアがリモートワークの仕事を獲得するための方策をいくつか説明します。
- リモートワーク特化の求人サイトを活用する
- 自身のスキルセットを明確にし、それに合った求人を探す
- フリーランスエンジニアのコミュニティに参加し、案件情報を収集する
- 自身のポートフォリオサイトを作成し、実績を示す
方策 | メリット |
---|---|
求人サイト活用 | リモートワーク案件に特化しているため、効率的に探せる |
スキルセット明確化 | 自身に合った案件を見つけやすくなる |
コミュニティ参加 | 最新の案件情報を入手できる |
ポートフォリオサイト作成 | 実績を示すことで信頼を得られる |
リモートワークエンジニア獲得のためのフリーランスエージェント活用
リモートワークのインフラエンジニア案件を見つける際は、フリーランスエージェントを活用するのが賢明です。
- エージェントには多数の求人情報が集まっているため、様々な条件から自分に合ったものを選ぶことができます。
- リモート勤務に特化した案件に絞り込むこともでき、在宅で働ける仕事を効率的に探せます。
- フルリモートだけでなく、週に数日のリモート勤務といった柔軟な働き方も条件交渉できる場合があります。
さらに、エージェントではコンサルタントによる転職サポートを受けられるため、初めての業務委託でも安心して活動できます。
- 求人情報の提供や職務経歴書の作成アドバイスなどが期待できます。
近年ではリモートワーク特化のエージェントサイトも登場しており、リモート業務に特化した求人情報を得やすくなっています。
インフラエンジニアのリモートワーク求人・案件探しにクラウドソーシング
複数の企業や個人と契約を結び、リモートで業務を請け負うクラウドソーシングは、インフラエンジニアが仕事を見つける選択肢の一つです。
クラウドソーシングサイトには様々な分野の求人や案件が集まっているため、インフラエンジニア向けの仕事も探しやすくなっています。
単発の案件が多いことから、副業としてインフラエンジニアの経験を積みたい人にも適しています。
しかし、クラウドソーシングでは自身で報酬単価や納期を交渉する必要があり、業務以外の作業に手間がかかるデメリットがあります。
また、報酬単価が低めに設定されがちで、実績がない段階では十分な収入を得られない可能性もあります。
リモートワークのインフラエンジニア採用とSNS活用
インフラエンジニアの仕事を見つける方法として、ソーシャルメディアを活用することができます。
自身の実績や経験をオンラインで公開しておくと、企業から面接の機会が提供される可能性があります。
近年、企業側もエンジニア採用にSNSを利用するケースが増えており、豊富な実績を持つ方は、それらをポートフォリオとしてまとめ、積極的に発信することが重要となります。
インフラエンジニアがリモートワーク案件で要求されやすいスキル
遠隔勤務でインフラエンジニアとして活躍するには、企業から求められる能力を理解しておく必要があります。
事前に自身の強みを把握し、適切にアピールできるよう備えることが重要です。
リモートワークのためのクラウドスキル習得
クラウド技術の習得が、リモートワークのインフラエンジニア案件を獲得する上で重要となります。
- Azure、AWSなどの主要クラウドサービスにおいて、サーバー構築、監視設定、バックアップ設定などの基礎的な知識を身につけることが推奨されます。
- 実際にクラウドエンジニアとしての開発経験があれば、それを強みとしてアピールすることができます。
セキュリティ意識の重要性
リモートワークにおいては、個人の作業環境で業務を行うため、データ漏えいリスクが高まります。
そのため、インフラエンジニアとしてリモート案件を獲得するには、セキュリティに関する豊富な経験と高い意識が求められます。
- Symantec、Check Point、Cisco Secureなどのセキュリティ製品の知識と設定スキルは必須です。
しかし、それ以上に重要なのは、情報セキュリティの知識だけでなく、セキュリティ全般に対する高い意識を持つことです。
リモートワーク案件に参画する際の注意点
リモートでインフラエンジニアとして業務を遂行する際には、オフィス勤務とは異なる様々な側面に留意する必要があります。
事前に把握しておくべき重要なポイントがあるため、それらを確認することが賢明です。
インフラエンジニアがリモートワークに従事する上での留意事項を以下に示します。
- 通信環境の確保
- セキュリティ対策の徹底
- コミュニケーションツールの活用
- 作業環境の整備
- 時間管理の重要性
リモートワークにおけるインフラエンジニアの評価基準
インフラエンジニアのリモートワーク業務では、提出物の品質が報酬に直結します。
作業時間は関係なく、クライアントが認めた成果物に対してのみ対価が支払われます。
オフィス勤務とは異なり、労働時間を正確に管理することが困難なため、時間給制ではありません。
したがって、求められる水準の仕事を確実にこなすことが重要となります。
- 実績が乏しくても、着実に質の高い成果物を提出し続ければ、徐々に評価を高められます。
- 報酬アップにもつながる可能性があるため、ミスのない提出物を心がける必要があります。
リモートワークの長時間労働リスク
リモートワークのインフラエンジニアは、過剰な労働時間に陥りがちです。
在宅勤務では明確な就業時間が設定されていないため、無理な長時間労働になりがちです。
慢性的な長時間労働は、以下のデメリットにつながります。
- 時給の低下
- 健康被害
適切な自己管理を行い、過剰労働を回避することが、リモートワークにおいて重要な課題となります。
リモートワークにおける情報セキュリティ対策
リモートワークを行うインフラエンジニアは、企業の機密情報を取り扱うため、情報漏えいに細心の注意を払う必要があります。
- 個人所有のコンピューターで業務を行う場合もあり、データの暗号化など、セキュリティ対策を徹底しなければなりません。
万が一、情報漏えいが発生すれば、損害賠償請求などのリスクが生じかねません。
そのため、
- クライアント企業が求めるセキュリティ要件を事前に確認し、常に最新の状態を維持することが重要です。
また、
- 外出先でパソコンを使用する際は、盗難や覗き見の危険性にも注意を払わなければいけません。
- 物理的な情報漏えいリスクも考慮し、作業環境のセキュリティ確保にも気を配る必要があります。
まとめ
インフラエンジニアの職務においても、リモートワークが一般的になりつつある。
リモートワークでインフラエンジニアとして活躍したい場合は、求人・案件情報を収集するためにITフリーランス向けダイレクトスカウト「xhours」を利用するのがよいだろう。
- フリーランスエンジニア向けの求人・案件検索サイトが存在するため、そうしたプラットフォームを活用することをおすすめする。
リモートワークの機会が増えつつあるインフラエンジニアにとって、こうした支援ツールは有益なはずである。