領収書を経費で落とす方法とは?基本的なルールとNGな事例を紹介

フリーランスとして活動する際、事業の継続には様々な支払いが伴います。
時として、業務に必要なソフトウェアや機器の購入費が生活を圧迫する場合があります。
しかし、そうした事業継続に必要な商品・サービスの購入費は「経費」として計上可能です。
購入時の領収書などの証拠を保管しておけば、確定申告時にこれらを経費として計上し、納税額を抑えることができます。
結果として年間の必要経費が減少し、フリーランスとしての活動がしやすくなるでしょう。

本稿では、フリーランサーにとって重要な経費と、それを証明する領収書について説明します。

  • 既にフリーランスの方はもちろん、これから独立を目指す方も、経費と領収書の関係を確認しておくことをお勧めします。

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フリーランスにおける「経費」とは?

フリーランスにおける「経費」とは?

独立した職業人にとって、業務に関連する支出は非常に重要な要素です。適切に把握し、活用することが長期的な活動を維持する上で欠かせません。

ここでは、フリーランスの方々が知っておくべき経費の基礎知識をご紹介します。

  • 必要経費とは
必要経費とは、その年に生じた売上を獲得するために直接必要な経費のことを指します。
主な必要経費には以下のようなものがあります。
  • 旅費交通費
  • 通信費
  • 消耗品費
  • 支払手数料
  • 広告宣伝費
  • 租税公課

フリーランスのための経費の基礎

事業を遂行するために必要不可欠な支出や費用のことを経費と呼びます。
「この製品がなければ業務を行えない」「今回の仕事では○○が必須」といった理由があれば、その商品の購入代金やサービス利用料は経費として認められます。
経費は多くのフリーランスにとって不可欠な出費であり、事業の継続と発展には欠かせません。
経費の概念を理解しないと、フリーランスとしての収入が減少する可能性があります。

経費管理における領収書の重要性

企業活動において必要な商品やサービスの購入代金を示す経費は、一般的に「領収書」によって証明されます。
領収書には、

  • 購入日時
  • 場所
  • 目的
  • 正確な金額

が記載されているため、後日の経費の裏付けとなる重要な書類です。領収書がなければ、経費として支出した事実を立証することができません。
フリーランスの方は、日頃から経費として認められる可能性のある買い物の際には、必ず領収書を入手する習慣を身につける必要があります。

レシートによる経費証明

経費の証明には、領収書の代わりにレシートを利用することができます。
領収書を入手し忘れた場合でも、レシートがあれば経費の根拠となります。
レシートには、以下の記載が求められます。

  • 支払金額
  • 日付
  • 支払先
  • 購入品目

万一、領収書の入手を失念した際は、これらの情報が記されたレシートを保管しておくことが賢明です。

経費の領収書が必要になる理由

経費の領収書が必要になる理由

フリーランスにとって経費と領収書は不可欠な存在です。
経費は業務上の支出を指し、適切に管理することで確定申告時の必要経費を算出できます。
一方、領収書は経費の裏付けとなる重要な証拠書類です。
経費と領収書を適切に処理することで、税金の過払いを防ぎ、適正な課税を受けることができます。
フリーランスは自身の収支を把握し、

  • 経費と領収書の管理に注力する必要があります。

フリーランスの経費・領収書管理の重要性

フリーランスとして活動する際、経費の管理と領収書の保管は重要な役割を果たします。
会社員とは異なり、フリーランスは自身の収入について税務署へ申告し、所得に応じた税金を支払う必要があります。
この際、収入から経費を差し引いた金額が課税対象となるため、適切な経費の計上が節税につながります。
例えば、

  • 年間収入が300万円で、経費が100万円であれば、200万円が課税対象所得となります。

このように、業務に関連する支出については領収書を入手し、経費として計上することで、納税額を抑制できるのです。
フリーランスにとって、経費と領収書の管理は重要な作業と言えるでしょう。

フリーランスは何でも経費にできる?

フリーランスは何でも経費にできる?

フリーランサーの方は、業務に関連する支出であれば経費として計上することができます。ただし、すべての支出が経費として認められるわけではありません。業務と関係のない支出を経費に計上すると、税務当局から指摘を受ける可能性があります。
ここでは、フリーランサーの経費として適切なものと不適切なものの具体例をご紹介します。

適切な経費の例 不適切な経費の例
  • パソコン・周辺機器の購入費
  • ソフトウェアの購入費
  • インターネット通信費
  • 書籍・雑誌の購入費
  • 事務用品費
  • 交通費
  • 宿泊費
  • 会議費
  • 広告宣伝費
  • 研修費
  • 私的な旅行費
  • 飲食費
  • 娯楽費
  • 贈答費
  • 家族の医療費
  • 自動車の購入費
  • 自動車の維持費

フリーランスの経費計上のポイント

フリーランスとして独立する際に発生する費用は、事業に必要不可欠なものであれば経費として計上できます。
具体的には、

  • 名刺作成費
  • ウェブサイト運営費
  • 広告宣伝費

などの開業準備費が該当します。
開業後は、

  • パソコン
  • スマホ
  • 文具
  • ガソリン代
  • リース料
  • 外注費
  • 郵送料
  • 服装費

などの消耗品も経費に含まれます。

さらに、自宅を事務所として使用する場合、家賃や光熱費、通信費の一部も事業に係る経費として計上可能です。
ただし、全額を経費とするのではなく、業務に使用した割合に応じて按分する必要があります。
例えば、自宅の一部屋を専用で使っていれば、その部屋の面積比率で按分することができます。

また、出張や会議などで発生する交通費や飲食費、会場費用なども経費に含まれます。
業種によっては、移動費や出張費が大きな割合を占める場合もあれば、在宅勤務が中心で家賃や光熱費の割合が大きくなる場合もあります。
経費の内容は業種によって異なるため、自身の業務内容を踏まえて適切に判断する必要があります。
経費の取り扱いが不明な場合は、税務署に相談して助言を求めることをおすすめします。

フリーランスの経費計上のポイント

フリーランスの仕事において、業務に直接関係のない支出は経費として認められません。
事業を行う上で必須ではない商品やサービスの購入費用は、経費計上が難しくなります。

  • 例えば、業務で車を使用しない場合、ガソリン代は経費にできません。
  • また、個人的な娯楽や交友関係の維持に係る費用も、経費とはなりません。

業務上の必要性を明確に説明できない支出は、経費から除外する必要があります。

  • さらに、税金、罰金、過料なども経費にはなりません。

加えて、フリーランスの職種によっては、特定の支出が経費として認められないケースもあります。

写真家であれば撮影機材は経費になりますが、 エンジニアがカメラを購入しても業務に使用しない限り経費にはなりません。

このように、職種ごとに経費の範囲が異なるため、自身の業務内容を理解し、適切な経費を計上することが重要です。

高額商品の経費計上における減価償却資産の取り扱い

高価な商品を業務上の経費として計上する際には、一括での処理ではなく、その商品の使用可能期間に応じて分割して経費計上する必要があります。この方式は「減価償却」と呼ばれ、長期間にわたって利用される資産に適用されます。

  • 例えば、フリーランスの方がビジネス用のコンピューターを購入した場合、その価格が一定額を超えていれば、減価償却の対象となり、複数年度にわたって経費として按分計上することになります。

一方、消耗品などの短期間で消費される物品については、この方式は適用されません。

経費の領収書がもらえなかった場合には?

経費の領収書がもらえなかった場合には?

経費を申請する際、証拠となる領収書の提出が求められます。しかし、時として領収書を入手し忘れたり、後に紛失してしまうこともあるかもしれません。
そのような場合でも経費を計上する方法があります。
領収書がない状況下での経費計上の手順を次に説明します。

  • まず、経費の内容と金額を記載した「経費精算書」を作成します。
  • 次に、経費の内容を裏付ける資料を添付します。
    例えば、
    飲食費 レシートやメニュー
    交通費 切符の半券
    宿泊費 ホテルの請求書
  • 最後に、上長の承認を得ます。

このように、領収書がなくても適切な資料があれば経費を計上できます。

出金伝票の活用方法

領収書が入手できない場合、代替として「出金記録」を作成し、日付、支払先、金額、内容などを詳細に記載しておくことが重要です。
この出金記録があれば、領収書に代わる経費の証明書類として活用可能です。
出金記録はExcelなどで電子データとして作成し、確定申告時に印刷した紙媒体を提出する形式が一般的です。
ただし、出金記録が過度に多い場合、税務調査で疑念を持たれる恐れがあるため、注意が必要です。

経費の領収書を保存する方法

経費の領収書を保存する方法

領収書は、経費の金額や商品名を裏付ける重要な証拠書類です。確定申告の際に必要となるため、適切に保管しておく必要があります。
しかし、フリーランスの方は業務に忙殺されがちで、つい領収書の管理を怠ってしまうことも多いでしょう。
そこで、フリーランスの方が経費の領収書を適切に管理する方法をご紹介します。

  • 領収書は、日付順に並べて保管するのがおすすめです。
  • 領収書の種類ごとにファイリングするのも良い方法です。
  • デジタル化してクラウドストレージに保存するのも便利です。

このように、領収書を適切に管理することで、確定申告の際に必要な書類を簡単に探し出せます。

領収書の管理方法

領収書の取り扱い方法は、業務内容や量に応じて異なります。

  • フリーランスなどで経費が少ない場合は、従来の手作業による分類と保管が適しています。
  • しかし、領収書の枚数が多くなると、デジタル化による効率的な管理が求められます。

確定申告時には領収書の計算が必要ですが、提出する必要はありません。
適切に保存されていれば、そのままの状態で問題ありません。
業務量に合わせて、アナログかデジタルかを選択し、経費管理を行うことが重要です。

フリーランスの領収書電子保存が可能に

改正された法令により、フリーランスでも領収書の電子保存が容易になりました。
従来は、スキャナーなどで電子化する際に事前手続きが必要でした。
そのため、

  • 多くのフリーランスが紙の領収書を保管せざるを得ませんでした。

しかし、新しい法令のおかげで、

  • 電子データで保存すれば紙の領収書は不要になります。

長期にわたる紙の領収書保管は場所を取るため、電子化によるメリットは大きいと言えるでしょう。

電子領収書保存のルール変更

改正された電子帳簿保存法の下では、オンラインで購入した商品の領収書を紙に印刷して保存することが認められなくなります。
従来は、以下のようなことが可能でした。

  • Amazonなどのサイトで事業用品を購入し、メールで送られてきた領収書を印刷すれば経費計上が可能

しかし、新しいルールでは電子データのまま保存する必要があるため、ネット購入を経費に計上しているフリーランスは注意が必要です。
一方、実店舗での買い物であれば、従来通り紙の領収書を保存することができます。

まとめ

まとめ

フリーランスとして活動する際、経費と領収書の取り扱いに関する知識は必須です。
事前に十分な情報を収集し、フリーランスになってから慌てることがないよう準備しましょう。
適切な経費の計上により節税が可能ですが、ルール違反があれば罰則の対象となる可能性があります。
この機会に正確な情報を確認しておくことが重要です。
本記事が皆様の活動に役立つことを願っています。

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