組み込みエンジニアのリモート/在宅ワーク案件実情や要求されやすいスキルを解説!

組み込みシステムを開発する職種である組み込みエンジニアは、IoT技術の普及により需要が高まっています。
しかし、この職種がリモートワークや在宅勤務に適しているかどうかは疑問です。
本稿では、組み込みエンジニアのリモート・在宅ワークの実態について、以下の点を詳しく解説します。

  • 組み込みエンジニアがリモート・在宅ワークを行う可能性
  • リモート・在宅ワークの求人や案件の状況
  • 年収水準
  • 求められるスキルセット
  • 参画時の注意点

リモートワークや在宅勤務に関心のあるフリーランスの組み込みエンジニアの方は、ぜひ参考にしてください。

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組み込みエンジニアはリモート/在宅ワークできる?

組み込みエンジニアはリモート/在宅ワークできる?

組み込みシステムを開発するITエンジニアは、様々な業務を担っています。

  • 製品の企画から設計、開発、テスト、保守まで幅広い役割を果たしています。
  • 家電製品、自動車、スマートフォンなど、さまざまな機器に組み込まれたシステムを制御するのが主な仕事です。

開発作業自体は、PCと通信環境さえあれば場所を選ばず行えるため、リモートワークに適しています。
しかし、クライアントとの打ち合わせや、プロジェクトメンバー間の情報共有が必要な場面も多く、対面でのコミュニケーションが効率的な場合があります。

ウェブ会議ツールを活用すれば、リモートワークでの業務遂行は可能ですが、情報共有の面では対面が望ましい場合もあります。
組み込みエンジニアの仕事は、リモートワークと対面作業を適切に組み合わせることが重要です。

組み込みエンジニアのリモート/在宅ワーク案件実情

組み込みエンジニアのリモート/在宅ワーク案件実情

ITフリーランス向けダイレクトスカウト「xhours」には40万件を超える案件が掲載されています。このデータを基に、組み込みエンジニアのリモートワークと常駐案件の割合を分析しました。
2022年9月時点で、組み込みエンジニア向けの案件のうち、

  • リモートワークは207件(24.7%)
  • 常駐案件は630件(75.3%)

となっています。
この結果から、組み込みエンジニアの需要は主に常駐案件にあり、リモートワーク案件は少数派であることがわかります。
ただし、前年同月と比べるとリモートワーク案件は12%増加しており、徐々に増加傾向にあります。

組み込みエンジニアのリモート/在宅ワーク求人・案件の将来性

この記事では、組み込みエンジニアのリモートワークや在宅勤務の求人・案件の将来性について説明します。
結論として、組み込みエンジニアのリモート・在宅ワークの需要は高まると予想されます。
その理由をIT業界の動向から分析しましょう。

総務省の「令和3年版情報通信白書」によれば、IoTデバイスの普及が各業界で見込まれています。
組み込みエンジニアが活躍できる分野は幅広く、

  • 自動車
  • 医療機器
  • 家電製品
  • 通信機器
  • 産業機械

など、コンピュータを搭載した多くの製品にシステムが必要とされます。
さらに、ウェアラブル端末などの身近な製品にもセンサーやマイコンが搭載されるようになっています。
つまり、組み込みシステムは現代社会に不可欠な技術なのです。

組み込みシステムの需要が高まれば、開発に関する求人・案件も増加します。
そのため、組み込みエンジニアの需要も高くなることが予想されます。
現状ではリモート・在宅ワークの案件は少ないですが、新型コロナウイルスの影響で各業界でテレワークが急増しています。
したがって、将来的には組み込みエンジニアのリモート・在宅ワーク案件も増加すると考えられます。

組み込みエンジニアの年収

組み込みエンジニアの年収

組み込みエンジニアの収入水準について説明します。
ITフリーランス向けダイレクトスカウト「xhours」のデータによると、組み込みエンジニアのフリーランス案件の月額報酬は、

  • 平均で58万円
  • 中央値は55万円
  • 最高額は180万円
  • 最低額は24万円

となっています。
職種別の年収をみると、組み込みエンジニアの

項目 金額
平均年収 696万円
中央値 660万円
最高額 2,160万円
最低額 288万円

です。
一方、国税庁の調査では、日本の正規雇用者の平均年収は503万円でした。この数値と比較すると、フリーランスの組み込みエンジニアの平均年収は高水準にあります。
ただし、フリーランスの場合、クライアント企業の待遇や個人のスキルによって年収に開きがあることに留意が必要です。

リモート/在宅ワークの年収への影響

組み込みエンジニアとして働く際、リモートワークと常駐勤務では年収に差異が生じるのか疑問に思われるかもしれません。ITフリーランス向けダイレクトスカウト「xhours」の情報を参考にすると、リモート勤務の案件と常駐勤務の案件を比較しても、年収面での顕著な変化は見受けられません。
実際に掲載されている組み込みエンジニアのリモートワーク案件の報酬水準は、一般的な月額単価相場と大きな開きはありません。
もちろん、クライアント企業の待遇や個人のスキルセットによって収入は変動しますが、勤務形態自体が年収に影響を与えるわけではないようです。

組み込みエンジニアのリモート/在宅ワーク案件獲得方法

組み込みエンジニアのリモート/在宅ワーク案件獲得方法

組み込みエンジニアとしてリモートワークや在宅勤務の機会を見つける方策を3つご紹介しましょう。

  • 求人サイトやフリーランス向けプラットフォームを活用するのがおすすめです。
  • 専門分野に特化したコミュニティに参加し、ネットワーキングを図ることで案件の情報を得られる可能性があります。
  • 自身のスキルセットやポートフォリオを整備し、積極的にアピールすることが重要となります。

組み込みエンジニア向けフリーランスエージェント活用ガイド

組み込みエンジニアとしてリモートワークや在宅勤務の機会を見つけるには、フリーランス専門の人材エージェントを活用するのが賢明な選択肢です。これらのエージェントは、個々のスキルやノウハウに合った求人や案件を紹介してくれるサービスです。
専門家に相談することで、新たな仕事機会を得られる可能性が高まります。
さらに、キャリアカウンセリングや契約手続きの代行、福利厚生などの付加サービスも提供されています。

組み込み分野に精通したフリーランスエージェントには以下のようなものがあります。

  • TechStockは、適切なキャリアアドバイスと高報酬、独立支援サービスが魅力です。
  • レバテックフリーランスは国内最大規模を誇り、高単価案件と非公開案件が多数あります。
  • PE-BANKは全国に豊富な案件を持ち、手数料の透明性と共済制度が特徴です。

自分に合ったエージェントを見つけることをおすすめします。

クラウドソーシングサービスの活用

組み込みエンジニアがリモートワークや在宅勤務の仕事を見つけるには、クラウドソーシングサービスを活用するのがよい選択肢です。
クラウドソーシングサービスとは、クライアントと個人がオンラインで仕事の発注と受注を行うプラットフォームのことです。
このサービスには、様々なメリットとデメリットがあります。
メリットとしては、

  • 年齢や経歴に関係なく誰でも利用できること
  • 豊富な案件数から初心者からベテランまで仕事を探しやすいこと

が挙げられます。
一方、デメリットとしては、

  • 報酬単価が低い場合がある
  • システム利用料がかかるため想定より報酬額が少なくなる可能性がある

ことがあります。
おすすめのクラウドソーシングサービスには、

クラウドワークス
ココナラ
ランサーズ

などがあります。

SNSを活用した組み込みエンジニアのリモート求人獲得

ソフトウェア開発者がリモートワークや在宅勤務の仕事を見つけるには、ソーシャルメディアを活用することが推奨されます。

近年、企業がSNSを通じて人材を募集する「ソーシャルリクルーティング」が一般化しています。

  • 組み込み系に限らず、様々な分野の企業がSNSで求人活動を行っています。

SNSからの案件獲得は初心者には難しい方法ですが、希望の仕事を見つけるためにも積極的に活用する価値があります。

メリットとしては、クラウドソーシングサイトのような手数料がかからず直接契約できることが挙げられます。
一方で、求人活動から実務、請求業務まですべて自分で行う必要があり、仕事以外の作業負荷が増える可能性があります。

求人活動によく使われるSNSには、

  • Twitter
  • Facebook
  • Instagram

などがあります。

組み込みエンジニアがリモート/在宅ワーク案件で要求されやすいスキル

組み込みエンジニアがリモート/在宅ワーク案件で要求されやすいスキル

組み込み開発の分野において、在宅勤務の機会が増えています。
そこで求められる主要な能力を5つご紹介しましょう。
自宅でも効率的に業務を遂行できるよう、これらのスキルを身に付けることが重要です。

  • コミュニケーション力
  • 自己管理力
  • 問題解決力
  • 技術力
  • 柔軟性

リモートワークにおいては、チームメンバーとのスムーズな連携が欠かせません。
また、作業を自ら進めていく姿勢と、トラブル発生時の対処能力が求められます。
加えて、新しい技術への対応力と、状況の変化に合わせた柔軟な姿勢が必要不可欠です。

組み込みエンジニアに求められるプログラミング言語

ソフトウェア開発において、組み込みエンジニアは特定のプログラミング言語の習熟が求められます。

  • 汎用性の高い言語として、C言語の習得が推奨されます。C言語は、
    • オペレーティングシステムやアプリケーション
    • ファームウェアの記述
    • デバイスドライバー開発
    • 機械制御

    など、幅広い分野で活用できます。対応する機器やハードウェアの範囲が広く、開発環境も無償で提供されているため、習得のメリットは大きいでしょう。

  • 一方、アセンブリ言語は機械語に直接対応しており、CPUの種類によって記述方法が異なります。反応速度が重視される場面で有効ですが、C言語ほど汎用性は高くありません。

Javaはコンパイル言語で、処理速度が速く安定性にも優れています。仮想マシン上で実行されるため、セキュリティ面での信頼性も高いと言えます。

組み込みエンジニアの必須知識

組み込みシステム開発の仕事では、機器や機械に関する知見が求められます。
各デバイスに最適なソフトウェアを構築するには、対象となる機器の仕組みや構造、関連する業界についての理解が不可欠だからです。
また、組み込みエンジニアの役割は設計・開発に留まらず、電子回路の設計も含まれる場合があります。
そのため、

  • 電気の基礎知識
  • 電子回路に関する知識

も必要とされます。

組み込みエンジニアの求人と必要な知識

コンピュータの内部構造に関する深い知識が求められるのが、組み込みエンジニアの仕事です。
プログラミングでは、一般的なアプリケーション開発とは異なり、

  • 起動時の処理
  • リアルタイムOS

など、特殊な技術を扱います。
C言語やアセンブリ言語を用いる際には、

  • メモリの構造
  • データの保存方式

についての理解が不可欠となります。
つまり、組み込みエンジニアには、コンピュータのしくみに関する詳細な知見が要求されるのです。

組み込みエンジニアのコミュニケーション力

組み込み分野でリモートワークを行う際には、コミュニケーション力が求められます。
チーム作業が中心となるため、

  • クライアントからの要望や個人の作業状況を適切に共有することが重要です。

また、設計やテスト段階においても、細かな調整を行う上でコミュニケーション能力が不可欠となります。

組み込みエンジニアのリモートワーク時の自己管理

組み込みエンジニアとしてリモートワークや在宅勤務に従事する際には、自己管理能力が求められます。
勤務場所は自宅やカフェなど自由に選べますが、その自由度が高いがゆえに、自己管理スキルの重要性が増します。

  • 過剰な労働を避けるため適切な休憩時間を設定したり
  • 情報漏えいリスクを低減するためディスプレイに覗き見防止フィルターを貼るなど

個人で対策を講じる必要があります。

リモート/在宅ワーク案件に参画する際の注意点

リモート/在宅ワーク案件に参画する際の注意点

組み込み開発の仕事をリモートで行う際の留意点を3つ説明します。

  • まず、コミュニケーションの重要性を忘れずに、定期的な報告や質問を怠らないことが大切です。
  • 次に、作業環境を整備し、集中して業務に取り組めるよう配慮することが求められます。
  • 最後に、セキュリティ対策を怠らず、機密情報の取り扱いには細心の注意を払う必要があります。

リモートワークには様々な利点がありますが、プロフェッショナルとしての自覚と責任を持つことが不可欠です。

組み込みエンジニアのリモート/在宅ワークのメリット・デメリット

組み込みエンジニアがリモートワークや在宅勤務に従事する際、業績評価は完成した成果物のみに基づく傾向があります。
このため、業務プロセスや勤務態度が適切に評価されづらいというマイナス面があります。
しかし、組み込みエンジニアの主要な職務は組み込みシステムの開発や実装であり、システム開発の成果物の質が評価の中心となりやすいため、リモートワークによるデメリットは小さいと考えられます。
重要なのは、チーム全体で進捗状況を共有し、連携を密にすることで、高品質な成果物を生み出すことです。
リモート環境ではフェイス・トゥ・フェイスのコミュニケーションが困難ですが、

  • ビジネスチャットや
    Web会議ツール

    を活用し、この課題に対処することが求められます。

リモート組み込みエンジニアの長時間労働対策

組み込みエンジニアがリモートワークや在宅勤務に従事する際、監視が行き届かない環境で業務を行うことが多いため、プライベートと仕事の境界線が曖昧になりがちです。
そのため、長時間労働に陥りやすい傾向があります。
この問題に対処するため、厚生労働省は「テレワークにおける適切な労務管理のためのガイドライン」において、

  • 時間外労働や休日出勤、深夜勤務の原則禁止
  • メール送信の抑制
  • 長時間労働者への注意喚起
  • システムアクセス制限

などの対策を提案しています。
リモートワークや在宅勤務に従事する際は、過剰な疲労を避けるため、各自が適切な対策を講じることが重要です。

リモートワークにおける情報漏洩リスク

リモートワークやテレワークでは、機密情報の取り扱いに細心の注意を払う必要があります。
自宅以外の場所で作業する際、第三者による情報漏えいのリスクが高まります。

  • 内部関係者による意図的な情報漏洩や、端末の紛失・盗難による情報流出
  • 不正アクセスやマルウェア感染などの外部からの脅威

にも注意が必要です。
作業環境や取り扱う情報の重要度に応じて、適切なセキュリティ対策を講じましょう。

まとめ

まとめ

本文では、リモートワークやフリーランスとして活躍する組み込みエンジニアについて詳しく解説しました。
組み込みエンジニアは在宅勤務でも十分に対応可能であり、年収が低下することはありません。
ただし、リモート案件が少なく、常駐案件が多いのが実情です。

  • 案件獲得方法としては、ITフリーランス向けダイレクトスカウト「xhours」の活用がおすすめです。

求められるスキルは、

  • プログラミング言語
  • 機器知識
  • コンピューター理解
  • コミュニケーション力
  • 自己管理力

です。
一方で、

  • 成果物重視の評価
  • 長時間労働
  • 情報漏洩リスク

にも注意が必要です。
近年、AIやIoTの発達により、組み込みエンジニアの需要は高まっています。
将来性に期待を持ち、フリーランスの組み込みエンジニアには在宅案件にチャレンジしてほしいと思います。