現代社会では、ウェブサイトやアプリケーションの外観だけでなく、ユーザーの体験と利便性も重視されるようになりました。
この傾向に伴い、UI・UXデザイナーの需要が急速に高まっています。
デザイナーは自由契約で活躍する人が多く、リモートワークの求人や案件も数多く存在します。
そこで、UI・UXデザイナーもウェブデザイナーと同様にリモートワークが可能なのかが疑問視されています。
本稿では、以下の点について解説します。
- UI・UXデザイナーのリモートワーク求人・案件の実態
- UI・UXデザイナーのリモートワーク求人・案件の将来性
- UI・UXデザイナーのリモートワーク求人・案件選定時の留意点
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UI・UXデザイナーはリモートワークできる?
デザイン業界では、リモートワークが一般的な働き方となっています。正社員としても在宅勤務が可能な求人が多数存在しており、フリーランスだけでなく様々な雇用形態でリモートワークが選択できます。
デザイン業務は機密情報を扱うことが少ないため、セキュリティ上の懸念も低くなります。
また、報酬体系も成果物に対する支払いが一般的で、労働時間の管理が不要となるメリットがあります。
優秀なデザイナーほど自由な働き方を重視する傾向にあり、企業側もそうした人材を確保するためにリモートワークを推奨しています。
このように、デザイン職はリモートワークに適した職種と言えるでしょう。
UI・UXデザイナーの場合、使いやすさのチェックのために一定の出社が必要となる可能性がありますが、作業自体はフルリモートで問題ありません。
UI・UXデザイナーのリモートワーク求人・案件実情 (2024年6月)
ITフリーランス向けダイレクトスカウト「xhours」では、UI・UXデザイナーの求人・案件が6,349件掲載されており、そのうち1,610件がリモートワークに対応しています。
さらに、915件がフルリモート対応の求人・案件となっています。
UI・UXデザイナーの求人・案件の約25%がリモートワークに対応しており、そのうちの約56%がフルリモートとなっています。
前年と比べると、取り扱い求人・案件の割合は約10%増加し、リモート求人・案件におけるフルリモート求人・案件の割合は約25%増加しています。
この結果から、UI・UXデザイナーのフリーランス求人・案件はリモートワークに対応しているものが多いことがわかります。
コロナ禍において、多くの企業が出社人数を最小限に抑えていることから、UI・UXデザイナーの仕事はパソコン一台で行えるため、出社の優先度が低くなっています。
そのため、現在はUI・UXデザイナーのリモートワーク求人・案件が増加しています。
この状況は当分続くと予測されるため、スキルが不足していてもリモートワーク求人・案件を探すメリットは大きいでしょう。
デザイナーのリモートワーク需要増加
UI・UXデザイナーの在宅勤務の機会は今後さらに拡大していくと考えられます。
インターネットの普及により、多くの人々がオンラインで情報を入手するようになり、デザインの重要性が高まっています。
特に視覚的な魅力だけでなく、利便性にも注目が集まるUI・UXデザイナーへの需要が増加しています。
しかし、優秀なデザイナーほど独立する傾向があり、成果物に応じた報酬体系が一般的です。
そのため、場所に捉われずに働ける在宅勤務は、
- 複数の案件を並行して進めるデザイナーにとって都合が良い
でしょう。
企業側からすれば、優秀なデザイナーを確保するためにも在宅勤務を推進するメリットは大きいと言えます。
このような状況から、UI・UXデザイナーの在宅勤務の機会は今後さらに拡大していくと考えられます。
UI・UXデザイナーの年収
UI・UXデザイナーの収入状況について説明します。
フリーランスのUI・UXデザイナーの
- 平均年収は736万円
- 中央値年収は780万円
- 最高年収は2,400万円
- 最低年収は240万円
となっています。
一方、正社員の
UIデザイナー | 平均年収は599万円 |
---|---|
UXデザイナー | 平均年収は625万円 |
です。
フリーランスの方が100万円から130万円ほど高収入を得られることがわかります。
UI・UXデザイナーは需要が高まっている職種で、供給が追いついていない状況にあります。そのため、正社員でも比較的高い条件の求人が見つかりやすく、高年収を得ることができます。しかし、700万円以上の年収を目指すのであれば、フリーランスに独立する方が早期の実現が可能かもしれません。実力があるUI・UXデザイナーは、フリーランス独立を検討する価値があるでしょう。
リモートワークでのUI・UXデザイナーの年収
ユーザーインターフェースやユーザーエクスペリエンスを手掛けるデザイナーは、リモートで働いても収入面で大きな変化はありません。
ITフリーランス向けダイレクトスカウト「xhours」が取り扱う案件では、最低報酬は20万円、最高で200万円となっており、リモートワークの有無による差はみられません。
デザイナーの業務範囲は、オフィスに常駐するか否かで本質的な違いはなく、機密情報にもあまり接することがないためです。
つまり、セキュリティ上のリスクが小さいことから、リモートワークであっても報酬水準に変化はないのが実情です。
フリーランスデザイナーの年収事情
フリーランスのWebデザイナーの収入状況を見ると、
平均月収は44.1万円、中央値が50万円、最高額は110万円、最低額は20万円となっています。
年収に換算すると、平均で529万円、中央値で600万円、最高で1,320万円、最低で240万円となります。
一方、UI・UXデザイナーの平均年収はWebデザイナーよりも200万円以上高くなっています。
この理由として、
- UI・UXデザイナーはWebデザイナーから派生した専門性の高い職種であり、デザイン設計がサービスやサイトの売上に大きく影響するため重要視されていること
が考えられます。
UI・UXデザイナーは、
- ユーザーの使いやすさや体験を意識したデザインを行うこと
- アクセス数の多いWebサイトやユーザーフレンドリーなゲーム、アプリの開発には欠かせない存在
です。
また、
- ユーザーニーズに応えるデザインを考案するには、マーケティングの知識も必要とされます
。
このように、Webデザイナーよりも幅広いスキルが求められることが、年収の高さにつながっているのでしょう。
UI・UXデザイナーのリモートワーク求人・案件獲得方法
UI・UXデザイナーがオンラインで仕事を見つける方法は様々です。個人の状況に合わせて、最適なアプローチを選ぶことが重要です。
- 求人サイトを活用する
- フリーランスプラットフォームに登録する
- ポートフォリオサイトを作成する
と、多様な選択肢があります。自分に合った戦略を立て、遠隔勤務の機会を探しましょう。
コミュニケーション苦手者のためのフリーランスエージェント活用術
コミュニケーションに自信がない人にとって、フリーランスエージェントは有益な選択肢となります。
エージェントは、クライアントとの面接や入職手続きなど、対話が必要な場面で仲介役を務めてくれます。
優れた技術を持っていても、自身のスキルを適切に伝えられなければ仕事を得ることは難しいでしょう。
そこで、エージェントに交渉を代行してもらうことで、コミュニケーション面での不安を解消できます。
ただし、エージェントから紹介される案件は、あなたが面接に合格すると判断されたものに限られます。
つまり、必ずしも希望通りの案件が見つかるとは限りません。
特に経験の浅いUI/UXデザイナーの場合、経歴が足りずに希望する案件を見つけられないリスクがあります。
そのため、フリーランスエージェントを活用するには、最低3年程度の実務経験を積んでおくことが賢明でしょう。
クラウドソーシングサービスの活用とその注意点
実力と能力があれば、クラウドソーシングプラットフォームを活用するのが賢明です。
- クラウドワークス
- ランサーズ
- ココナラ
などが代表的なサービスとなります。
これらのプラットフォームでは、実務経験よりも実力が重視される傾向にあります。
そのため、経験年数が浅くても、クライアントから評価されれば案件を獲得できる可能性があります。
応募できる案件も自由に選択可能で、自身のスキルに合ったものはもちろん、レベルの高い案件にもチャレンジできます。
さらに、リモートワークが前提の案件が多数あるため、希望する条件に合った仕事を見つけやすいでしょう。
ただし、一部のクライアントが適正な報酬を提示していない場合があり、フリーランスとしては市場相場を理解し、適切な案件を選ぶ必要があります。
SNSでフリーランス仕事を得る際の注意点
フリーランスとしてキャリアを積むには、SNSを活用することで機会が広がる可能性があります。
実際、自身のプロフィールやポートフォリオをSNSに公開し、クライアントから直接依頼を受けているデザイナーは多数存在します。
SNSの利点は、
- クライアント側からフリーランサーに気軽にアプローチできる点にあります。
- 接触のハードルが低いため、案件の獲得が容易になり、営業の手間も削減できます。
- 運が良ければ大手企業の求人や大型案件に携わる機会も生まれるかもしれません。
一方で、SNSを介した取引には注意が必要です。
- クライアントが連絡を絶ち、報酬の支払いを拒否するなどのトラブルが起こりがちなためです。
そのため、SNSで仕事を探す際は、
- 相手の信頼性を確認し、契約書の作成など十分な対策を講じることが重要となります。
UI・UXデザイナーがリモートワーク求人・案件で要求されやすいスキル
UI・UXデザイナーがオンラインで仕事を見つけるには、どのような能力が役立つでしょうか。遠隔勤務を望むUI・UXデザイナーにとって、習得しておくと有益なスキルをご紹介します。
- コミュニケーション能力
- 自己管理能力
- テクノロジーの活用能力
スキル | 内容 |
---|---|
コミュニケーション能力 | メールやチャットツールを使って、効果的にコミュニケーションを取る力が重要です。 |
自己管理能力 | 自分で作業を管理し、期限を守る力が求められます。 |
テクノロジーの活用能力 | デザインツールやコラボレーションツールを使いこなす必要があります。 |
UI・UXデザイナーの役割と必要なスキル
UI・UXに関する専門知識と実践経験が不可欠です。
リモートワークでは円滑なコミュニケーションが難しいため、3年以上の実務経験が望ましいでしょう。
UI・UXデザインとWebデザインは全く異なる分野です。
Webデザインは視覚的な側面に重きを置くのに対し、UI・UXデザインはユーザー体験の向上に焦点を当てます。
ユーザーの行動パターンやインターフェースの使いやすさを考慮し、快適な操作性を実現することが求められます。
そのため、UI・UXデザイナーには美しさよりも機能性を優先する姿勢が必要とされます。
また、専門的なツールとして
- Adobe XD
- Figma
などを使用するため、これらの習熟が不可欠です。
UI・UXデザイナーに求められるWebデザインスキル
UI・UXデザイナーとWebデザイナーの役割は異なるものの、実務ではUI・UXデザイナーが両方の業務を担うことが多い。
そのため、UI・UXデザイナーにはWebデザインの能力も求められる。
求人においても、UI・UXデザインツールに加えて、PhotoshopやIllustratorの操作スキルが必須とされることが一般的だ。
使いやすさと見映えのバランスが取れたデザインができるUI・UXデザイナーが重宝されるため、Webデザインスキルの習得も欠かせない。
さらに、
- HTML/CSS
- JavaScript
などのコーディング知識があれば有利である。
マーケティングとUXの関係性
UI・UXデザイナーには、デジタルマーケティングの知識を活かしたデザインが求められています。
ユーザー調査を行い、利用者の体験価値を最大化する設計が必要不可欠です。
マーケティングとUXは密接に関係しており、UI・UXデザイナーの中には、以下のようなマーケティングスキルを持つ人もいます。
- アクセス分析
- 改善
より良い案件を選択したり、報酬を上げたい場合は、マーケティングスキルを身に付けることが有利でしょう。
自己管理の重要性
フリーランスとして活動する際、時間や資金の管理能力は不可欠な要素となります。
特にリモートワークでは、勤務時間や場所に制約がないため、期限や予算管理が疎かになりがちです。
クライアントから仕事を受注するには、信頼関係が極めて重要です。
- スケジューリングツールを活用し、期日を守れるよう自己管理に努め、
- 発注者からの信頼を確保することが肝心です。
リモートワーク求人・案件に参画する際の注意点
リモートワークの機会には様々な利点がありますが、同時に留意すべき点も存在します。
適切な準備なくしてチャレンジすれば、
- 収入が得られない可能性
- 依頼主との軋轢に巻き込まれるリスク
があります。
そこで、リモートワークに従事する際に心得ておくべき重要な点をご説明いたします。
リモートワークにおける成果物のクオリティ重視
リモート勤務では、労働時間や作業過程を把握することが困難であり、評価基準は成果物のみとなりがちです。
たとえ多大な努力を重ねたとしても、結果だけが評価され、その過程は考慮されません。
修正の機会も限られているため、常に高品質な成果物を提供することが求められます。
特に、リモートワークにおいては、より一層の品質向上に努める必要があるでしょう。
フリーランスの時間管理
フリーランスは労働法規の対象外であるため、長時間労働に陥りがちです。
収入を得るために業務量を増やすことは問題ありませんが、自己管理が欠かせません。
オンとオフの切り替えができなければ、過労で健康を損なう恐れがあります。
リモートワークでは作業時間の調整が容易なため、中途半端な休憩を挟みながら長時間働いてしまう人も多くいます。
フリーランスとして活動する際は、自身の能力に見合った案件を選び、時間管理を徹底して心身ともに健全な状態を保つことが重要です。
リモートワークにおける情報漏洩リスクへの対策
リモートワークにおいて最大の危険性は機密情報の流出です。
UI・UXデザイナーの業務では極秘データを扱うことは少ないかもしれませんが、一度情報が漏れれば顧客からの信頼を失ってしまいます。
そのため、
- 作業用PCにはセキュリティソフトを必ず導入し
- 重要書類は自宅外に持ち出さない
など、日々の業務で情報漏えいに細心の注意を払う必要があります。
まとめ
Webサイトやアプリケーションの制作において、ユーザーインターフェースとユーザーエクスペリエンスを担うデザイナーの存在は不可欠です。
そのため、UI/UXデザイナーの需要が急速に高まっています。
特にこの職種は、パソコン一台があれば業務が可能で、情報漏えいのリスクも低いため、リモートワークに適しています。
実際、リモート求人・案件も充実しており、希望する条件に合ったものを見つけやすくなっています。
ITフリーランス向けダイレクトスカウト「xhours」では、スキマ時間に求人を探したり、開発言語の単価を調べたりできます。
将来的にフリーランスを検討している方も、このようなサービスを活用すると良いでしょう。
UI/UXデザイナーとして第一線で活躍するためにも、このような機会を有効に活用しましょう。