機械系エンジニアの将来性は高い?年収や必要スキルをご紹介!

機械系エンジニアと聞くとどのような印象があるのでしょうか。

機械系エンジニアとは機器を使用して、製品の設計や製造を行うのが主な仕事内容です。

一方で、近年AIなどの技術が発展し、さまざまな職種でAIに仕事が奪われるのではないかと危惧する声が多くなっており、機械系エンジニアも例外ではないと言われています。

本記事では機械系エンジニアの仕事内容から必要なスキルをはじめ、AIなどIT分野との関係をもとに解説し、機械系エンジニアの将来性について解説していきます。

最後までぜひご覧ください。

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そもそも機械系エンジニアとは?

機械エンジニア
機械系エンジニアとは工場設備や機器、自動車関連に関わるエンジニアの総称で、メカニカルエンジニアとも呼ばれています。
普段使う自動車や家電などのほとんどは機械系エンジニアによって設計や製作されたものです。

機械系エンジニアの働き方は多岐に渡ります。

機器の設計や開発の他にも提案や運用、機材の調達から管理まで活躍する領域も幅広いです。

また、製品そのものの製造に留まらず、製品を作るための機器の設計や工場全体の設備設計なども機械系エンジニアが行います。

システムエンジニアの違いとは?

システムエンジニアと機械系エンジニア
システムエンジニアはプログラミング言語を駆使して、家電製品や自動車などあらゆる機器の制御を行うためのシステムを作ります。

一方で、機械系エンジニアは機器の耐久性や効率の良い動きを実現するように設計や製造するのが仕事です。

例えば、洗濯機の場合「スイッチを押せば洗濯コースを選べて洗濯が開始される」のようなアクションに対して特定の反応が返ってくる動きの開発は、システムエンジニアが担います。

そして、洗濯機に必要な材料の選定や設計・製造などを行うのが機械系エンジニアです。

機械系エンジニアの将来性が高い理由

機械系エンジニアの将来性は高い
機械系エンジニアの将来性は今後も高まるとされていて、需要はさらに大きくなるであろう職業です。

機械系エンジニアの需要が伸びる背景には以下のものがあります。

  • IT関連の需要の拡大
  • IT人材不足の深刻化
  • 機械関連事業に参入する企業の増加
  • IoTやAiの進化

IT関連の状況に影響される環境にあることが伺えます。

順番に解説していきましょう。

IT関連の需要が拡大しているから

現代社会において、自動車や医療器具をはじめとしたIT関連のデバイスは年々増加傾向にあると、総務省のデータでも報告されています。

IT関連の需要が増加すれば、自動車や電子機器などの製造量も増加するので、自ずとIT関連の製品の制作に関与する機械系エンジニアの需要も増加することが予測されるでしょう。

IT人材不足が深刻化しているから

IT関連への需要が高まる一方で、IT人材は減少傾向にあります。

みずほリサーチ&テクノロジーズの調査によると、IT関連への需要が著しく伸びた場合、2030年時点でのIT人材の不足数は約79万人にまで増加すると報告されています。

IT領域の人材不足
出典:みずほリサーチ&テクノロジーズ

人手不足はIT業界に留まらず、機械設計の分野でも大きな問題点です。

IT分野が発展すれば、自動車や家電、各種電子機器などの需要も高くなるので、製品をより多く製造する必要があります。

職種や業界が認知されていないことや、人材が都心部に集まり地域差が出てしまうことなど理由はさまざまですが、今後より多くの機械系エンジニアが必要となることは確かです。

機械関連事業に参入する企業が増加しているから

最近では、多くの企業が機械関連事業に参入する傾向にあります。

例を挙げると、Google社による自動車開発や大手通販サイトAmazonのタブレットやスピーカーの開発・製造が記憶に新しいところです。

時代の変化により、市場を占める企業の割合は今後も変化していくことが予想されます。

大手企業が参入している分野であることからも、機械設計等のお仕事は今後注目度の高い領域であると考えて良いでしょう。

IoTやAiの進化が進んでいるから

経済産業省が報告しているデータによると、2020年以降のITサービス市場におけるIoT/AI領域の市場割合は増加していき、2030年にはIT市場全体の過半数を占めるほど需要は高くなります。

このような背景からもAIロボットやIoTを利用した家電製品の製造もより増加するため、機械系エンジニアの需要も増加していくでしょう。

IT市場の需要出典:IT人才育成の状況について

近年、設計や製作などの機械エンジニアの仕事がAIにより搾取されるなどと囁かれていますが、全てを人間に代わってAIが行うのは現時点では不可能です。

トラブルへの対応や、困難な案件を打開するための発想力や独創性をはじめとして、コミュニケーション能力などさまざまなスキルが求められます。

AIに対する知識が豊富なことや、AIには困難な分野を熟知して、AIでは対応不可能なスキルを持っている人材はこれからも重宝されるはずです。

機械系エンジニアの種類一覧

機械系エンジニアの種類機械系エンジニアにはさまざまな種類があります。

以下に機械系エンジニアとしての働き方の例を紹介します。

機械工学エンジニア

機械系エンジニアの仕事の中でも代表的なのが、機械工学エンジニアです。

自動車や航空機、家電製品などさまざまな機器の製造を担当します。

機械工学エンジニアの場合、機械工学に関する基本的な知識が必要です。

後述しますが、特に「4力」と呼ばれる知識は必須になるものなので、必ず習得しておく必要があります。

機械設計エンジニア

機械設計エンジニアはその名の通り、設計を中心に行います。

私たちの身の回りで言うと、パソコンやスマートフォン、医療機器などがどのように作用するのかを検討しつつ最適な設計を行っていきます。

設計の際には、主にCADソフト(Computer Aided Design)を使用して基本となる設計図を作成したり、CAE(Computer Aided Engineering)などを利用して部材の強度を検証したりします。

ここでも4力などを元に、製品の機能性、安全性、耐久性などさまざまな面から評価し、実際に必要となるコストなどと照らし合わせることでより最良の設計方法を考案することが役割です。

AI・ロボット開発エンジニア

近年、注目を集めているAI・ロボットですが、製造には機械系エンジニアの存在が欠かせません。

AIやロボットの基盤的なシステムの構築はシステムエンジニアの領域ですが、機械系エンジニアはその枠組みとなる素材や実際の動きを円滑に行うための設計や資材の選定を行います。

機械工学の基礎とも言える4力以外にも、AIに関する知識がある方は重宝はされるでしょう。

また、今後の社会の流れ的にはAIやロボットの市場は拡大傾向なので、機械系エンジニアとしてAIへの知識や経験はかなり優位になります。

金型設計・開発

商品を生産する際に使用する金型ですが、機械系エンジニアの仕事の種類としては代表的で、需要が高い分野です。

金型設計の需要が高い理由として、「製品の量産に便利」「精度の高い製品の産生が可能」などの理由があります。

製品の生産の際には、金型に金属・樹脂・プラスチックなどさまざまなものを流し込み、冷却して固めることで出来上がります。

金型を使用することで製造の際にかかる手間の削減ができるので、低コストで大量生産が可能です。

加えて、型を使用する分仕上がりにも差が少なくなるので、生産の質を保つことができます。

最近では、企業からオーダーメイドで金版を依頼されることが増加しているので、企業の要望をしっかりとヒアリングして、製造に繋げる能力も求められています。

機械系エンジニアの年収相場

年収相場
求人ボックスによると、機械系エンジニアの年収相場は491万円です。

一方で国税庁による「令和2年分 民間給与実態統計調査」では、一般的な会社員の平均年収は433万円と報告されているので、機械系エンジニアの平均年収は比較的多いと言えます。

英語やコミュニケーションスキルをはじめとした営業能力や技術士や機械設計技術者試験、CAD利用技術者試験などの資格取得により、さらにステップアップすることも可能です。

機械系エンジニアに必要なスキル

機械系エンジニアに必要なスキル
機械系エンジニアとして働いていくために必要最低限のスキルは身につけておかなければなりません。

身につけておいた方が良いスキルや知識について解説していきます。

基本的な機械設計スキル

機械系エンジニアとして作業する中で、機械工学に関する基礎的な知識は基本中の基本となります。

機械工学の基礎がわかっていなければ仕事にならないと言っても過言ではありません。

絶対に押さえておきたいのが「4力」です。

4力とは「材料力学」「熱力学」「流体力学」「機械力学」の4つを指しており、それぞれ設計や製造の中で重要な役割を果たします。

例えば材料力学であれば、材料の強度がどの程度あるのかを調べるのに必要な知識です。

これにより設計する際にどの程度の材料をどのように使用すれば、十分な耐久性が得られるのかなどを知ることが可能です。

また、熱力学や機械力学により、家電製品などが動く際の熱エネルギーの変換についての知識であったり、機械がより効率的な動きをするにはどうすれば良いのかを調べることができます。

CADソフト

CADソフトとは機械の図面設計を行うためのソフトです。

本来、設計をする際にはどの程度の強度や種類を使うなど詳細な部品や機材を機械系エンジニアが設計して、CAD技術者が設計図面通りに仕上げると言うのが一般的な流れになります。

CADを使いこなすには基本的なソフトの操作方法に加えて、大三角法による投影法、機械製図の規格である「JIS B 0001」などの知識も必要になる。

自動車業界や航機・造船業界であれば「CATIA(キャティア)」、家電や精密機器業界なら「SOLIDWORKS」などとそれぞれ内容に適したソフトがあるので、CADソフトは自身の目的にあったものを選ぶのが重要です。

AIやAR・VRの知識

これからの社会では、機械系エンジニアもAIやAR・VRの知識について詳しければ有利に働く可能性が高いです。

従来の機械系エンジニアであれば、AIやVRなどのIT関連の知識は乏しいし、実際の働く中ではあまり必要でなかったと言うのが現状です。

しかし、今後需要が伸びる可能性の高い分野の知識を持っておくことは必ず役に立つはずです。

知識を蓄えておくことでAIの設計に役立つのみならず、今後AIに機械系エンジニアとしての仕事を取られないためには、AIではできない作業に強くなることも大事でしょう。

機械系エンジニアのやりがいは?

機械系エンジニアのやりがい
仕事を続けていくうえで、仕事に対するやりがいは非常に重要です。

機械系エンジニアのやりがいとはどのようなものがあるのでしょうか。

機械系エンジニアとしてのやりがいで多いものを以下に挙げます。

  • 製品開発に関わる重要な役割を担う
  • 完成の喜びをチームで共有できる
  • すべての仕事が経験として身になる

機械系エンジニアは製品の根本となる部分の設計から製造までを担っており、非常に高度な技術が要求されるとともに、責任のある職業です。

達成すべき目標に向けて試行錯誤し、最良の答えを導き出せた時には何にも変えられない喜びを感じられます。

また、目の前の課題を乗り越えるために行った努力は自身の経験や技術として蓄積されていくので、今後の自身の機械系エンジニアとしての実績にもなるはずです。

まとめ

機械系エンジニアまとめ
機械系エンジニアの将来性について解説しました。

機械系エンジニアは本来、機械工学の知識や技術をもとに設計・製造を行う職業ですが、IT分野との関わりが非常に強い側面があります。

現代の社会の流れからもIT分野の成長や需要の高まりは今後も大きくなることが予測されるので、機械系エンジニアも将来性のある職業と言って良いでしょう。

機械エンジニアとしての知識や技術を確率していくとともに、AI分野など新たな分野での知見を取り入れていくことで機械系エンジニアとしての自身の位置を確率していきましょう。

最後までお読みいただきありがとうございました。