エンジニアとしてすでに働いている人やこれからエンジニアを目指す人の中には、資格を取ったほうがよいのか、どのような資格を選んだらよいか悩んでいる人もいるのではないでしょうか。
実際にエンジニアの資格取得には収入やスキル、待遇面で様々なメリットがあるため、エンジニアの資格取得はおすすめです。
そこで本記事では、エンジニアにおすすめの資格22選と資格取得のメリットについて解説していきます。資格取得時の注意点についても解説しますので、資格取得前にぜひ参考にしてください。
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- 1 エンジニアとして働くには資格が必要?
- 2 資格は主に3種類
- 3 エンジニアにおすすめの資格21選
- 3.1 【開発】基本情報技術者試験
- 3.2 【開発】応用情報技術者試験
- 3.3 【開発】システムアーキテクト試験
- 3.4 【PM】ITストラテジスト試験
- 3.5 【PM】プロジェクトマネージャ試験
- 3.6 【PM】PMP
- 3.7 【NW】ネットワークスペシャリスト試験
- 3.8 【NW】Cisco技術者認定(CCNA)
- 3.9 【NW】Cisco技術者認定(CCNP Enterprise)
- 3.10 【NW】Linux技術者認定試験(LPIC)
- 3.11 【DB】データベーススペシャリスト試験
- 3.12 【DB】ORACLE MASTER (Gold DBA)
- 3.13 【監査】システム監査技術者試験
- 3.14 【監査】情報処理安全確保支援士試験
- 3.15 【監査】情報セキュリティマネジメント試験
- 3.16 【監査】公認情報システム監査人(CISA)
- 3.17 【保守】ITサービスマネージャ試験
- 3.18 【保守】ITIL® 4認定資格
- 3.19 【クラウド】AWS認定資格
- 3.20 【AI】Python3エンジニア認定基礎試験
- 3.21 【組込み】エンベデッドシステムスペシャリスト試験(ES)
- 4 資格取得のメリット3選
- 5 資格を取得する前の注意点
- 6 資格学習時のポイント
- 7 求められるエンジニアになるために必要なこと
- 8 まとめ
エンジニアとして働くには資格が必要?
エンジニアは資格取得が必須の職業ではないため、資格を取得していなくてもエンジニアとして働くことは可能です。
エンジニアの現場では、実務経験やスキルが求められ、実務を十分にこなせるかどうかが重要となります。
しかし、エンジニアの資格取得は一定レベル以上のスキルがあることを示せるため、転職や就職時には有利となります。
また、未経験からエンジニアを目指す場合、企業への有効なアピール材料となるでしょう。
さらに、会社によって資格取得は昇給や手当の条件となっていることもあるため、エンジニアの資格取得にはメリットもあります。
そこで以下では、エンジニアの資格の種類とおすすめの資格について解説していきます。
資格は主に3種類
数多くあるエンジニアの資格は大きく3つに分類されます。
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それぞれ難易度や有効期限などの違いがあるため、自分のキャリアや目指すポジションによって選ぶことが大切です。
そこで以下では、それぞれの資格の特徴について解説していきます。
国家資格
国家資格とは、国の法律に基づいて個人のスキルや知識を証明する資格です。
経済産業省が所管するIPA(独立行政法人情報処理推進機構)が実施しており、信頼度が非常に高い点が特徴になります。
国家資格には有効期限がなく、1度取得することで永久にスキルや知識を証明することが可能です。
また、更新がない点において、うっかりと失効してしまうという事態がない点はメリットでしょう。
国家資格は、特定のベンダー名や商品名を使用できないため、主にITスキルの向上を目的にITに関する汎用的な知識やスキルが求められます。そこで、概念的ではなくより具体的な技術や知識を証明する資格が次に解説する民間資格です。
ベンダー資格
ベンダー資格とは、OSやソフトウェアといったITに関連する製品を提供している企業(ベンダー)が認定する資格です。試験はベンダー企業や関連団体によって実施され、主にベンダーが提供している製品の操作や管理に関する知識やスキルが求められます。
ベンダーが提供する製品の専門的なスキルや知識を身につけられるため、実務の場で活かしやすい点は、該当する製品を採用している企業への強いアピールポイントです。また、有効期限があることで定期的に更新する必要があるため、常に一定のスキルや知識を保有することを証明できます。
さらに、世界基準で認知されているベンダー資格もあるため、資格を取得することで海外へ活躍の場を広げられるでしょう。
ベンダーニュートラルな資格
ベンダーニュートラルな資格とは、特定のベンダーではなく一般社団法人や非営利団体によって中立的な立場で実施・認定される資格です。ITに関する実務的なスキルや知識が出題されるため、即戦力としてアピールしやすいという特徴があります。
また、ベンダーニュートラルな資格は昇給や手当の条件として採用されるケースも多く、難易度が高い資格は企業から評価されやすいと言えます。
このようにエンジニアの資格には種類ごとに特徴が異なるため、今現在求められているスキルや就職状況に応じて自分に合った資格取得を目指すのが良いでしょう。
エンジニアにおすすめの資格21選
エンジニアの資格には数多くの種類があり、自分が必要とするキャリアやポジションによって取得が必要な資格を選ぶことが大切です。
そこで以下では、エンジニアにおすすめの資格21選を紹介します。
資格の内容や出題形式に伴い、スキルの習熟度や実績の達成度指標が定められているITSSレベルも合わせて紹介しますので、ぜひ資格選びの参考にしてください。
【開発】基本情報技術者試験
基本情報技術者試験(FE)は、エンジニアを対象とする資格の中でも基礎的な資格です。エンジニアに必要な基礎的知識やスキルが出題されるため、企業が新入社員に取得を推奨することの多い資格であり、最初に取得する資格として多くのエンジニアが選びやすい資格になっています。
難易度は基礎レベルですが、プログラミングやソフトウェア、プロジェクト管理など幅広い分野から出題されるため、ITに関する基本的知識と技術の習得が望めます。令和2年度よりコンピューターを利用したCBT方式が採用されたため受験しやすくなりました。
種類 | 国家資格 |
難易度 | ITSSレベル2 |
試験日程 | 年2回(春期・秋期) |
出題形式 | 多肢選択式(四肢択一) 全80問
多肢選択式 全11問中5問解答 |
受験料 | 7,500円(税込) |
【開発】応用情報技術者試験
応用情報技術者試験(FE)は、基本情報技術者試験(FE)の上位資格にあたります。ソフトウェア開発や情報システム開発、ネットワーク構築やデータベース構築など、開発や運用に関する全般的な知識が出題範囲です。
基本情報技術者試験(FE)と比べて難易度が高く出題範囲も広いため、エンジニアの実務経験が数年以上ある人向けの資格になります。また、基本情報技術者試験(FE)と異なり記述式の問題があるため、しっかりとした対策が必要です。
種類 | 国家資格 |
難易度 | ITSSレベル3 |
試験日程 | 年2回(春期・秋期) |
出題形式 | 午前:多肢選択式(四肢択一)80問
午後:記述式 11問出題のうち5問 |
受験料 | 7,500円(税込) |
【開発】システムアーキテクト試験
システムアーキテクト試験(SA)とは、IT戦略に基づいて情報システムや組み込みシステム、IoTシステムの要件を定義し、アーキテクチャを設計するエンジニアを対象とした試験です。システム開発の上流工程に関する高度な知識やスキルを証明する試験のため、難易度が高い試験となります。
システムアーキテクト試験(SA)の取得を目指すことで、セキュリティやハード面で漏れのない上流工程を目指せるでしょう。
種類 | 国家資格 |
難易度 | ITSSレベル4 |
試験日程 | 春期(4月) |
出題形式 | 多肢選択式(四肢択一)全55問
記述式 4問中2問解答 論述式 3問中1問解答 |
受験料 | 7,500円(税込) |
【PM】ITストラテジスト試験
ITストラテジスト試験(ST)とは、事業戦略や事業計画といった企業のIT施策を担うコンサルタントやCIO、CTOを対象とした試験です。ITを利用した事業改善が主な目的となるため、マーケティングや経営学も出題範囲となります。
難易度が非常に高く、ITストラテジストの資格取得者は、医師や弁護士といった士業と同等の専門職として厚生労働省から認められています。そのため、仕事の幅が広がるだけでなく就職や転職時にも有利になると言えるでしょう。
種類 | 国家資格 |
難易度 | ITSSレベル4 |
試験日程 | 春期(4月) |
出題形式 | 多肢選択式(四肢択一)全55問
記述式 4問中2問解答 論述式 3問中1問解答 |
受験料 | 5,700円(税込) |
【PM】プロジェクトマネージャ試験
プロジェクトマネージャ試験とは、システム開発プロジェクトの最高責任者であるプロジェクトマネージャを対象とした資格です。プロジェクトの構想や推進に必要な予算、スケジュール、品質管理といった知識が求められます。
情報処理関連や事業戦略など出題範囲が多岐にわたるため、難易度が非常に高いです。一方、資格取得車はITコーディネータ試験や他の国家試験の一部項目が免除になるといったメリットもあります。
種類 | 国家資格 |
難易度 | ITSSレベル4 |
試験日程 | 秋期(10月) |
出題形式 | 多肢選択式(四肢択一)全55問
記述式 3問中2問解答 論述式 2問中1問解答 |
受験料 | 7,500円(税込) |
【PM】PMP
PMPとは、世界最大のプロフェクトマネジメント協会PMI(Project Management Institute)が認定する国際資格です。プロジェクトのマネジメントスキルが問われる試験となっており、資格取得後は外資系企業やグローバル企業へのアピール材料になります。
一方、PMPを受験するためには、定められた期間のプロジェクトマネジメント経験と公式が提供する35時間の研修が必要です。受験ハードルは高いですが、PMPは国内海外問わず通用する資格だと言えます。
種類 | ベンダーニュートラル資格 |
難易度 | ITSSレベル3 |
試験日程 | 受験申請受理後、1年以内 |
出題形式 | 多肢選択式(四肢択一)全200問 |
受験料 | PMI会員 $275
PMI非会員 $375 |
【NW】ネットワークスペシャリスト試験
ネットワークスペシャリスト試験とは、ネットワークシステムに関する課題発見並びに課題解決力が証明できる資格です。セキュリティを含むネットワークの構築や運用などのスキルの他、ネットワークサービスの動向が出題範囲となります。
難易度は非常に高いですが、公共機関では必須保有資格として提示されていることもあるため、大規模案件に携われる機会が得られる点はメリットの1つです。
種類 | 国家資格 |
難易度 | ITSSレベル4 |
試験日程 | 春期(4月) |
出題形式 | 多肢選択式(四肢択一)全55問
記述式 3問中2問解答 論述式 2問中1問解答 |
受験料 | 7,500円(税込) |
【NW】Cisco技術者認定(CCNA)
Cisco技術者認定とは、ネットワークの機器開発で世界大手となるCisco Systemsの製品に関する操作方法や知識が問われる資格です。ネットワーク分野では非常に認知度が高く、インフラエンジニアとして必要な基礎的知識・スキルを学べます。
難易度は5つに分類されており、最も認知度が高いのは5段階中4番目に難易度が高いアソシエイトレベルに属する「CCNA」です。ネットワークエンジニアとしての技能を証明でき、国内外問わず通用する資格のため、外資系企業やグローバル企業へのアピール材料として活用できます。
種類 | ベンダー資格 |
難易度 | ITSSレベル2 |
試験日程 | 随時 |
出題形式 | CBT方式 120分 |
受験料 | 33,600円(税込) |
【NW】Cisco技術者認定(CCNP Enterprise)
CCNP Enterpriseは、CCNAの上位資格です。5段階の難易度のうち2番目に難易度が高く、資格取得にはコア試験とコンセントレーション試験に合格する必要があります。
コア試験では、CCNAと比べて求められる知識の幅が広がり、ネットワークデザインに加えて無線や自動化といった分野まで出題範囲に含まれます。また、コンセントレーション試験では、専門の技術分野が出題範囲となるためCCNPより深い知識が必要です。
種類 | ベンダー資格 |
難易度 | ITSSレベル3 |
試験日程 | 随時実施 |
出題形式 | CBT方式 120分+90分
(コア+コンセントレーション) |
受験料 | 86,240円(税込) |
【NW】Linux技術者認定試験(LPIC)
Linux技術者認定試験とは「Linux」を扱うための知識や技術を保有することを証明する資格です。難易度別に3つのグレードに分類されており、Linuxのインストール方法や操作方法の他、難易度が高くなるにつれてシステム構築や保守、ファイルサーバーの作成といった内容も出題されます。
Linuxは日本企業のうち約7割が導入しているOSであり、Linux技術者認定試験は世界基準で認定されています。近年、IoT機器の普及によりシェアが伸びているため、今後ますます需要が伸びるでしょう。
種類 | ベンダー資格 |
難易度 | ITSSレベル1 |
試験日程 | 随時 |
出題形式 | CBT方式 60問 |
受験料 | 16,500円(税込) |
※Linux技術者認定試験(LPIC-1)の場合
【DB】データベーススペシャリスト試験
データスペシャリスト試験とは、データベースに関する高度な知識や技術を保有し、膨大なデータの管理や活用、適切なデータベースの構築ができることを証明する資格です。そのため、データベース全般の知識だけでなく、信頼性の高いデータベースの構築や目的に基づくデータ分析やデータモデルの作成などが求められます。
現代のIT社会ではデータが非常に重要であり、近年IoTやAIと関連のあるビッグデータ技術が注目を集めています。データベースの知識は、IoTやAIを扱う際に活用できるでしょう。
種類 | 国家資格 |
難易度 | ITSSレベル4 |
試験日程 | 秋期(10月) |
出題形式 | 多肢選択式(四肢択一)全55問
記述式 3問中2問解答 論述式 2問中1問解答 |
受験料 | 7,500円(税込) |
【DB】ORACLE MASTER (Gold DBA)
ORACLE MASTERとは、オラクル社が提供する世界トップシェアを誇る「Oracle Detabase」を用いたデータベースを扱う知識や技術を保有することを証明する資格です。データベースの管理・運用スキルや一通りのSQLやリレーショナルデータベースの基礎知識が求められます。
ORACLE MASTERには難易度によってグレードが分類されており、ORACLE MASTER(Gold DBA)は2番目に難易度が高いグレードです。そのため、データベースに関する全般的な知識や技術だけでなく、適切に構築やリカバリ、チューニングが行える技術も必要になります。
種類 | ベンダー資格 |
難易度 | ITSSレベル3 |
試験日程 | 随時 |
出題形式 | CBT方式 85問 |
受験料 | 32,340円(税込) |
【監査】システム監査技術者試験
システム監査技術者試験とは、リスクコントロールを主としたセキュリティ担当者や情報システム担当者を対象とした資格です。IoTの普及によって需要が高まっている組み込みシステムの監査現場において、開発や運用システムにリスクがないか判断ができることを証明できます。
そのため、ITだけでなく法律に関する知識や、リスク発覚時に改善策を提案できるスキルも必要です。企業に合った改善策を提案可能かという能力を測るため、論文形式で出題されるので難易度が高い資格になります。
種類 | 国家試験 |
難易度 | ITSSレベル4 |
試験日程 | 秋期(10月) |
出題形式 | 多肢選択式(四肢択一)全55問
記述式 3問中2問解答 論述式 2問中1問解答 |
受験料 | 7,500円(税込) |
【監査】情報処理安全確保支援士試験
情報処理安全確保支援士試験とは、情報処理に関する法律に精通し、情報処理技術者としての知識やスキルを保有することを証明する資格です。主に、情報セキュリティマネジメントや情報セキュリティインシデントの対応や管理といった内容が出題されます。
2016年まで実施されていた「情報セキュリティスペシャリスト試験」をベースとして、近年増加傾向にあるサイバー攻撃に対する対策を担う人材を育成することを目的としています。
情報処理安全確保支援士はIT系の資格において初の士業であり、資格取得後はその他国家試験の一部項目が免除になるといったメリットがあります。
種類 | 国家資格 |
難易度 | ITSSレベル4 |
試験日程 | 春期(4月)・秋期(10月) |
出題形式 | 多肢選択式(四肢択一)全55問
記述式 3問中2問解答 記述式 2問中1問解答 |
受験料 | 7,500円(税込) |
【監査】情報セキュリティマネジメント試験
情報セキュリティマネジメント試験とは、情報セキュリティに関する幅広い知識を保有することを証明する資格です。情報セキュリティに関する基礎知識や不正アクセスへのセキュリティ対策の他、基礎的なIT知識やシステム監査、経営管理に関する知識も求められます。
情報処理技術者試験の中では比較的合格率が高く、情報セキュリティに関する基礎的な知識を網羅できるため、データを扱うエンジニア全般が対象となる資格です。
種類 | 国家資格 |
難易度 | ITSSレベル2 |
試験日程 | 冬季(12月) |
出題形式 | 多肢選択式(四肢択一)全50問
多肢選択式 全3問 |
受験料 | 7,500円(税込) |
【監査】公認情報システム監査人(CISA)
公認情報システム監査人(CISA)とは、情報システムの監査に関する専門的な知識を保有することを証明する資格です。企業の情報システムの信頼性が保たれているか評価・検証し、定期的に点検を実施することが求められます。
近年、SOX法により情報システムが監査対象となったことから、欧米では企業内の公認情報システム監査人配置が増えています。これに伴い、日本国内でも今後公認情報システム監査人を配置する動きが増えているため、今後需要がますます高まるでしょう。
種類 | ベンダーニュートラル資格 |
難易度 | ITSSレベル4 |
試験日程 | 冬期(12月) |
出題形式 | 多肢選択式(四肢択一)全150問 |
受験料 | 情報システムコントロール協会(ISACA)
会員 $575円 非会員 $760円 |
【保守】ITサービスマネージャ試験
ITサービスマネージャ試験とは、情報システムの安定稼働やシステム障害時の対応など、運用・保守を担うエンジニアを対象とした資格です。顧客のニーズを理解し満足度を上げるため、システムの品質改善や稼働管理を通してサービスの改善を実施することが求められます。
そのため、情報セキュリティやデータベースといったIT系の知識だけでなく、マネジメントや経営戦略といったストラテジーに関する専門知識も必要になります。設題には、ITサービスマネージャとしての考えを展開することもあるため難易度は高く、実務経験を交えた高度な知識やスキルが必要になるでしょう。
種類 | 国家資格 |
難易度 | ITSSレベル4 |
試験日程 | 春期(4月) |
出題形式 | 多肢選択式(四肢択一)全55問
記述式 3問中2問解答 論述式 2問中1問解答 |
受験料 | 5,700円(税込) |
【保守】ITIL® 4認定資格
ITIL® 4認定資格とは、顧客のニーズに合ったサービスを提供するためのマネジメントスキルが備わっていることを証明する資格です。ITシステムを安定的に稼働させ、顧客のニーズに応えて満足度を高められるよう全体を統制するための知識やスキルが求められます。
ITIL® 4認定資格は難易度別の3つの資格体系で構成されており、レベルによって試験だけでなく研修も伴います。認知度の高く難易度が最も低い「ITIL® 4ファンデーション」は合格率が高く、サービスマネジメントの基礎的な用語やコンセプトを学ぶことができます。
種類 | ベンダーニュートラル資格 |
難易度 | ITSSレベル1 |
試験日程 | 随時 |
出題形式 | 多肢選択式(四肢択一)全40問
研修 |
受験料 | 43,450(税込)
※2023年1月より 50,500円(税込) |
※ITIL® 4ファンデーションの場合
【クラウド】AWS認定資格
AWS認定資格とは、アマゾン社が提供するAWS(Amazon Web Services)に関する専門知識を保有することを証明する資格です。
AWS認定資格は12に分類されており、難易度が低い「クラウドプラクティショナー」では、クラウドサービスについての体系的な知識が求められます。また、難易度が高くなるにつれ、クラウドサービスの管理・運用やアプリケーション開発などの知識やスキルが必要となります。
AWSを利用する企業は増加傾向にあるため、AWS認定資格の需要は今後も高まるでしょう。
種類 | ベンダー資格 |
試験日程 | 随時 |
出題形式 | 多肢選択式 全65問 |
受験料 | 12,100円(税込) |
※AWS認定資格(クラウドプラクティショナー)の場合
【AI】Python3エンジニア認定基礎試験
Python3エンジニア認定基礎試験とは、プログラミング言語であるPythonの基礎知識やデータ分析の知識を有することを証明する資格です。オライリージャパン社の「Pythonチュートリアル第3版」の内容が出題範囲になります。
日頃業務で使用する範囲の知識しか覚えていないという人やPythonの学習をしたことがない人は、Pythonの体系的な知識を覚えられることでスキルアップに繋がる点はメリットだと言えます。Pythonは文法や構造が比較的簡単で、試験の出題範囲も限られているため、資格取得のハードルは低いでしょう。
種類 | ベンダーニュートラル資格 |
難易度 | ITSSレベル1 |
試験日程 | 随時 |
出題形式 | CBT方式 全40問 |
受験料 | 11,000円(税込) |
【組込み】エンベデッドシステムスペシャリスト試験(ES)
エンベデッドシステムスペシャリスト試験とは、IoTを含む組み込みシステム開発の専門知識やスキルやマネジメントスキルを保有することを証明する資格です。システムの設計や構築、評価能力の他、先進技術であるビッグデータやIoTからOSや法律まで、複雑なエンベッドシステムに関する広範囲な知識が出題されます。
そのため難易度は非常に高いですが、参入障壁が高いエンドベッドシステムスペシャリストは需要が高く、資格取得後は幅広い分野での活躍が期待できます。
種類 | 国家資格 |
難易度 | ITSSレベル4 |
試験日程 | 秋期(10月) |
出題形式 | 多肢選択式(四肢択一)全55問
記述式 3問中2問解答 記述式 2問中1問解答 |
受験料 | 5,700円(税込) |
資格取得のメリット3選
エンジニアの資格取得は一定の期間や費用、労力がかかるため、中々資格取得に向けて働きかけられないと感じる人は多いのではないでしょうか。しかしエンジニアの資格取得には、収入やスキルアップ、キャリア形成など様々なメリットがあります。
そこで以下では、エンジニアの資格取得のメリットを3つ解説していきます。以下を参考に、資格取得の目的を明確にし、資格学習中のモチベーションに繋げましょう。
就職や転職時に活用できる
資格試験は誰もが平等な条件の元で受けるため、資格取得の有無や試験結果の点数によって能力を客観的に証明できます。そのため、就職や転職時のアピール材料として十分に活用可能です。
また、資格取得は知識やスキルの証明だけでなく、仕事やスキル向上に対する前向きな姿勢をアピールすることにも繋がります。エンジニアの資格の中には、出題範囲が広範囲なものや論文形式を採用しているものなど難易度が高い資格も多く、資格取得に一定の時間と労力、費用もかかります。
そのため。就職時や転職時など周りに資格取得者がいない場合は、資格を取得していることで差別化することも可能です。資格取得はスキルや知識の客観的な証明だけでなく、スキルアップの姿勢をアピールできます。面接時には、資格取得のアピールだけでなく、取得理由も併せて伝えることでより印象に残すことができるでしょう。
収入アップが望める
企業によって資格取得が評価されるケースは少なくありません。主に昇進や手当の条件として資格取得が定められているケースが多く、資格の取得難易度により異なりますが、一般的な資格手当の相場は月5,000〜30,000円ほどになります。
自身の知識を増やしたりスキルを伸ばしたりするだけでなく、企業からの評価を得て収入アップを目指せる点はメリットだといえるでしょう。収入アップを目指す上で、職場を変えることがないためコストやリスクを無くすことができます。
また、企業が資格取得を推進・推奨している場合、受験費用や教材費用を負担してもらえるケースがあります。資格取得に対して評価制度がある企業においては、資格取得はよりメリットだといえるでしょう。
スキルアップやキャリア形成に役立つ
エンジニアの資格の多くは体系的な知識が出題されることも多く、網羅的に学習を進める必要があります。そのため、これまでの実務経験では知り得なかった知識やスキルを学べることも多く、スキルアップを目指せる点はメリットの1つです。
また、ベンダー資格やベンダーニュートラルな資格は有効期限が定まっているため、定期的に更新する必要があります。これにより、最新知識やスキルをアップデートできるため、常に最前線で活躍できるエンジニアを目指せるでしょう。
また資格を取得することで現在自分が保有する知識やスキルを客観的に測れるため、今後のキャリア形成の参考にすることができます。
このように資格取得は、自身のスキルや収入、キャリア形成にメリットがあります。
資格を取得する前の注意点
エンジニアの資格取得には様々なメリットがありますが、注意点もあります。資格取得には一定の期間や費用、労力が必要になるため、注意点を把握しないまま資格取得を目指すことで時間や費用を無駄にしてしまう可能性もあります。
そこで以下では、エンジニアの資格を取得する上での注意点を2つ解説していきます。資格取得に向けて踏み出す前に、1度注意点について確認しましょう。
資格取得と実務経験のバランスを保つ
エンジニアの資格は数多くあるため、手当たり次第資格取得を目指すことで多大な時間や労力、費用がかかります。また、ベンダー資格やベンダーニュートラルな資格は有効期限が定まっているため定期的に更新が必要です。
そのため手当たり次第資格取得を目指すことで実務経験に充てる時間が減ってしまい、即戦力を必要とする現代の企業の需要と異なってしまいます。そこでエンジニアの資格取得の際には、学ぶことで現在の業務に活用できたり、将来のキャリアに良い影響を与えたりできる資格を絞ることが大切です。
受ける資格を絞ることで質の高い学習を行うことができ、合格率への良い影響が期待できます。無事に資格取得ができれば、自身のキャリアやスキルに活かせるでしょう。
明確な目的を立ててから取り組む
エンジニアの資格は数多くあるため、中には専門性が高く一般的な認知度が低い資格もあります。このように認知度の低い資格は認知度が高い他の資格と比べづらく、採用担当者や上司の評価を得づらいため転職や就職、昇進に影響を与えづらい点が懸念されます。
また、未経験者でも数ヶ月の学習で取得できるような初級レベルの資格では評価に値しづらいため、資格取得による恩恵を感じづらい可能性があります。マイナーや初級レベルの資格であっても、自分の目指すキャリアや伸ばしたいスキルに合っていれば問題はないですが、そうでない場合は時間と費用を失うことになってしまいます。
そのため資格を取得する場合には、目的を明確にすることが大切です。自身のスキルアップのため、昇進のため、就職したい企業へのアピール材料のためと目的を決めることで、資格取得時の恩恵を享受することに繋がるでしょう。
資格学習時のポイント
資格取得にかかる時間には個人差があります。しかし、エンジニアの分野では即戦力となるエンジニアが求められるため、資格学習ばかりに時間をとられて実務経験を疎かにはできません。
そこで資格取得をより効率的に進めるための、資格学習時のポイントについて解説していきます。以下を参考に、資格学習を進めてみてください。
ハンズオン学習を取り入れる
ハンズオン学習とは、実際に手を動かして行う学習方法です。参考書や学習セミナーを見るだけでなく、実際に手を動かすことで記憶力のアップに繋がります。
プログラミング言語やフレームワークの習得時に推奨されていますが、資格学習時も同様です。特にベンダー資格では、ベンダーが提供している製品の操作や管理に関する知識やスキルが求められるため、実際に操作をしながら学習することでより理解を深められるでしょう。
資格によって知識が問われるものやスキルや操作性が問われるものと内容が異なります。そのため、参考書の学習だけでなくハンズオン学習を上手に取り入れながら効率の良い学習スタイルを確立することが大切です。
利用できるサービスを活用する
ITスクールの中には、資格取得を目指してカリキュラムを組んでいるスクールがあります。そのためITスクールを活用することで、スケジュールを自分で組むことなく、学習コストを下げながら資格取得に取り組むことが可能です。
また、独学で学習する時と異なり分からない点や困った点があればすぐに相談ができる点もメリットの1つです。ITスクールの費用は発生しますが、その分学習効率を最大限に上げ、最短で資格取得を目指せるでしょう。
日程や費用面でITスクールを活用することができない場合は、セミナーや動画サービスの活用もおすすめです。ベンダー資格やベンダーニュートラルな資格は、独自に資格学習のための動画や教材を提供していることもあるため、上手に活用することで結果を得やすくなります。資格取得に向けて利用できるサービスは活用し、将来求められるエンジニアになれるよう学習を進めましょう。
求められるエンジニアになるために必要なこと
エンジニアの資格取得は、自身のスキル向上やキャリア形成の参考に役立ちます。しかしエンジニアが不足している現代において、求められるエンジニアは資格を持っているだけでなく、実務経験があり即戦力があるエンジニアです。
そこで企業から求められるエンジニアになるために必要な点について解説していきます。
資格取得を目的としない
エンジニアとして働く上で、体系的な知識やスキルは大切です。しかし、求められるエンジニアになるためには即戦力となるスキルも必要なため、実務経験が重要になります。
そのため資格取得を目的として考えるのではなく、より活躍できるエンジニアになるためのステップとして捉えることが必要です。資格取得を目指す上で身についた体系的な知識やスキルを実務経験で活かすことで、より実践的なスキルを身につけることができ、幅広い分野やポジションで活躍が期待できます。
資格取得と実務経験のバランスを上手に取ることで、豊富な知識やスキルのある、企業から求められるエンジニア人材となれるでしょう。
幅広いスキルを磨く
エンジニアの業務はポジションによって大きく異なります。上流工程に携わるPMやPLの場合、クライアントの要望をヒアリングし、最適なシステムや改善策を提案する業務やプロジェクト全体を統括するマネジメント業務が加わります。
このように今後のキャリアを考える上で、特に上流工程に近いポジションを目指すためには、クライアントの要望を正確に汲み取るヒアリングスキルやプロジェクトを滞りなく進めるためのコミュニケーションスキルなどが必要です。
エンジニアにはITに関するスキルや知識も必要ですが、さらに求められるエンジニアになるためには資格取得で得られる以外のスキルにも目を向けて磨く意識を保つことが大切になります。
まとめ
エンジニアの資格取得は、自身のスキルやキャリアを伸ばす良い機会です。
しかし、手当たり次第資格取得を目指して実務経験に充てる時間を減らすことになったり、目的に合わない資格取得で時間や費用を無くすことがないよう注意しましょう。
資格取得のメリットは主に以下の3つです。
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資格で得た知識やスキルを実務経験に活かしつつ、今後のキャリアに必要なスキルを磨くことでより求められるエンジニアを目指せます。
資格取得の目的を明確にし、目的に合った資格取得の学習に励みましょう。