社内seはやめたほうがいいのか?

「社外のお客様と打ち合わせに駆られることもない」
「社内でのどかに開発できるのでは?」
「人としゃべるのが苦手だから」などといった理由で社内seに憧れている人がいました。

確かに、外部のお客様との打ち合わせや様々な調整などが不要であったり、自社内でのことなので多少の融通や無理がききそうであったり、お客先へ出向く必要もなく面倒ごとはなく、プログラミングに打ち込めそうといったイメージがあります。

しかし、実態は、むしろ同じ社内の人間のため遠慮なく言いたいことが言われたり、場合によっては全部署のシステムに関係するため、様々な人とコミュニケーションを取らねばならず、むしろ高いコミュニケーション能力や対人スキルが必要になりそうな場面もありますまた、「ブラック、つらい、やめとけ、きつい」と言う意見も見受けられました。

ここでは、実際社内seとはどのような業務なのか、転職はどうなのかとして
「社内seとは?どんな仕事内容?」「難しい?社内seの転職」「社内seのメリットやりがいについて」という3つの項目に分けて見ていきたいと考えています。

この記事を読むことで、仕事内容やメリット、やりがいなどがわかります。社内seへの転職を考えているものの調べ切れていない実態についてまとめたつもりです。少しでもギャップを埋めるお手伝いになればと思います。

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社内seとは?どんな仕事内容?

社内seとは、社内で使用する様々なシステムについての業務を執り行います。
コンピュータが普及し、仕事でも当たり前に使われるようになってから社内には様々なシステムが使用されるようになりました。

一例を挙げると勤怠管理や売り上げや顧客管理などの経理システム、物流においては在庫の管理などがあります。こういったシステムは、便利ですがいかんせんすべての企業で使えるようにと考えられています。

そのため自社で使っている際に、多少の不便を感じることがどうしても出てきてしまいます。市販のシステムでは社内の業務の細かいところまで調整をする事はできませんので、これらの社内システムを業務に合わせて開発したりもします。

こういった自社のシステム構築や、開発したシステムの運用保守に関わる業務や、ヘルプデスクとして社員のパソコンや社内のシステムの使い方等の問い合わせや、故障対応なども行います。

システムエンジニアに近い業務内容ですが、基本的に自社内のシステムに関わる業務のみを行います。

その他にも自社の経営戦略や事業戦略を理解し、業績アップや業務プロセスの改善、コスト削減などに最適なITシステムの導入の検討や、提案なども仕事の一つです。

また、ヘルプデスクとしてはパソコンからプリンター、スマートフォンなどあらゆる社内ITツールの操作への問い合わせへの対応や、業務効率化のためのアドバイスなども行っています。

社内システムの開発

組織内の業務プロセスやデータ管理を効率化するためのシステムを企画し、生産性や効果性を向上させることを目的として企業や組織内で使用される情報システムの設計や開発、そして実装や運用・保守といった上流工程から下流工程まで幅広く担当します。

そのため、システム開発全般のスキルはもちろん、企画や要件定義に携わるためのマネジメントスキルや経営に関する知識も必須になってきます。

運用・保守

自社で使用するシステムが完成したら、そのまま保守・運用に携わっていくことになります。

バグの修正や、機能追加。システムが稼働状態を維持するための必要な保守作業やアップデートなどを行います。
その他に、ユーザーサポートやトラブルシューティング、セキュリティ管理なども仕事に含まれます。

ヘルプディスク

各々社員のパソコンスキルは異なる為、様々なトラブルが考えられます。そのため、ヘルプデスクも社内seの仕事の一つとなります。ヘルプデスクは、社内のユーザーからの技術的な問い合わせやサポート要求に対応するための窓口です。

具体的には、以下のような業務を行います。

技術サポートの提供:

社内のユーザーからの問い合わせやトラブルに対応し、解決策を提供を行います。ユーザーとコミュニケーションを取り、問題を迅速かつ効果的に解決します。

システムトラブルシューティング: 

ユーザーからの報告やモニタリングツールによるシステムトラブルの監視や、問題の原因を特定して解決に導きます。必要に応じ、ログの分析やデバッグ作業を行い、システムの安定性維持に勤めます。

ソフトウェア及びハードウェアの設定、トラブル解決: 

ユーザーのコンピュータやモバイルデバイスのセットアップやトラブルシューティングのサポートを行います。オペレーティングシステムのインストールやアップデート、ソフトウェアの設定やネットワーク接続のトラブル解決なども含まれます。

難しい?社内seの転職

社内seは他の職種と比較して、転職が難しいと言われます。理由として挙げられるのは、ハードワークから、社内seに転職を希望するITエンジニアが多くそのため、転職を考えているITエンジニアに人気が高く、また他のエンジニア職と比較して求人数が少ないため、必然的に競争率が高くなってしまい「倍率が高い」という状態になっています。

特定の組織の業務のプロセスや情報システムに関連する知識とスキルが必要な社内seは、他の企業に転職する場合、新しい組織の業務やシステムに対する理解と適応をしなくてはならず、「経験やスキルのレベルが幅広く高い」ことが要求されます。そのため、企業の要件に合致することが難しくなります。

また、新しい組織では、実際の業務経験や成果を証明することが求められます。これまでの経験が他の企業での採用プロセスにおいて重要な要素となり「必要なスキルが、企業や業務ごとに異なる」といった「人気の為倍率が高い」「経験やスキルのレベルが幅広く高い」「必要なスキルが、企業や業務ごとに異なる」ことが挙げられます。

次に順番に見ていきます。

人気の為倍率が高い

転職を希望するITエンジニアに人気が高く「自社のシステム開発の仕事ができる」や、「他のITエンジニア職種に比べ残業が少なめで、ワーク・ライフ・バランスを実現しやすい」といったイメージから人気が高く、求人数が他のエンジニア職と比較して絶対的に少ないその上に人気が高いため、必然的に倍率が高くなります。

経験やスキルのレベルが幅広く高い

 

社内seは仕事の範囲が幅広いため、スキルや経験も多くのものが求められます。技術の進歩や業界の変化が速いため常に最新の技術トレンドや業界の動向を把握し、自身のスキルをアップデートする必要があります。

他の企業に転職する場合、求められるスキルが異なる可能性があり、対応するためには時間と努力が必要です。

必要なスキルが、企業や業務ごとに異なる

各組織は独自の文化やプロセスがあり、社内SEはそれに適合する必要があります。

転職先の組織に適応するためには、新しい環境に順応したり新しいプロセスやチームの動きに適応する能力が必要となります。

社内seがきついと言われる3つの理由

社内seがきつい理由を「仕事の範囲が広い」「さまざまな部署と人を調整する力が必要」「社内システムの全体を知らなくてはいけない」の3つの項目にわけて紹介します。

①仕事の範囲が広い

社内SEは大きく開発・運用・インフラの仕事に分けられます開発やインフラであれば、システムエンジニア同様に忙しさにもプロジェクトの繁忙期とあわせ波があります。

運用の場合は安定したシステムを構築していれば忙しさがずっと続きまはしません。しかし、ひとたび障害がおこると大変なことになります。

②さまざまな部署と人を調整する力が必要

様々な部署のシステム構築を行うためたくさんの人とコミュニケーションを取る必要があります。そのため、人と話すのが苦手な人見知りの人などはストレスを感じることもあるかもしれません。

③社内システムの全体を知らなくてはいけない

社内のシステム開発を行うため、一部分だけではなく全体の構成を知る必要があります。

そのため、必要になってくる知識も膨大な物となってくるので、常に勉強をすることが苦手な人や、好奇心旺盛でないと難しいかもしれません。

社内seのメリットやりがいについて

社内SEのメリットとして、以下のようなものがあります。

  • 経営の一端を担うことができる
    社内SEは企業内の組織のIT環境に詳しくなるため、業務やプロセスに合わせた最適なソリューションの提供の一端を担うことができます。さらに企業のニーズや要件に合わせたカスタマイズやトラブルシューティングなどが行えます。
  • 組織の目標達成に直接貢献できる
    組織内の要件やビジネスに深く関与するので、組織のビジョンや戦略を理解します。そのため、ITシステムやアプリケーションの開発や改善において、組織の目標達成に貢献ができます。
  • エンドユーザーのFBを身近に受けれる
    他部門とのコミュニケーションを図りながら業務遂行を行うためユーザーや関係者とのコミュニケーションを円滑に行い、要件や問題を正確に把握し解決策を提案ができます。
  • セキュリティリスクを学ぶことができる
    企業内のシステムやインフラの維持管理を担当するのでシステムの安定性やセキュリティの確保、定期的な保守作業、障害対応などを行います。そのため業務の中断や情報漏洩などのリスクを最小限に抑えることができます。
  • 業界トレンドに敏感になる
    常に最新の技術トレンドや業界の動向を把握し、業務の効率化や競争力の向上を図ることができます。

上記のように社内に深く関わって仕事をすることが可能になります。そのため、自身が構築したシステムを使っている人の顔を身近で見ることができ、喜んでいるか?どんな不便を感じているか?といった評価を直接知ることができ、大きなやりがいになっていると思います。

まとめ

社内seの仕事は、社内システムの開発や運用そして保守さらにはヘルプディスクなど多岐に渡ります。そのため、必要となってくるスキルや経験も幅広くなってきてしまいます。

また、企業単位、業務単位で必要な知識、スキルなども異なります。「人となるべく話したくない」「一人でマイペースに仕事がしたい!」と思い転職しても、他部署との調整などでヘタをしたら前職以上のコミュニケーションスキルが必要になる場合もあります、企業単位・業務単位で必要になるスキルが変わってきたりもします

大変なところも多いですが、反面メリットとして企業内の組織のIT環境に詳しくなれたり、組織内の要件やビジネスに深く関与ができたりと他部門とのコミュニケーションを図りながら業務遂行を行えるため様々な人と知り合えたり企業内のシステムやインフラの維持管理を担当するため、セキュリティに貢献することもできます。

社内seは、業務範囲が広く企業規模により忙しさも左右されるため、「社内SEはやめておけ」といった声もあります。確かに、「勉強したくない」「人と関わりたくない」といった怠け者や対人スキルが低い人や、「これだけをやりたい」「このスキルのみを極めたい」といった職人気質の人には向いていないかもしれません。

しかし「自分の業務が会社にどうかかわっていくのだろう?」や「これはどんな技術だろう?」と好奇心が旺盛な人や学習意欲が高い人。または、様々な部署の様々な人と打ち合わせや要件の吸い出しなどが必要なので、コミュニケーション能力が高い人には向いている職業なのではないかと考えられます。