昨今、IT分野をはじめとし、様々な分野で「業務の自動化」が進んでいます。
時代の流れからしても、VBAエンジニアは非常に需要のある仕事でしょう。
また、VBAエンジニアは全くの未経験からでも始めることが可能です。
知識や経験を積めばフリーランスとして年収700万円以上を実現することも夢ではありません。
本記事では、VBAという基本的な用語の説明から、VBAエンジニアの年収、仕事内容や将来性、またVBAエンジニアになるために必要なことを中心に解説していきます。
これからVBAエンジニアへの転職を考えている方はぜひご覧ください。
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VBAエンジニアとは
VBAエンジニアとは、VBAを用いてExcelや AccessなどMicrosoft Officeの作業効率化を行うのが主な仕事です。
VBA(Visual Basic Applications)とは、ExcelなどのMicrosoft Officeのアプリケーションの拡張機能を指すプログラミング言語です。
VBAスキルやその他のプログラミング言語にも精通しているVBAエンジニアであれば、Excel上のプログラミング以外にも、業務効率化のためのツールの開発など様々な案件を行うことができます。
VBAエンジニアの年収相場は400万
雇用形態や経験の有無によっても額は異なりますが、一般的なVBAエンジニアの年収例を見てみましょう。
VBAエンジニアの年収例
正社員として企業に雇用されているVBAエンジニアの月収は25万円〜35万円です。
賞与なども合わせると、平均的な年収は400万円程度になります。
国税庁による「令和2年分民間給与実態統計調査」によると、一般的な会社員の平均年収は433万円であり、VBAエンジニアの年収とほぼ同等です。
VBAエンジニアの場合、経験年数やスキルにより年収は変動する傾向にあります。
実際の企業の求人の場合、24歳では年収300万円なのに対して、34歳では年収650万円と大きく違うことが分かります。
ITエンジニアは年齢や経験重ねるにつれてプログラミング技能も向上するので、それに応じて給与も増額していきます。
将来的な年収アップを狙いたければ、VBA以外のプログラミング技能を有していることが望ましいでしょう。
フリーランスのVBAエンジニアの年収は?
一方で、フリーランスのVBAエンジニアは月収60万円程度が多く、年収に換算すると600万円〜700万円を超えることもあります。
フリーランスで仕事をする場合、自身で仕事を探す必要があるため、仕事を受注できないと収入が不安定になるリスクもあるでしょう。
しかし、フリーランスのVBAエンジニアは扱う案件の規模も大きいため、高いスキルと経験が必要とされますが、年収は企業雇用の場合よりもかなり高額です。
例えば、複雑な計算式などを使用する仕事では、高額な報酬となることも多いため、複数こなしていくことで年収アップも図れます。
VBAエンジニアの仕事内容
VBAエンジニアの仕事内容として代表的なものはVBAを用いたExcel作業の自動化や効率化です。
企業などでは、日々様々な事務作業が行われています。
毎日行っている業務の内容を見直し、VBAにより改善できるものとできないものを選定していくのもVBAエンジニアの仕事です。
また、社員などの意見なども聴取しつつ、問題点を抽出することで、質の高いプログラムを作成することができます。
Microsoftの管理ソフトである「Access」の機能拡張もVBAにより行うことができます。
Accessは顧客管理や在庫管理などの業務管理を中心に用いられます。
VBAでは操作性や機能の改善を実現することで、より円滑にデータベースの管理を効率よく行うことが可能です。
データベースに関する仕事は高価格な傾向にあり、VBAエンジニアにとって、データベースに関する知識や技術は必要性が高いでしょう。
RPAの普及
近年拡大しているRPA(Robotic Process Automation:ロボットによる業務自動化)やAI関連の仕事も案件として増加傾向にあります。
RPAとは人間の代わりにソフトウェアロボットが業務を自動化してくれるツールのことをいいます。
プログラミングの知識があればスムーズに自動化を実現できたり、エラーなどの対応も可能になるため、エンジニアとして仕事を依頼されることも多いでしょう。
とくに開発などの場合はプログラミングスキルが必須となります。
しかしRPAの場合、VBA以外のプログラミングも必要となります。
他のプログラミングスキルの習得をすることも、いずれ高単価の仕事を獲得できるようになるためには大切なことです。
VBAエンジニアの求人動向や将来性は?
働き方改革やIT化が進む中、社会的にも作業の効率化を促進する企業も多くあり、ITエンジニアの需要は高いといっていいでしょう。
また、経済産業省の発表した「IT人材育成の状況等について」のデータを見てみると、IT業界への入職者は減少傾向にあり、将来的には40~80万人の規模で人員不足が生じる可能性があるとされています。
一方で、企業の求人としてはVBA以外のプログラミング言語への対応が出来ることを条件に掲げている企業も多い傾向にあります。
将来的にスキルアップしていけば更なる年収アップも見込めるでしょう。
実際に働きながらマニュアルに沿って、プログラミングの操作習得を支援してくれるため、未経験からVBAエンジニアとして働きたいという方も今後に期待ができます。
VBAエンジニアに必要なスキル
VBAエンジニアはとても需要のある仕事ですが、+αでスキルを習得しておけば活動の場を広げていくことができます。
将来的に年収アップを狙いたい方や、フリーランスを目標にしている方はぜひ身につけておきたい技術です。
Excel機能の習得レベルを上げる
VBAエンジニアの仕事として、Excel上での業務効率化・簡略化の作業が多い傾向にあります。
もちろんVBAなどのプログラミングスキルを磨くことで、スムーズに業務の効率化ができたり、質の高い仕事をすることもできます。
くわえて、セルの処理や関数などExcel自体を使いこなすことができれば、エンジニアとしてのパフォーマンスはさらに向上するでしょう。
VBAと親和性の高い言語の習得
先ほども述べたように、企業の求人ではVBAのみでの求人よりも、他のプログラミング言語も扱える人材を募集する傾向にあります。
VBAエンジニアの仕事内容を見ても、VBA以外のスキルを必要とする仕事も多く存在します。
その他のプログラミング技術を身につければ、就職にも有利にはたらき、年収アップも見込めます。
VB.NETなどVBAと親和性が高い言語から習得してみてはいかがでしょうか。
GAS言語が使えるようになる
GAS(Google Apps Script)とは、Googleが提供しているWeb上で使用できるプログラミング言語です。
Google Workspaceのカスタマイズやその他Googleサービスとの連携を行うことができます。
Excel上でVBAを用いてプログラミングを行うように、Web上ではGASを用いてプログラミングを行います。
GASは「JavaScript」をベースに開発された言語で、普段からJavaScriptに親しみがある方にとっては容易に習得できるようになっています。
また、JavaScriptは、Webサイトの開発・運用に必ず必要なものですので習得しておいて損はないでしょう。
VBAエンジニアの年収アップに使える資格
VBAエンジニアとしての年収をアップさせるには、資格を取得するのがおすすめです。
VBAエンジニアとして経験年数を重ねていっても、どの程度のプログラミングスキルがあるかを証明するものはありません。
「MOS」や「VBAエキスパート」などの資格を取得すれば、自分のプログラミングスキルを証明することができるので周囲からの評価も変わるでしょう。
資格の概要や受験方法などについて解説します。
MOS
MOS(Microsoft Office Specialist)とは株式会社オデッセイコミュニケーションズが主催している資格です。(公式サイト:https://mos.odyssey-com.co.jp/about/)
MOSを取得することで、Microsoft Office製品の利用スキルを示すことができます。
試験はWordやExcelなどそれぞれ一般レベルと上級レベル(エキスパート)に分かれており、全国一斉試験と随時試験の2種類の方法で実施されます。
全国一斉試験は月に1〜2回、随時試験も指定された期間であれば毎日行っているので、受験するチャンスはたくさんあります。
独学で勉強される方は公式ページから対策教材を購入できます。
対策講座も同様に公式ページから問い合わせることができるので、活用してみてはいかがでしょうか?
また、MOSは取得することで自身のアピールポイントに使用できるだけでなく、資格を取る過程で勉強したこと自体が直接仕事にも生かされます。
また、実際に取得した従業員の88%が仕事の成果が上がったと答えており、実用性のある資格です。
VBAエキスパート
VBAエキスパートもMOSと同様に株式会社オデッセイコミュニケーションズが主催しています。(公式サイト:https://vbae.odyssey-com.co.jp/)
VBAスキルはもちろん、アプリケーションなどのコンピュータ、ネットワークスキルの証明にも利用可能です。
VBAエキスパートにもスタンダードとエキスパートに難易度が分かれており、「Excel VBA スタンダード」「Access VBA スタンダードスタンダード」の2種類を取得するとスタンダードクラウンが認定されます。
VBAエキスパートの受験は全国の試験会場で行っており、対策教材や対策講座で勉強することができます。
教材や講座の問い合わせは、MOSと同様に公式ホームページから可能です。
VBAエキスパートはMOSと合わせて取得することで、より総合力のあるITスキルを身につけることができます。
VBAエンジニアになる方法
VBAエンジニアになるには「プログラミングスクールに通って習得する方法」と「独学で勉強する方法」があります。
基礎をしっかりと学びたい方、費用を抑えて勉強したい方、どちらの場合でも、自分の勉強スタイルに合わせて勉強方法を選択することが大切です。
自分に合った勉強方法はなにかをよく検討して選びましょう。
プログラミングスクールに通う
VBAエンジニアになるためには、プログラミングスクールに通う方法があります。
プログラミングスクールを利用するメリットとしては、専門の講師陣が実際に指導してくれる点でしょう。
「これからプログラミングを1から学びたい」という方はプログラミングスクールを利用して基礎をしっかりと学ぶことをおすすめします。
プログラミング学習の挫折率はかなり高く、一度つまづいたり、間違った解釈をしてしまうと修正が難しくなることも少なくありません。
プログラミングスクールであれば、現役のエンジニアや各分野のプロ講師陣が丁寧に教えてくれるので、正しく学習を進めることが可能です。
費用はかかりますが、1からプログラミングをしっかりと学びたいという方は利用してみるといいでしょう。
独学で勉強して実務経験を積む
独学で学ぶ方法として無料サイトや動画学習、書籍などで勉強することができます。
独学で学ぶメリットとしては、費用を抑えられることでしょう。
最近では、無料で利用することができるWebサイトなどもあり学習しやすい環境になっています。
「ドットインストール」のような3分程度の短い時間で簡単に学習できるものや、Excel VBAの圧倒的な情報量を誇る「Office TANAKA」のようなサイトも多くあるので、利用してみるといいでしょう。
また、書籍や動画などにもVBAを学ぶための多くの資料があります。
書籍であればポイントを押さえながら、繰り返し内容を網羅することが可能です。
隙間時間に場所を選ばずに学習することができるので、通勤や通学途中にも学習を進めることができます。
YouTubeなどは視覚的に学習ができる分、より学習効果を高めることができるでしょう。
費用を抑えたい方、時間や場所を選ばずに自分のペースで学習を進めたい方は選んでみてはいかがでしょうか。
まとめ
VBAエンジニアの年収や、年収をアップさせるにはどうすればよいかを中心に解説してきました。
各企業で業務の効率化が進むなか、VBAエンジニアは日々の作業を簡略化できるので、かなり重宝されるでしょう。
また、VBAエンジニアはしっかりと勉強すれば、未経験から始めることも可能です。
一方で、将来的な年収アップを目指すのであれば、資格などを新たに取得し、キャリアアップしていくことも必要となります。
最後までご覧いただきありがとうございました。