Unityとは、C++で作成されたゲームエンジンです。
ゲームエンジンとは、ゲームを簡単に開発するために作られた総合開発環境のことで、映像や音楽などの処理やデータ管理などの機能を備えたソフトウェアです。
優れたUIや豊富なライブラリを保有しているため「Unityとはどのようなゲームエンジンなのか」「Unityでどのようなことができるのか」気になる方は多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、Unityの特徴を踏まえた上でUnityでできる8つのことについて詳しく解説していきます。
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Unityとは
Unityとは、C++で作成されたゲームエンジンです。
ゲームエンジンとは、ゲーム開発に必要なライブラリや素材といった機能をまとめて提供するソフトウェアを指します。
Unityは優れたUIや豊富なライブラリを保有しており、個人でも高品質な素材を使用しグラフィカルなゲームを開発できることから、全世界で100万人を超えるユーザーを持っています。
現在では「ポケモンGO」を初めとするスマートフォン用のゲーム開発だけでなく、VRやARといった仮想現実系の開発分野にも採用されています。Unityは様々な分野のゲーム開発において需要があり、非常に注目されているゲームエンジンのひとつです。
Unityできること
Unityはリリース後から、様々な分野での採用実績がある人気のゲームエンジンです。
実際に私たちの身の回りではUnityを使用した仕事や、Unityで開発されたツールやシステムが様々なところで活躍しています。
そこで以下では、Unityの特徴を踏まえて、Unityでできることについて詳しく解説していきます。
幅広い分野で活躍しているUnityの魅力を、以下を参考に理解を深めていきましょう。
ゲーム開発
Unityでは2Dゲームはもちろん、良質な3D模型の制作を得意としています。
そのため、複雑な3Dの多人数同時参加型オンラインゲームから2Dのパズルゲーム、アドベンチャー、ノベルゲームまで幅広いゲームアプリがUnityで開発されています。
PC用ゲームを作成する場合、WindowsやMacはもちろん、LinuxやiOS・Androidにも対応しています。
PS4やXBox・Wii Uなどの家庭用ゲーム機にも対応しており、Unityひとつでほぼ全ての機器に対応したゲーム開発を実現できます。
簡易なゲームであれば特別なスキルや機材なしで制作を進められます。
C#を用いた拡張機能実装
Unityでゲームを開発する際に、「C#」と呼ばれるプログラミング言語を使用します。
C#は2002年にMicrosoftが発出した言語であり、C言語やC++などと比べると習得が簡単なプログラミング言語です。
Unityには「Unity Script」と呼ばれる拡張機能が備わっています。
このUnity ScriptではC#・Javascriptによる拡張処理の実装が可能です。独自の処理を実装できるため、高度な能力を持った人材によるオリジナリティに溢れたゲーム制作にも適しています。
VR/ARを用いた表現
Unityは、近年スマートフォンアプリや電子機器が増えたことから需要が急増しているAR/VRの開発にも適しています。
Unityの公式サイトでもAR/VR開発の適性を主張しており、開発のための個別指導も充実しているため、AR/VRに関するアプリ開発は、主にUnityが使用されています。
また、アバターの動作や3Dの設定を細かく調整する際にも使用できるため、開発だけでなくアプリを使用する方にもUnityを学ぶ人が増えています。
スマホアプリの開発
Unityはクロスプラットフォーム対応のゲームエンジンです。
クロスプラットフォームとは、「複数のデバイスで使える」という意味です。
クロスプラットフォームでアプリ制作をすると、Android用に制作したアプリをiOSでも使用でき、反対にiOS用に制作したアプリをAndroidで使用することができます。
アプリをAndroidとiOSの両方で制作するとなると、制作するために2倍のコードを書くことになります。
そうした場合、作業が多くなってしまったり人件費が2倍にもなってしまいます。
更に、Unityの場合はスマホだけではなく、Mac、windows、linux等のパソコン、VRメガネ、xbox等にも対応しています。これだけ多くのデバイスに対応しているので活用の幅も広がります。
Unityが活躍する業界
Unityは幅広い対応が可能なゲームエンジンのため、活躍する業界も幅広くなっています。
そこで以下では、Unityが活躍している業界とその業務内容・開発内容について解説していきます。
自動車業界
Unityが自動車業界で使用される用途は、製品の製造、マーケティング、販売後のサービスまで幅広くUnityの3D技術を活用しています。
ある自動車メーカーでは、Unityを使用し制作案を最短1日で視覚化したケースがあります。以前ならば外部販売店に依頼して数週間かかっていた工程を、大幅に短縮が可能です。
自動車開発の現場では、XRによるデザインの展開、走行シミュレーション、ヒューマンマシンインターフェースなど、さまざまな事に使用され、効率的で高品質な開発をサポートしています。
医療業界
Unityは医療業界では、人間の体内を細かく3D化し、Unityで開発されたアプリを用いて手術前のシミュレーションを行っています。
医療分野におけるXRの活用例としては、手術シミュレーションや、実際の手術の際の状態情報確認です。リハビリテーションの現場では、患者の機能回復を促すためXRコンテンツを導入するなどの事例が挙げられます。
事前に高精度なシミュレーションを行うことで、手術に向けた戦略や検討、改善点の検討の質が向上し、手術の成功率向上を目的としています。
建築業界
建築業界でもUnityのリアルタイム3D技術が活用されています。
建築業界では、「BIM(Building Information Modeling)」と呼ばれる手法が多く使われます。
BIMとは、一連のライフサイクルから得た建築情報を1つにまとめ、業務の効率化に役立てる作業のことで、Unityでは、このBIMで必要となる情報を3D空間で再現することを可能にし、そうすることで失敗を防ぎ、作業の効率化が期待できます。
UnityがBIM に追加された各種情報を保ったままリアルタイムで 3D に取り込むことが可能となり、モデルを忠実に表現するだけでなく、情報伝達を効率化・高度化することで、建築の品質を高め、コスト削減にもつながりました。
宇宙産業
Unityの宇宙産業にはロケットやそれに伴うシステム制作などがあります。
細かな部品やシステムを制作するときは、説明書を見ながら作業を行うのが一般的ですが、
ARサービスを使用することで、目の前に必要な情報を映し出しながら作業できるため、生産性の向上が期待できます。
宇宙産業に使われる機器を使用するトレーニングに、VRサービスが使用されることもあります。
実際の操作では危険が伴う場合でも、VRであれば安全に操作訓練が可能なので安全かつ、効率的に操作ができるようになります。
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Unity学習方法
Unityは個人でも高品質な素材を使用しグラフィカルなゲームを開発できるゲームエンジンです。
そのためエンジニア初心者にとって非常にコストが低く、独学でも十分習得可能なソフトウェアになります。
そこで以下では、Unityの効率的な学習方法について解説していきます。
学習サイト
Unityの学習サイトとして「Unity Learn」というものがあります。
「Unity Learn」とは、Unity Technologies公式が無料で提供しているUnityの総合学習サイトです。
全750時間分を超えるオンデマンドの学習コンテンツがあり、初心者に向けたUnityに関する基本的な知識のものから、上級者向けの内容のものまで、幅広い種類の講座が用意されています。
また、動画を見ながらゲームを作るための専用キットも用意されています。
Unityでは専用キットを使用して動画の流れに従って操作するだけで、2Dゲームや3Dゲームを作ることができます。
これだけでもUnityの基本的な操作を習得することができるので、ゲーム制作を始める前に一度使用しているだけでも周りとの差がつけられるでしょう。
日本語に翻訳されているサイトも数多くあるので、英語が苦手な方でも気兼ねなく使用できます。
何から始めたらいいのか、勉強していく際のポイント、また専門用語などから調べることも可能です。
プログラミングスクール
Unityに特化した専門スクールから、ゲーム制作に強い専門スクールなど、さまざまなスクールがあります。
お仕事をしていたり、家庭を持っている方でも、オンラインで授業を受けられるコースも数多くあるので、隙間時間に学べます。専門スクールでは現役で働いているUnityゲームの開発者が講師を務めていることもあり、同じ目標を持って勉強できる仲間がたくさんいる環境なので、一人では浮かばないアイデアなども思い浮かぶことがあり、モチベーションを保ち、高め合えることができます。
卒業後の就職活動のサポートも充実していて、実際に就職してゲームを作りたいという人はスクールに通うことをおすすめします。
Unity注意点
Unityは専門知識がなくても使えてしまうが故に、プログラミングの基本的な知識が身につかない可能性があります。
しかし、ゲームの複雑な操作や独自のシステムを実装する場合にはプログラミングの使用が必要なため、最低限のゲームエンジンとプログラミング言語の基礎は学んでおくとよいでしょう。
Unity苦手なこと
Unityは多くの利点があり、様々な業界で幅広く採用されているゲームエンジンです。しかし、一方でUnityにも苦手なこともあります。
そこで以下では、Unityが苦手なことを6つ解説していきます。
起動に若干時間がかかる
Unityエディタの起動を遅くする最大の原因は、画像の使用枚数によるものです。
ゲーム開発で問題になるのは大量の画像によるものです。しかし画像はゲームに必須なもので、画像枚数は減らせないので対策は以下の通りです。
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C#以外では開発できない
Unityは、開発言語がC#に限定されます。
実際には個別に作りこむコード量は多くありませんので、C#でも影響はないでしょう。
C++を希望する場合は、Unreal Engineをおすすめします。HTML5 UIを作成する場合もUnreal Engineが候補となります。
グラフィックスの精度に限界がある
ゲームグラフィックスの高精細化が進んでいるのですが、高精細グラフィックスの多くはUnreal Engineが利用されています。
両製品を比較すると、Unreal Engineと比べてUnityの方が劣っているように見受けられます。
どうしてもリアルさや綺麗さを追及したい場合は、Unreal Engineの比較検討をおすすめします。
大規模開発には不向き
起動に若干時間がかかるため、動作が遅いので大規模な開発には不向きです。
Unityはシンプルな作りのため、高度な処理を要する場合はコードが複雑になってしまうため、Unreal Engineが使われることが多いです。
Unityエディタが英語表記である
Unityは海外サービスのため、エディタは英語表記になります。
日本語でのUnityエディタ解説はほとんどなく、英語が苦手な人には少し懸念点になってしまいます。
日本語の情報は少ないものの、インターネット上にあるので探す必要があり、探すのが手間だと感じる方には不便だと感じるでしょう。
プログラム検索
Unityで開発されているゲームの多くは、キーボード操作が主流になっているため、マウス操作のプログラムを探すとなると難航することもあるでしょう。
マウス操作のプログラム問題はゲームエンジンの基礎を学べば回避できる方が多いです。
まとめ
Unityでできることは以下の通りです。
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Unityは優れたUIというだけでなく、豊富なライブラリと素材集を持っているため、幅広い分野で活躍しています。
そのためUnityを扱うエンジニアとして、できることの種類は幅広く、ゲーム開発はもちろん、ゲームにはまったく関係のない医療業界でも活用することが可能です。
Unityの需要は今後も伸びるため、Unityを扱う業界の将来性は明るいといえるでしょう。