昨今、IT業界の発展にともないエンジニアの人手不足が深刻になっています。
そのニーズからプログラミングスキルを学んでITエンジニアの道を進もうという人は多いのではないでしょうか。
WEB系のエンジニアは人気が高く、中でもPHPというプログラミング言語は歴史が長くこれまで人気な言語です。
ただし、最近は「PHPはオワコン」「PHPエンジニアはやめとけ」という評判を耳にすることがあります。
本当にPHPはオワコンなのでしょうか。
この記事では、「PHPの基本情報」や、「PHPは本当にオワコンなのか?」、「PHPエンジニアを目指すためのスキルや方法」などを紹介していきます。
これからITエンジニアを目指したい人や、PHPエンジニアに興味がある人はぜひ参考にしてみてください。
気になる内容をタップ
PHPとは何?
これからPHPを学んでみたいという人は、プログラミング言語そのものがなじみ無いものだと思います。
まずはPHPの基本的な情報から紹介していくので、PHPのことを知らない人は確認してみてください。
WEB開発に特化した言語
PHPはWEBアプリやWEBサイトに使われることが多いプログラミング言語として有名です。
また、世界のさまざまなWEBサイトでPHPが使われており、代表的なところでは「Facebook」や「ぐるなび」などで使われている言語になります。
最近はユーザーがWEBページにアクセスした時の状況に応じて表示させる情報を変更する『動的なWebページ』が当たり前になってきています。
そのような中、PHPは動的なWEBページに強みを持つプログラミング言語になります。
他のプログラミング言語でも動的なWEBページに対応することは可能ですが、現状はPHPのシェアが高くなっています。
サーバサイドの言語
PHPはサーバサイドの言語という点も特徴的なプログラミング言語です。
サーバサイドとは、プログラムの実行がサーバで行われる言語のことを言います。
(データベースへのデータ追加や取得・計算など…)
反対に、端末でプログラムが実行される場合はクライアントサイドと言います。
サーバサイドでは、サーバにあるデータベースと連携ができるため、この後に紹介するようなWEBページにおけるさまざまな処理を行うことができます。
サイトでいろいろなことができる
PHPはサーバサイドの特徴を活かして、例えば以下のような処理を行うことができます。
PHP初心者の人は、PHPを使うことで何ができるのかイメージできていない人も多いでしょう。
以下に代表的なものを紹介していきますので、参考にしてみてください。
- SNSサイトの作成
SNSサイトに一般的に必要な機能はすべてPHPで作ることができます。
(例えば、ユーザー登録・削除、コンテンツ作成、チャット機能、ログイン…)
- お問い合わせフォーム
WEBページには必ずと言っていいほどある「お問い合わせフォーム」もPHPで作ることができます。
お問い合わせフォームは比較的簡単に作ることができ、PHPの初心者が練習で作ったりします。
- ブログの作成
ブログの管理に使われるCMSというコンテンツ管理システムは、PHPで作られているものがあります。
PHPはHTMLも生成可能なため、CMSに必要な記事の投稿・編集、サイトの見た目を変える等の機能を作ることができます。
PHPがオワコンと言われる理由
PHPはサーバサイドの特徴を活用してさまざまな処理を行うことができますが、なぜオワコンと言われてしまうのでしょうか。
ここでは、よく聞くPHPの悪い評判について紹介していきます。
代替言語が多い
WEB開発は、Ruby、Python、JavaなどPHP以外のプログラミング言語でも作ることができます。
例えば、日本で開発されたRubyは世界中で使われるプログラミング言語になっていますが、日本語の情報も豊富で人気の言語です。
近年の勢いはRubyが優勢ですが、2022年11月時点でサーバサイドで使われているプログラミング言語のシェア率を見ると、PHPは77.5%、Rubyは5.6%と依然としてPHPが確固たるシェアを誇っています。
PHPはフレームワークも定期的に最新のものが登場しているため、しばらくは他のプログラミング言語にシェアを抜かされることはないと言えます。
速度が遅い
PHPは処理速度が遅いという評判があります。
プログラミング言語はコンピュータが直接理解できる言語ではないため、機械語へ変換する必要がありますが、プログラミング言語によって変換方法が異なります。
変換方法には大きくコンパイラ型とインタプリタ型とあり、PHPはインタプリタ型です。
そして、通常インタプリタ型の方が処理速度は遅い傾向にあるため、代替言語でありコンパイラ型のRudyなどと比べるとオワコンと言われることがあります。
ただし、PHP7というバージョンが登場して実行速度が改善されており、仕組み上コンパイラ型には及びませんが、処理速度の遅さは気にならないレベルになってきています。
また、PHPのソースコードの組み方を工夫することで速度の改善を狙うこともできます。
PHPのメリット
PHPはオワコンと言われることもありますが、魅力的な部分もたくさんあり、まだまだ将来性がある言語と言えます。
ここでは、PHPはなぜ将来性や魅力があると言えるのかを紹介します。
初心者でも習得しやすい言語
PHPはプログラミング言語を扱う初心者でも比較的習得しやすい言語の一つです。
PHPには20年以上の歴史があり、今は教材や実績が豊富でエンジニアが欲しい情報や環境が揃いやすい状況になっています。
もし開発で不具合が発生しても、インターネットで調べると解決策が出てきやすく、困ったときも何とかなりやすいことも魅力の一つでしょう。
歴史が長いことによる情報の蓄積があることで、初心者も安心してチャレンジすることができます。
最近リリースされたプログラミング言語は、まだまだ情報が少ないことが多く、PHPのこの優位性は簡単に覆ることはありません。
案件数が豊富
PHPは案件数が豊富なことも魅力の一つです。
例えばレバテックで案件数を調べてみると、約6,400件と他の言語に比べて圧倒的な数を誇ります。(C言語は約1,150件)
案件数が豊富ということは、それだけPHPの人材が不足しており、ニーズが高いということでもあります。
仕事内容としては、自社Webサイト、社内業務システムの開発、PHPを用いたゲーム開発などの仕事が多い傾向です。
仕事が多いということは、自分がやりたい仕事が見つかりやすいと言えます。
案件数が多いことで、未経験者でもPHPのエンジニアとして案件を獲れる可能性が高いと言えるでしょう。
WordPressで使われている
世界的に使われているWordPressでPHPが使われていることもPHPの良いところです。
WordPressとはブログやホームページの作成に世界で一番使われているシステムであり、WordPressのソースコードを修正する際にはPHPの知識が必須となります。
WordPressは代替えの脅威となるシステムはまだ存在しておらず、需要が今後も続く見通しのため、WordPressの立ち上げや改修の仕事におけるPHPエンジニアの活躍の場は絶えないでしょう。
PHPエンジニアの必要なスキル
PHPエンジニアになるには、どのようなスキルが必要なのでしょうか。
プログラミング言語を学ぶ初心者にとっては、何から学べばいいのか分からないという人も多いと思います。
ここでは、PHPエンジニアになるために必要なスキルを紹介しますので、参考にしてみてください。
プログラミングスキル
PHPはプログラミング言語なので、プログラミングのスキルは必須になります。
PHPはオープンソースでインターネットに無料で公開されているため、パソコンとネット環境があればWEBアプリケーションの開発環境を構築することができます。
まずは自分で環境を構築し、本やネットの情報を見ながらアプリケーションを作成してみましょう。
簡単なものでも開発経験を積むことで、座学では培えない知識や失敗を経験し成長のスピードが圧倒的に早くなるはずです。
PHPでプログラミングの基礎を習得することができれば、他のプログラミング言語にチャレンジするときに考え方や学び方が応用できます。
サーバ・データベースの知識
PHPはサーバサイドのプログラミング言語のため、サーバやデータベースに関する知識も必要になってきます。
サーバサイドは入力された情報をもとに、データベースと通信してデータのやり取りをするためです。
システムを開発するときに必要なスキルになりますので、プログラミングスキルを培いながら、サーバやデータベースの知識も習得していきましょう。
代表的な知識でいうと、例えば以下のようなものが必要になります。
- サーバー
Linux
Apache - データベース
SQL
テーブル構造
プロジェクトマネジメントスキル
プログラミングスキルやサーバサイドに関する知識の他には、プロジェクトマネジメントスキルもあると良いでしょう。
応用的なスキルになりますが、システム開発は基本的にプロジェクトとして動いていくため、プロジェクトの管理ができると仕事の幅が広がります。
プロジェクトマネジメントはエンジニアのモノづくりとは全く別のスキルとなり、QCD(品質、費用、納期)の管理や、複数人で取り掛かるプロジェクトであればリソース管理などが必要になります。
プロジェクトマネジメントの実績を積みプロジェクトリーダーを任せられる人材になれると、より価値のある仕事にチャレンジできるようになります。
未経験でもPHPエンジニアにはなれる?
PHPエンジニアは未経験者でも目指しやすいプログラミング言語です。
ここでは、未経験者でPHPエンジニアを目指す際に、どのように活動していけばいいのかを紹介していきます。
PHPエンジニアに興味があるけどどうすればいいのか分からない、という人はぜひチャレンジしてみてください。
転職エージェントを活用する
未経験の転職でも手厚いサポートをしてくれる、大手転職エージェントを活用することはおすすめです。
転職エージェントの中でもリクルートエージェントやdodaは求人数も多く、プロのエージェントから転職支援を得ることができます。
未経験ということを伝えれば、同じような状況の求職者がどのように活動をしているかなどの過去の実績情報をもとにサポートしてくれます。
また、第二新卒などの若手層の人は、若手向けの求人が多いマイナビエージェントがおすすめです。
転職エージェントはたくさんありますが、求職者の状況や実績によって最適なものが変わるため、活用する際にはしっかり調査して選ぶと良いでしょう。
転職サイトもITエンジニアに特化したサイトもあります。
未経験者歓迎の求人に応募する
PHPを使用した開発案件は「未経験者歓迎」の求人も多いので、思い立ったらいきなり応募してしまうのも良いでしょう。
なぜ未経験の募集が多いかというと、PHPは歴史があるので教育体制を整えやすく、習得しやすい言語だからです。
近年、とにかくエンジニアは人手不足のため、未経験でも学ぶ意欲がある人がいたら教えながら戦力になってもらおうという企業も多くなっています。
もちろん、未経験者といっても仕事を受けるプロとして雇われるわけなので、意欲的に臨む姿勢は必要ですが、「未経験者歓迎」の案件は多少の失敗は許されることが多いので、思い切って応募してみるのも良い手だと言えます。
実戦で学ぶことは成長スピードも早く、報酬ももらえるのでメリットが大きいと言えます。
独学で学びながら実績を積む
PHPはオープンソースのため、パソコンがあれば自分でWEBサイトを立ち上げる環境を整えることができます。
まずは小さく始めてみたい、という人は独学も可能です。
PHPは歴史が長く、インターネットや書籍に豊富な知見が詰まっています。
そのため独学で学びながら実績を積みやすいプログラミング言語です。
独学で学ぶのであれば、参考書を読みながら自分でアプリケーションを開発したり、動画学習やスクールに通うなどの手段がおすすめです。
まとめ
PHPはオワコンと言われることもありますが、未経験でも習得しやすい言語であり、確固たるシェアがあるので今後も継続して活躍するプログラミング言語と言えます。
この記事ではPHPがオワコンと言われる理由から、PHPの将来性やPHPエンジニアになるためのスキルや方法を紹介してきました。
ITエンジニアの初心者でも、PHPを習得することでさまざまな仕事で活躍できたり、他のプログラミング言語を習得するための基礎スキルが身に付きます。
PHPエンジニアに興味がある人は、この記事で紹介した内容を参考にして、ぜひチャレンジしてみてください。