Datadogとは?特徴、メリット、主要機能や料金まで徹底解説!

複数のプラットフォームで稼働しているITシステムを横断的に監視する運用監視サービスを導入したいサーバ監視、ログ監視といった運用監視サービスが様々なサービスに分散していて管理しにくい為、運用監視に関わるサービスを一元化したい。

こういった悩みはありませんか?

Datadogを導入することで運用監視に関する悩みを解決し、さらには運用監視の業務効率化に繋がるケースもあります

本記事では、Datadogの特徴やメリット、主要機能、料金について詳しく解説しています。また、導入する際の具体的な手順も一例として記載しています。

記事を読むことでDatadogの導入を判断する為の基本的な知識が身に付きます。最後までご覧いただき、みなさまの運用監視業務の効率化の一助となれば幸いです。

週10時間の副業案件を
会員登録した方限定で配信中!

Datadogとは

引用元:Datadog公式

Datadogとは、SaaS型の運用監視サービです。2010年にニューヨークで創業したDatadog, Inc.が提供しています

インフラストラクチャー監視サービスから提供を開始し、現在ではAPM(Application Performance Monitoring)やログ分析、ユーザエクスペリエンス監視、ネットワーク監視、インシデント管理やセキュリティ管理など提供するサービスを拡大しています。

Datadogの特徴と導入するメリット

様々な特徴を持った運用監視サービスがある中で、Datadogにはどのような特徴があるのか、導入した場合にどんなメリットがあるのかを詳しく解説します。

Datadogの特徴

Datadogだけで運用監視に必要な機能を網羅

Datadogは監視サービス以外にも提供するサービスを拡大している為、他社のサービスを使うことなく、Datadogのサービスを追加で契約することで運用監視に必要な機能が網羅できます。

以前は監視サービス、ログ分析、APMなどそれぞれ別のサービスを導入する必要がありました。しかし、現在はDatadogを1つ導入することでログ分析、APM、セキュリティ管理など運用監視に関わるサービスを網羅することができます。システム、アプリケーション、サービスまで横断的に監視可能です。

Datadogは様々なシステム、アプリケーションやサービスを監視対象とすることができます。サーバ監視であれば、オンプレミス環境のサーバだけではなく、パブリッククラウド環境のサーバであるAmazon Web Services(AWS)やMicrosoft Azureも監視対象となります。

また、AWS Lambdaのようなサーバレス環境やMicrosoft Azure VMといった仮想マシンのモニタリングも可能となっています。さらにサーバ以外も監視対象とすることができます。物理的な機械であるサーバ以外に、サーバにインストールされるOSやネットワーク、アプリケーションに至るまで、ITシステムを構築する各要素をDatadogで一括して監視対象とすることが可能です。

他のサービスとの連携が容易

Datadogでは、他のサービスと容易に連携する機能が提供されています。2023年現在、600以上のサービスの連携が可能となっています。

連携できるサービスの一例として、Amazon Web Services(AWS)やMicrosoft Azureが挙げられます。AWSからDatadogへデータ送信することで、Datadog上での監視が実現できます。

また、Datadogからデータを連携することも可能です。
例えば、Microsoft Teamsへアラートやイベントの通知を連携することができます。通知を連携することでDatadogでシステム異常を検知した際、Microsoft Teamsを参照して、どのようなエラーが発生しているかを把握できます。

ダッシュボードの優れた可視性

Datadogは他のサービスと比較して、ダッシュボードの可視性が優れています。アプリケーション、クラウドプラットフォームなどの様々な監視対象に対して、メトリクス、トレース、ログを相関して可視化することができます。

ビジュアライゼーションやビューのカスタマイズ、ビューのドラック&ドロップにより、チームのニーズに応じたダッシュボードをカスタマイズ可能となっています。

Datadogを導入するメリット

コストの削減に繋がる

Datadogは様々なシステム、アプリケーション、サービスに対して運用監視を行うことが出来るため、階層ごとに運用監視サービスを分ける必要がありませんそのため、システム構築における運用監視サービスの導入コストを下げることができます。

また、他の運用監視サービスを導入する必要が無くなることで、教育コストの削減にも繋がります。

可観測性が高く、複雑なアーキテクチャであってもモニタリングが容易

Datadogに組み込まれたAIエンジンを活用した、Watchdogというサービスでは、不特定多数のエラーが発生した際、エラーに関連するシステム内のコンポーネントを自動的に特定することができます。

このように、複雑なアーキテクチャで構成されたシステムでも可観測性(オブザーバビリティ)が高いことによって、モニタリングが容易です。

リアルタイムでユーザーエクスペリエンスの可視化

Datadogでは、Datadog Real User Monitoring(RUM)というサービスが提供されており、ユーザーエクスペリエンスを可視化することができます。

個々のユーザー操作や操作によるシステム状況、エラーなどをリアルタイムで可視化することで、ユーザーに影響を与えている画面操作のパフォーマンス不良といった問題を素早く検知することができます。

Datadogの主要機能

Datadogでは主にどのような機能が提供されているのかを詳しく解説します。基本機能に加えて、実際のDatadogのメニュー画面についても解説していきます。

Datadogの基本機能

Datadogの基本機能は以下の通りです。

・リアルタイムのパフォーマンス可視化
・強力なアラート
・履歴の分析
・根本原因の相関と分析
・ダッシュボード公開やチーム間のコラボレーション

引用:モダンなモニタリングへの変革! Datadog徹底解説

Datadogのメニュー画面

Datadogのメニュー画面を見ながら、具体的なダッシュボードの機能を解説します。赤枠部分の各機能について以下で解説していきます。

Go to…

監視項目を検索することができます。入力したキーワードで部分一致検索を行い、該当する監視項目を検索候補として表示します。

Watchdog

アプリケーションやインフラストラクチャーの潜在的な問題を自動的に検出するAPMパフォーマンス、インフラストラクチャーメトリクスなどのアルゴリズム機能です。

APMのメトリクスであれば、ヒット率(リクエスト率)、エラー率、レイテンシーの傾向やパターンを分析し、異常が無いかを調査します。

Service Mgmt

Datadog Service Catalogという、全てのサービスに関連する重要な情報を一元管理している機能です。

サービス所有者の検索、運用の健全性と信頼性のトレース、アプリケーションのパフォーマンスやセキュリティの監視を行います。

Dashboards

重要なメトリクスを可視化し、分析、トレースを行うことができます。インフラストラクチャー監視をこの機能で行います。

Infrastructure

Datadogが監視しているホスト、コンテナ、プロセスの一覧を確認することができます。また、ホストやコンテナのメトリクスを視覚的に理解しやすくしたマップを確認することができます。

Monitors

メトリクスモニターという機能で、メトリクスがしきい値を超過、もしくは下回った場合にアラートを発生させたり、通知したりすることができます。

Metrics

監視対象から取得できるメトリクスを検索することができます。

Integrations

監視対象となるサーバ、アプリケーション、サービスのインテグレーションを行うことができます。インテグレーションの設定方法の提示も行います。

APM

アプリケーションを詳細に可視化することができます。アプリケーションのWebサービス、キュー、データベースのメトリクスをダッシュボードを使用してモニタリングします。

CI

Continuous Integration(継続的インテグレーション)におけるメトリクスを可視化することができます。

Notebooks

 監視対象のグラフデータにコメントを付与することでデータの背景情報や共有事項などをチームに連携することができます。

Logs

 監視対象となっている全てのサービス、アプリケーション、プラットフォームのログを検索、フィルタリング、分析を行うことができます

Security

 アプリケーションやクラウドのセキュリティ管理を行うことができます。

 また、Cloud SIEMを利用して、運用ログやセキュリティログをリアルタイムに監視し、セキュリティ脅威の検出に繋げることができます。

UX Monitoring

 APIテスト、ブラウザテストの作成やCIとCDパイプラインへ作成した回帰テストを組み込むことができます

Datadogの導入方法と具体例

Datadogの導入について、導入に使用するインテグレーションの説明や具体的な例を交えながら、解説します。

Datadogの導入はインテグレーションを使用

Datadogで監視を行うためには、インテグレーションを使用して導入します。インテグレーションとは、通常個別に検討される要素から統合されたシステムを構築することを指します。

インテグレーションの種類

インテグレーションは以下の3種類に分類されます。

①エージェントベースのインテグレーション

Datadog Agentと共にインストールされるインテグレーション
「check」というPythonクラスメソッドを使用して、収集するメトリクスを定義

②認証(クローラー)ベースのインテグレーション

Datadogで設定されるインテグレーション
インテグレーションを設定する際、APIを使用してメトリクスを取得する為の資格情報を取得Slack、AWS、Azureなどがよく利用される

③ライブラリインテグレーション

Datadog APIを使用するインテグレーションNode.js、Pythonなどの記述言語に基づいて、アプリケーションを監視

具体例】オンプレミス環境におけるサーバ監視

ここでは、実際にエージェントベースのインテグレーションの具体例として、オンプレミス環境のサーバ監視を行う手順を解説します。

Datadog AgentのインストールからDatadogのダッシュボード上で取得されたサーバ情報が確認できるまでの流れは以下の通りです。

Datadogアカウントが必要となる為、事前にアカウント作成を行ってください。

  1. Datadog Agentのインストール
  2. Datadog Agent Managerの確認
  3. ダッシュボード上で取得されたサーバ情報の確

Step1: Datadog Agentのインストール


Datadogのメニュー画面から[Integrations] - [Agent]を選択し、サーバの一覧からDatadog Agentのインストール先サーバ(この例ではWindows)を選択します。

Datadogのサイトに記載されている、「New installation」の通り進めます。まずはインストーラーをダウンロードします。その後、インストーラーを実行して、インストールを完了します。

Step2: Datadog Agent Managerの確認

Datadog Agent Managerで問題なく、インストールされていることを確認します。

Step3: ダッシュボード上で取得されたサーバ情報の確認

Datadogのメニュー画面からダッシュボードを確認します。
対象サーバの監視項目が表示されていることを確認し、完了となります。

Datadogの料金プラン

引用元:Datadog公式

ここでは、Datadogを利用する為の料金プランについて、解説します。
DatadogはSaas型のサービスである為、従量課金制となっています。使うサービスを追加するほど、料金も追加されます。

また、プランについても選択可能であり、選択したプランに応じて料金が変動します。具体的には「Free」「Pro」「Enterprise」の3つのプランから選択することができます

Freeプランが最も料金が低いですが、利用できる機能も少なくなっているのに対し、Enterpriseプランは最も料金が高い半面、より多くの機能を使用することができます。

まとめ

Datadogの特徴やメリット、主要機能や料金についても解説してきました。
運用監視サービスはシステムを稼働させる上では、必要不可欠なサービスです。

Datadogを導入することで様々な他のサービス、アプリケーションとの連携を行うことができます。さらに運用監視サービスの統合を可能にしており、コストの削減に繋がることもわかりました。

システムの安定性を高め、より良い運用監視業務を行うことで、ユーザが安心して使えるシステムを目指して、Datadogの導入を検討してみてはいかがでしょうか。