「Spring」は、Web開発に用いるツールとして2003年6月にリリースされたフレームワークです。
Javaを扱っている方の中には、「Springという名前を聞いたことはあるが、詳しくは知らない」という方もいるのではないでしょうか。
本記事では、Springの概要や特徴、活用事例などについて紹介します。
導入を検討する場合やフレームワークに関する知識をつけたい場合は、ぜひ参考にしてください。
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そもそもSpringフレームワークとは何？
Springはリリースから20年近く経つ、機能性・安定性の高いフレームワークの1つです。バグの特定に特化したテストプログラムを保有していたり、システムごとに開発できる処理能力が飛躍的に向上したりするなどのメリットがあり、導入から事業拡大までを幅広くサポートすることができます。
最新版のアップデートも頻繁に公開されており、システムエラーや脆弱性などの危険性も回避しやすいツールです。
Springフレームワークの特徴
以下で、Springというフレームワークの特徴について解説します。
開発環境はEclipseがベース
Spring Frameworkの開発環境は「Eclipse」がベースとなります。
Spring Tool Suiteプラグインのインストール・JDKのインストール・Eclipse側のMaven設定なども行い、導入を行います。
その他にも、EclipseマーケットでSTSと検索して導入することも可能です。
AOPやDIで構築されている
Spring Frameworkは、「AOP（Aspect Oriented Programming）」と呼ばれる書き出しを分割して行うことができる機能を備えています。
重要な処理情報は別で管理し、共通の処理のみあえて別に書き出すことができるため、万が一システムエラーが起きた際にも特定が容易です。
そのため、Spring Frameworkを用いることによって、システムの保守運用がスムーズに行えるようになります。
さらに、Spring Frameworkには、「DI（Dependency Injection）」と呼ばれる機能も搭載されています。
DIを使うことによって、オブジェクトを整列させる要件に必要な情報を外部へ別途切り離して用意可能なコンポーネントを作成できます。
特に、仕様の変更が頻繁に行われる大規模な開発環境においては、大きな効果を発揮するでしょう。
バグ検出に特化したテストプログラムがある
Spring Test Context Frameworkでは、SQLステートメントの実行によりデータベースを照会のうえ、関連のアプリケーションコードの実行前と実行後の両方においてデータベースの状態を確認することができます。
Springフレームワークを使うメリット
Spring Frameworkを使うメリットは、主に以下の2つです。
- 開発スピードや効率が圧倒的に上がる
- プロジェクトごとにシステムを分けられ、メンテナンス性が上がる
以下で順番に解説します。
開発スピードや効率が圧倒的に上がる
Spring Frameworkは、プログラム修正の簡略化へ特に力を入れています。
導入することによってバグの発生確率は格段に減り、修正に費やす時間を全てカットすることが可能です。
分割の書き出しが可能なAOPの効果により共通の処理はある程度集約することができるため、エラーなどの不具合が生じた場合にもすぐに修正・再構築が可能となります。
そのため、設定なしですぐに利用することができ、細かい修正にも柔軟に対応することができます。
プロジェクトごとにシステムを分けられ、メンテナンス性が上がる
Spring Frameworkでは、プロジェクトごとにシステムを独立させることが可能となるため、それぞれを確実にメンテナンスすることができます。システムを独立させることによって、保守性の向上にもつながります。
それぞれが独自性を持っているため、一つひとつの管理方法を把握しておく必要があります。
一定のフレームも一通り揃っているため、必要最低限のコーディングを行うのみの対応となります。
Springフレームワークのデメリット
カスタマイズ性に優れ、それぞれを独自に編集できるSpring Frameworkですが、習得難易度が高く日本語の情報がまだ少ないなどのデメリットも存在します。
以下で、具体的なデメリットについて解説します。
習得難易度が高い
Spring Frameworkの習得難易度は比較的高く、カスタマイズに応じたJavaScriptの知識も求められます。
Spring Frameworkを使用する案件は大規模なプロジェクトに多い傾向があります。
しかし、非常に複雑なスキルを求められることが多いため、豊富な実務経験やフィーリングで何でも操作できる前提知識などが求められます。
Springの取得難易度は比較的高くなっていますが、1度習得すると大幅な収入アップや効率化が期待できます。
日本語の情報がまだ少ない
公式などの情報サイトで共有されている言語は基本的に英語であり、日本語で説明されているサイトはほとんどありません。
そのため、Spring Frameworkのドキュメントを参照して習得する場合は、英語の習得も必須であるといえます。
Springフレームワークの活用例
Spring Frameworkは、主にWeb開発に利用されているフレームワークです。対応範囲はパソコンやタブレット、スマートフォンといったブラウザを搭載している端末となります。
以下で、Spring FrameworkをベースにWebシステムの開発を担う企業とその企業による活用例を紹介します。
Webシステムの開発
Spring Frameworkが必要なWebシステムには、以下のようなサービスがあげられます。
- 業務システム（SaaS）
- インターネットバンキング
- オンラインストレージ（クラウド）
以下で具体的な導入例を紹介します。
①OpenStandia
「OpenStandia」は、1000以上の企業へ高品質なオープンソースのシステムを構築してきたIT企業です。
Spring Frameworkによって作成されたシステムの導入で、企業におけるさまざまな問題を解決してきました。
大量のトランザクションを実現したOSSミドルウェアでは、Spring Frameworkの活用により金融機関に求められる信頼性・性能・セキュリティのすべてを満たし、大量の注文を迅速に処理できるようになりました。
対象顧客は「時価の変動を即座に押さえ、素早く注文をしたい」といった要望の個人事業家が多いです。
処理にかかる時間や運用コストを大幅に削減することに成功し、今まで以上に安定してサービスを提供できるようになりました。
その他にもOpenStandiaには、以下の提供実績があります。
- 金融機関のコールセンター（増加する架電に対応するための短期的な開発）
- 人事異動時のID管理業務
- データセンターの統合認証とポータル基盤
②株式会社アイティフォレスト
「株式会社アイティフォレスト」は東京都港区に本社を置くWebシステム開発企業で、デジタルトランスフォーメーションを強化しており旅行業を得意としています。
20年にわたる豊富な実績と技術力を誇り、NTTや三菱などの大企業からWebシステムに関する依頼を多数受注しています。
特に規模が大きい案件では、システムの保守や運用もあわせた常駐メンテナンスも可能としており高いサービス力を誇ります。
また、株式会社アイティフォレストでは、効率性を重視するだけでなく販売利益へと結びつけるDXにも力を入れています。
③株式会社ウィズダム・ジャパン
「株式会社 ウィズダム・ジャパン」は、AIやIoTクラウドなどの先進技術に特化した横浜のIT企業です。
設立から現在まで、さまざまな業種における業務管理システム等の開発を積極的に行ってきました。
特に、企業の業務申請や承認などのシステムにおいては、Spring FrameworkのMVCが活用されています。
④GMO-Z.com RUNSYSTEMは
「GMO-Z.com RUNSYSTEM」は、ベトナムハノイに本社を置くWebシステムの開発を担う企業です。
日本語が堪能なベトナム人の人材が多数在籍しており、ゲームや金融システムなどの日本向け商品を多数製作しています。
Webサービスの開発
Webサービスの開発は、Webシステムの技術も含めて提供される分野です。
具体的には、以下のような事例がWebサービスの開発として挙げられます。
- EC（ショッピング）サイト
- 動画視聴サービス
- ストリーミングサービス
動画サービスやストリーミング配信などにおいて、規模が大きいものの場合は3ヶ月から半年ほどで完了することが多いです。
一方、Webサービス全体の開発においては、1年以上の長い期間を要することもあります。また、それに伴い必要経費も大きくなります。
Webサービスは個人での展開も可能となっており、ライブなどの映像配信を行う目的で活用できます。
特に、Spring Bootはフルスタックのため必要なツールが一通り揃っており、迅速に開発を進めることが可能です。
Webサービス開発においては、セブンイレブンのオンラインショッピングで注文の止まらないECサイトを実現した事例を紹介します。
セブンイレブンのECサイトは前述のOpenStandiaが開発を行ったもので、今までのデザイン性を見直すことでリッチな画面を実現し、検索機能を追加することによってアクセス数の増加を実現しています。
また、トラフィックが増加するキャンペーン時においても対象商品を優先して表示できるようにしたため、購入機会の損失を防ぐことができました。
その他に個人で作成を行った事例についても、下記リンクから紹介します。
タイトル名：動画サービスを作ったのでどうやって作ったのか公開する
上記サイトでは、サーバーの分野においてSpring Bootが使われており、動画配信をより迅速に提供できる環境を構築しています。
クラウドアプリの開発
Springのサービスの1つであるSpring Cloudでは、管理者権限の設定やリーダーの立ち上げなどクラウド構成に必要な要素をふんだんに盛り込んだツールを提供しています。
Spring Cloudでは、その他にも以下をはじめとしたパターンを備えています。
- 設定管理
- サービスディスカバリ
- サーキットブレーカー
- インテリジェントルーティング
- マイクロプロキシ
- コントロールバス
- ワンタイムトークン
- グローバルロック
- 分散セッション
- クラスタ状態 など
ベアメタルのデータセンターや大規模プラットフォームの構築も可能です。
これらのアプリに関しては、Microsoftの公式サイトよりデプロイに関する詳細な説明が掲載されているため、必要に応じて随時参照することができます。
- Spring Data
- Spring Security
- Spring Cloud
- Springの統合など
Springフレームワーク習得に必要なスキル
JavaScriptを補助するSpring Frameworkの習得難易度は、やや高めです。
ただし、複雑な設定なしに高性能なツールをそのまま利用できるため、柔軟性は高く一定のスキルを習得することで簡単に扱うことが可能になります。
Javaプログラミングの知識
Spring FrameworkはJavaScriptを補助するフレームワークのため、Javaのプログラミングができることが大前提となります。
JavaScriptは、世界全体の50%以上のWebサイトで利用されている非常にメジャーな言語であるため、チュートリアルやコミュニティなどの情報が豊富に存在します。
そのため、プログラミング未経験者でも、チュートリアルを参照することで覚えやすい言語となっています。
入門書や解説動画などの学習環境も整っているため、情報量の多さで悩む必要はありません。
フレームワークの知識
Javaのプログラミングスキルに加えて、Web構築を補助するフレームワークの知識があるとより一層役立ちます。
ここでいうフレームワークの知識とは、状況や目的に応じて最適のフレームワークが選択できる判断材料を持ち合わせていることやフレームワークの使用経験のことを指しています。
フレームワークを選ぶ際には、主に以下の要素を踏まえて検討する必要があります。
- 習得スキルが容易であるか
- 自身や編集に携わる人との相性
- 導入が簡単であるか
- 共同作業に向いているか
- システムエラーが少ないか
- 日本語のライブラリが充実しているか
- コミュニティが活発であるか
上記の条件に合ったフレームワークの習得経験があると、より一層導入がスムーズになります。
Webアプリの知見
Webアプリに特化したフレームワークであれば、Webアプリの開発も可能です。
具体的には、以下のようなサービスをWebアプリといいます。
- Googleが提供するインターネットで利用可能なサービス（GmailやGoogleドキュメントなど）
- Yahoo！ニュース
- 食べログ
- クックパッド など
まとめ
本記事では、JavaScriptで利用可能なフレームワークである「Spring Framework」について解説しました。
Spring Frameworkの習得難易度は比較的高めで、覚える内容も複雑なものが多いです。
しかし、1度習得すれば月40〜60万円の高単価な案件を多数受注することが可能になります。
フレームワークそのものがメジャーでコミュニティーや参考資料も充実しているため、分からないことがある場合はその都度確認して学習を進めましょう。
