働き方改革や、コロナ渦の影響でテレワーク可能な仕事に注目が集まっています。
特にITエンジニアは在宅でも基本的に仕事ができる場合が多く、人手不足の深刻化もありITエンジニアに進む人も少なくありません。
WEB系の仕事を見てみると、PHPというプログラミング言語がよく出てきます。
PHPは世界的なシェアも圧倒的に高く、これからITエンジニアになるという人にはおすすめのプログラミング言語です。
「PHPを学びたいけどどのように学習すればいいのか分からない」という人も多いのではないでしょうか。
この記事ではPHPの特徴や仕事内容について、PHPの学習の仕方まで紹介していきます。
PHPエンジニアに興味がある人はぜひ参考にしてみてください。
PHPとは?
PHPとはどのようなプログラミング言語なのでしょうか。
プログラミング言語に馴染みがない人はそれぞれの言語の特徴が分からないと思います。
ここではPHPの特徴やメリットとデメリットについて紹介していきます。
PHPのことは知らないけど興味がある、という人は参考にしてみてください。
PHPの特徴
PHPはWEBアプリ開発で主流のプログラミング言語になります。
歴史が長く、WEBアプリで世界的に使われているプログラミング言語であり、世界のWEBサイトのうち約79%で使用されています。
代表的なところでは「Facebook」や「ぐるなび」でも使われています。
最近はユーザーがWEBページにアクセスしたときに、その状況に応じてページの出力を変える「動的」なWEBページが主流になっていますが、PHPはこの「動的」に強みを持っています。
また、PHPはサーバサイドというサーバ上でデータを処理する言語という特徴も持っています。
サーバサイドとは、データベースへのデータの追加や計算をするプログラムがサーバ上で実行される仕組みのことを言います。サーバサイドでは、SNSサイトの作成や、お問い合わせフォームの作成など、今ではなくてはならない機能を作ることができます。
PHPの良いところ
まず、PHPはスクリプト言語であり、初心者でも学びやすいと言えます。スクリプト言語とは、プログラミング言語の中でも比較的簡単に記述や実行ができるものです。ソースコードが自然言語に近いため初心者でも扱いやすいことが特徴です。
PHPは歴史が長いことも魅力的で、WEB開発における代表的なプログラミング言語であるため、インターネットや書籍に豊富な情報が残っています。何か困りごとがあったときに初心者でも調べることで解決策にたどり着きやすく、安心して学ぶことができます。
また、WEBシステムにおいて圧倒的なシェアを誇る言語のため、人材の需要が高いのも良いところです。PHPエンジニアの仕事を調べると大量の案件が見つかります。中には初心者歓迎の仕事もあり、初心者でも学びながら仕事に取り組むことができるようにクライアントが体制を整えているところもあります。PHPは学びやすく、始めたばかりでも仕事が見つかりやすいプログラミング言語のため、初心者でも学びやすいと言えるでしょう。
PHPの悪いところ
PHPはメリットの多いプログラミング言語ですが、一方でデメリットも存在する言語です。
どのプログラミング言語でも一長一短はあるものですが、しっかりとその言語の特徴を知って扱うことが大切になります。
PHPでいうと、PHPが得意なWEBアプリケーション開発以外の開発では使いにくい点が挙げられます。
例えばスマートフォンのアプリや機械の組み込み制御向けの開発では他のプログラミング言語を使用することが望ましいです。WEB系とアプリではノウハウが違う部分があるため、WEB系以外へ手を広げる可能性がある人は、別のプログラミング言語も習得することを視野に入れた方が良いでしょう。
また、PHPは比較的セキュリティが弱いこともデメリットとなります。
PHPは定期的にバージョンアップされているため、ある程度解消されていきますが、他のプログラミング言語に比べてセキュリティへの指摘が多い傾向です。
理由はPHPが記述のルーズさを許容する言語であり、しっかりとした記述が要求されず、セキュリティに穴が空きやすくなるためです。
セキュリティの脆弱性はプログラムの書き方に左右されるので、日ごろから情報を収集して対策できるようにしていきましょう。
PHPを使った仕事内容
PHPを使えるとどのような仕事ができるのでしょうか。ここでは、PHPがどのような場所で使われているのかを紹介していきます。
PHPに興味がある人は、自分がやりたいことと合っているかどうかチェックしてみてください。
ECサイト
Amazonや楽天市場のようなECサイトはPHPで作ることができます。
ECサイトには以下のような機能が必要になってきますが、PHPならこれらの機能はすべて作成することが可能です。
- 会員登録、削除
- 商品購入
- お気に入り登録
- オンライン決済
- 在庫管理、売上管理
ECサイト作成では、「EC-CUBE」などの作成ツールが公開されていますが、このツールも実はPHPで開発されています。
ECサイトの運用に困っている人がいたら、PHPの知識があればアドバイスや支援ができます。
業務システム
PHPを使って企業の業務システムを開発することが可能です。
業務システムには以下のようなさまざまな種類があります。
- 取引における受発注システム
- 勤怠管理システム
- 在庫管理システム...など
業務システムは製造業から飲食、金融業までどの企業でも仕事を進める上で必要なシステムになるため、案件数も多いです。
また、大人数が使うシステムほど開発規模も大きくなり、複数人で開発することが多い案件になります。
WEBアプリケーション
WEBアプリケーションはPHPエンジニアがメインで携わる仕事になるでしょう。
企業のWEBサイトやポータルサイトなどいろいろな領域があります。
最近は複数のWEBアプリが連携するために「API」という他のサービスの機能を利用するための仕組みを作ることも多くなってきています。ある商品を購入するときに、LINEやAmazonの認証が求められたりすることがあると思いますが、これは「API」によって実現されています。WEBアプリケーション開発を行う際には「API」を扱えるようになっておくと、仕事においてメリットになるでしょう。
ゲーム
PHPは個人向けや企業向けのゲーム開発でも使われているプログラミング言語です。
PHPはサーバサイドのプログラミング言語になるため、主にオンラインゲームやソーシャルゲームなどのインターネット(サーバ)を使ってデータを扱うゲームで使用されています。
ゲーム開発では、ユーザーから見える画面映像が質に影響するため、PHPの実績だけでなく、3D技術や音声、AIなどのゲームを作るうえで必要なスキルや知識があるとメリットが大きいでしょう。
ゲームは構造の複雑化や求められる技術力が高くなってきており、エンジニア不足が続いています。
そのため、PHPが未経験でも、他のスキルを持っていることを武器にプログラミングスキルにチャレンジしつつ、ゲームエンジニアを目指すのも良いでしょう。
PHPの学び方
実際にPHPを学ぶにはどうしたらいいのでしょうか。プログラミング言語に触れたことがない人にとっては、学ぶことに難しい印象があると思います。
ここでは、初心者におすすめの勉強方法を紹介していきます。
PHPをこれから学び始めるという人は、ぜひ参考にして学習に進んでください。
学習サイトを使用する
PHPは歴史が長くインターネットに情報が多くあります。中でも視覚的に気楽に学習ができるオンライン学習サービスはとてもおすすめです。
例えば、
Progate(プロゲート)はオンライン学習サービスで、多くのプログラミングスキル学習者から利用されています。「初心者から、創れる人を生み出す」という理念を持っていることもあり、初めてプログラミング言語を学ぶ人には頼れるサービスです。
PHPのコースは全体で約15時間のボリュームになっており、スライドによるINPUTと実際にサイトを作るOUTPUTを繰り返しながら学習します。
IN/OUTの繰り返しで学習スピードも早くなるでしょう。
他にはドットインストールもおすすめです。
ドットインストールもオンライン学習サービスですが、Progateのスライド式とは違い、動画形式の教材になっています。
また、動画一つあたりの時間も約3分などの小時間が多く、隙間を見て学習しやすいことが特徴です。
有料プランに入ることで、Progateにはない「プロに質問する」ことも可能になります。
スマートフォンのアプリで学習する
PHPはスマートフォンのアプリでも気楽に学習することができます。いつでもどこでも学習できるため、通勤や空き時間を有効活用できるでしょう。先ほど紹介したPrgateもスマートフォン用のアプリをリリースしています。
他には、SoloLearn:Learn to Code(英語版)やUdemy(動画学習サイト)などが有名です。
特にUdemyは世界中の講師の動画を見ることができ、ニッチな内容に特化して検索することもでき、自分が欲しい知識を探すことができるでしょう。
本を使用して学習する
独学でじっくりと学ぶなら本を使用して学習することがおすすめです。
PHPは歴史が長いこともあり、豊富な種類の参考書があります。参考書は体系的に情報がまとめられていることが多いため、1冊でも読むことで幅広く汎用的な知識を得ることができるでしょう。初心者から上級者まで、書籍の目的によってターゲットも明確になっているため、読者も選びやすいかと思います。
今からPHPを学ぶという人は、基礎編などの入門書を選ぶようにしましょう。図やイラストでしっかりと説明があるので、プログラミングに慣れていない初心者でも続けやすい構成になっています。
参考書を使用した学習方法
プログラミング言語の学習方法はさまざまですが、PHPを学び始める人にはぜひ体系的に学べる参考書を読んでみてほしいです。
この記事では参考書を使用した学習方法について詳しく紹介していきます。
参考書を使用した学習のコツを3つ紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
自分のレベルにあった参考書を選択する
参考書は自分のレベルにあった書籍を選ぶことで、効率的に学ぶことができるでしょう。
例えば初心者であれば、先ほど紹介した通り入門書を選ぶことで図やイラストを見ながら理解を深めることができます。
自分のレベルに合わない書籍を選んでしまうと、内容についていけずに挫折してしまうことに繋がりかねません。
参考書を購入する際には、事前にインターネットで調べるなどして、失敗しないようにしましょう。
自分が学習したい要点を絞って参考書を選ぶ
PHPに限った話ではないですが、プログラミング言語の参考書は分厚いものが多く、本のすべてを理解しようとすると非効率かつモチベーションが低下してしまうかもしれません。したがって、自分が何を知りたいのかを明確にしてから参考書を開くことをおすすめします。
例えば「概要」や「文法」、「配列のポイント」などの粒度で考えてみてはいかがでしょうか。
また、参考書にはその要点に特化した書籍もあるため、自分のレベルや知りたい内容によって本を選ぶと良いでしょう。
学びながら手も動かす
学習は参考書を読んでINPUTに集中するだけでなく、実際にサイトを作るなどOUTPUTも一緒に行うことで定着のスピードが速くなります。
実際の開発ではお手本通りに進めて完成することはないため、書籍のノウハウはあくまでヒントとして扱い、ヒントを使って自分でプログラムを作り上げる経験が必要です。
初心者におすすめできるPHPの参考書3選
参考書といってもたくさんありすぎてどれを選べばいいのか分からない、という人に向けて、
今からPHPを学び始める初心者におすすめできる参考書を紹介していきます。
確かな力が身につくPHP超入門
本書はPHPの基礎構文から丁寧に解説されている入門書です。
WEB開発における知識をサンプルで体験しながら学ぶことができます。
PHPの機能を覚えながら、WEBサイト開発にそのまま利用できるサンプルが多数付属されているため、入門書にしながら実践レベルで活用できる参考書です。
WordPressユーザーのためのPHP入門 はじめから、ていねいに。[第3版]
案件としても多い、WordPressの運営でPHPを活用する際に役立つ入門書です。
WordPressを最大に利用するときにはPHPの知識は必須であり、そういった仕事をするためにはWordPressとPHP両方の基礎知識が必要になります。
その2つの関係性も含めて解説してくれる参考書になっています。
WordPressに関する仕事をしたい人はぜひ読んでみてください。
気づけばプロ並みPHP
本書の特徴は WordPressなどのシステムを使わずにPHP単体でシステムを構築するところです。
そのため、素のPHPをしっかりと学んで身に着けたいという人におすすめです。
PHPを深く理解するために役立ってくれる参考書になるでしょう。
ただし、PHPの基礎知識は飛ばしている部分があるので、一通り基礎の情報をINPUTした人向けになります。
まとめ
PHPはさまざまな仕事に応用ができ、初心者でも始めやすいプログラミング言語です。
いろいろな学習方法がありますが、まずは安価で手軽に始められる参考書を使った学習から入ることをおすすめします。
この記事ではPHPの基礎知識から、PHPの参考書を使った学習方法やコツまで紹介してきました。
PHPエンジニアに興味がある人は、この記事で紹介した参考書などを活用して、ぜひチャレンジしてみてください。