JavaScriptとは、Webサイトに動的な要素を付け足すことを目的に開発されたプログラミング言語です。
多くのWebサイトに利用されており、国内外問わず認知度が非常に高いため「JavaScriptとはどのようなプログラミング言語なのか」「JavaScriptでどのようなことができるのか」気になる方は多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、JavaScriptの特徴を踏まえた上でJavaScriptでできる9つのことについて詳しく解説していきます。
本記事を読めば、JavaScriptでできることやJavaScriptを学ぶべき人を知ることができます。
ぜひ本記事を参考に、JavaScriptへの理解を深めましょう。
気になる内容をタップ
JavaScriptとは
JavaScriptとは、Webサイトに動的な要素を付け足すことを目的に開発されたプログラミング言語です。1995年にNetscape社のブレンダン・アイク氏によって開発・リリースされて以降、国内外問わず高い認知度を誇ります。
主に企業サイトのスライドショーやECサイトのポップアップウィンドウなど、Webページに演出を加える際に利用されることが多く、CSSと共に採用されています。また、スマートフォンのメニューボタンの開発にも利用されており、進化スピードが非常に速いプログラミング言語です。
プログラミング言語の中でもトップクラスの認知度を誇り、国内でも数多くの採用実績があるため情報が多く、初心者でも学習しやすい言語だと言えます。
JavaScriptの特徴5選
JavaScriptは主に、以下の5つの特徴があります。
|
そこで以下では、JavaScriptの特徴について詳しく解説していきます。JavaScriptの特徴はJavaScriptの強みでもありますので、ぜひ以下を参考にJavaScriptへの理解を深めていきましょう。
クロスプラットフォーム
JavaScriptは、様々な言語や環境に応じて変換するツールが多く存在するクロスプラットフォームです。そのため、WindowsやMacOS、linuxといった異なるプラットフォームでも利用可能な点が特徴です。
どのプラットフォームでも同様にプログラムを動かすことができるため、Webサイトやスマホアプリケーション、ゲーム開発などといった幅広い分野で採用されています。
このように、JavaScriptはOSや動作環境に操作されず使用可能であり、現代ではWebサイトを構築する上で必要不可欠な言語です。そのため需要が非常に高く、JavaScriptを習得することで分野問わず幅広い仕事の選択肢を得られるでしょう。
オブジェクト指向
JavaScriptの特徴のひとつは、オブジェクト指向である点です。オブジェクト指向とは、データと処理の集まりを1つのものとして考え、ものの集まりによってプログラムを組み立てていくような考え方を指します。
オブジェクト指向のメリットは全体像を把握しやすいことです。全体像を把握することで分業がしやすくなり、チームでの開発効率の向上が望めます。
また、オブジェクト指向はデータと処理の集まりを1つのものとして、ものの集まりによってプログラムが完成されるという考え方です。そのため、機能の追加や変更がある場合は該当箇所のみ作業を行えば良いため、修正がしやすいというメリットもあります。
学習コストが低い
JavaScriptは海外のみならず、国内でもトップクラスの認知度を誇るプログラミング言語です。そのため、インターネット上や書籍には日本語の情報も多く存在していることから、学習コストの低い言語だと言えます。
実際、JavaScriptはCSSやHTMLと比べると複雑さを感じるものの、他のプログラミング言語と比べると文法はシンプルです。また、インターネット上にはサンプルコードが豊富にあるため、写経して繰り返し書いていくことで徐々に慣れていきます。
比較的文法がシンプルで日本語の情報が多く、分からないことがあれば調べられる環境が整っているため、JavaScriptは学習コストの低い言語だと言えるでしょう。
フレームワークが豊富
JavaScriptは国内外問わずトップクラスの認知度を誇っているため、フレームワークの数も豊富な点も特徴のひとつです。
フレームワークとは、開発を効率よく進めることのできる機能があらかじめ備わったソフトウェアを指します。フレームワークを利用することで幅広いジャンルの開発を効率よく進めることが可能です。
JavaScriptの主なフレームワークは、以下の通りです。
|
特に「AngularJS」と「Vue.js」は人気が高く、JavaScriptのフレームワークとして有名だと言えます。
参考記事:【2023年版】JavaScriptフレームワークのおすすめは?初心者向けに一覧で紹介!
他言語と併用しやすい
JavaScriptは汎用性が高いため、Webアプリの開発時に他言語と併用することができます。
一般的には、Webアプリ開発時には「Ruby」や「Python」と併用して採用されることが多く、他の言語では対応しきれない複雑な部分をJavaScriptで補完するかたちで担うことがあります。JavaScriptを利用することで柔軟性が高い機能を加えられるため、JavaScriptはあらゆる場面で採用されやすい言語です。
JavaScriptの汎用性の高さから、JavaScriptの持つ柔軟性のある機能を最大限活用できる点はJavaScriptの特徴のひとつだと言えます。
JavaScriptでできること9選
JavaScriptは今やWebサイトを制作する上で必要不可欠なプログラミング言語であり、国内外問わずトップクラスの認知度を誇ります。実際に、私たちの身の回りにはJavaScriptで実装されているWebサイトやアプリケーションが様々存在しています。
そこで以下では、JavaScriptの特徴を踏まえて、JavaScriptでできることについて詳しく解説していきます。
高い認知度と人気を誇るJavaScriptの魅力やJavaScriptのメリットについても解説しているため、以下を参考にJavaScriptへの理解を深めていきましょう。
Webサイトに動きをつける
Webサイトのデザインは主にHTMLやCSSで作成されますが、これら2つの言語のみで作られたWebサイトは動きがなく単純なためユーザーの飽きを誘発する要因になります。そこでJavaScriptを利用することで、Webサイトに動きをつけることが可能です。
具体的には、JavaScriptを利用することで以下のようなサイト構築が可能です。
|
上記のような演出を行うことで、ユーザーはどこに注目するべきなのか明らかになるため閲覧がしやすく、様々なアニメーションによって飽きが来ないサイト作りを行えます。
このように、JavaScriptは読者の離脱率を低くするWebサイト作りができるため、ほとんどのWebサイトではJavaScriptが採用されています。
Webアプリ開発
JavaScriptは、Webアプリ開発に必要なフロントエンドとバックエンドのどちらも対応可能なため、Webアプリケーションの開発を行うことができます。
一般的に、フロントエンドとバックエンドの役割は以下の通りです。
種類 | 目的 | 内容 |
フロントエンド | Webアプリの使いやすさの向上 | サーバーとの通信の実装 |
バックエンド |
|
|
JavaScriptはWebサイト同様、フロントサイドとサーバーサイドのどちらの開発も可能です。そのため、ブラウザで動作可能なWebアプリケーションは、基本的にJavaScriptを初めとするHTMLやCSSを使用し開発ができます。
スマホアプリ開発
JavaScriptは、スマホアプリのうちハイブリッドアプリを開発することができます。
JavaScriptでは、AndroidOSやiOSにWebページを読み込んで表示させる「WebView」という仕組みを利用して開発を行います。
そのため、エディタを活用することでHTMLやCSSでのコーディングを必要とせず、アニメーションを使ったチャット機能やボタン機能を開発することが可能です。
また、JavaScriptはゲームの開発も可能です。ゲームログイン時のポップアップやイベント発生時のルール説明の表示方法などを定めることで、オリジナルのゲームを様々に開発することができます。
オリジナルのスマホアプリを開発できる点は、JavaScriptのメリットのひとつです。
リアルタイム通信
JavaScriptは非同期通信の技術によって、サーバーからの応答を待たずに次の処理を行えるため、リアルタイム通信が可能です。
この機能は主にGoogleマップの登場で普及した技術であり、Googleマップでは地図の場所を更新するたびにJavaScriptがサーバーにアクセスをして該当のデータを引っ張ることで表示がされます。
また、ネットショッピングのサイトでも同様の技術が利用されており「もっと見る」のボタンを押すことでページ内の他の商品が追加で表示されるようになります。
このように、JavaScriptは非同期通信の技術によって、ページの読み込みといった特定の処理を待たずに次の処理へ進むことができるため、リアルタイム通信が可能です。
ポップアップウィンドウの作成
JavaScriptでは、入力内容を確認する際や閲覧制限をかけたページのパスワード入力を求める際などにポップアップウィンドウを作成できます。
通常、JavaScriptの利用がなければサーバー側でチェックする必要があるため、JavaScriptで実装するよりも時間がかかってしまいます。そこで基本的には、ページ内の入力データに問題が生じていない場合にはJavaScriptを使用することで効率の良いチェックが可能です。
また、ポップアップウィンドウにJavaScript特有の動的デザインやアニメーションを加えることで視認性が高くなり、ユーザーの目を引くこともできます。このような機能を使って、ポップアップウィンドウで入力内容のエラーメッセージを出すことで、ユーザーの利便性向上が期待できるでしょう。
チャットボットの作成
JavaScriptでは、質疑応答やトークを行うためのチャットボットを容易に作成することができます。
現代では、人手不足や業務の効率化を補完するために、銀行やECショップなど様々な企業がチャットボットを採用しています。チャットボットがサイト内にあることで、企業の独自性を確保しつつユーザーの利便性向上に繋げられるため、チャットボットの活用事例は年々増加傾向にあります。
JavaScriptはサーバーサイドの開発も可能なため、開発時にはJavaScriptをサーバーサイドで動作させるためのプラットフォームである「Node.js」を利用することで開発が可能になります。
計算機の作成
JavaScriptは、計算機のアプリを開発できるだけでなく、ブラウザ上で計算機の機能を担うことができます。
ブラウザ上で計算機が必要なサイトは、主に旅行サイトや保険会社のサイトです。旅行サイトでは日にちや人数、宿泊数によって見積もりを行い、保険会社のサイトでは年齢や区分に応じた保険金額の見積もりの際に活用することができます。
また、ショッピングサイトのカウントダウン機能も上記の計算機能を活用しています。カウントダウン機能は、現在の日時データを取得し、そこから計算機を使ってカウントダウンタイマーを表示させています。
このようにJavaScriptを利用することで、複雑な計算機を作成することができます。
拡張機能の作成
JavaScriptは、ChromeやFirefoxといったブラウザの拡張機能の作成が可能です。
以下は、拡張機能でできる動作の一部になります。
|
プラットフォームによりますが、Googleの場合ですと拡張機能のひな形となるコードが公開されています。そのため、コードをカスタマイズすることで上記のように拡張機能を自由に作成することが可能です。
スプレッドシートとの連携
JavaScriptは、スプレッドシートと連携して、データを参照し自動で表やグラフを作成したり、入力方法やチェック方法の業務効率化を図ったりすることができます。
また、Googleが提供している「Google Apps Script(GAS)」というJavaScriptがベースとなったオリジナルスクリプト言語では、以下のような機能が作成可能です。
|
このように、JavaScriptは新しいツールやシステムを開発するだけでなく、既存のツールを使った作業効率の向上を担うこともできます。
JavaScriptができないこと
多くの利点があり幅広い分野で採用されているJavaScriptですが、JavaScriptが苦手とする分野もあります。JavaScriptが不得意な点は、主に以下の3つです。
|
JavaScriptは実行時にコンパイルを使用しないため、データ処理に時間がかかってしまい、他のプログラミング言語と比べて実行速度が遅い言語です。そのため、処理速度が求められる分野では不向きであり、JITコンパイラや非同期通信を使って高速処理を叶えることは可能ですが、それでもC系言語に及ばないのが現状になります。
また、機械学習やAI(人工知能)開発の分野ではPythonのライブラリの方が充実しているため、JavaScriptよりもPythonの方が向いているという結論になります。
さらに、JavaScriptはブラウザ上で作業をするため、GoogleやSafari、Chromeなどの種類やバージョンに影響を受けやすい点があります。そのため、きちんと動作しているか確認しながら実行する必要がある点は注意が必要です。
JavaScriptで作成された実例
JavaScriptは、Webサイトを動的に装飾したり、アプリケーションを開発したり、既存のツールと提携して作業の効率化を図ったりと、様々な用途があるプログラミング言語です。
以下は、JavaScriptで実際に作成されたWebサイトになります。
|
動的なアニメーションやエフェクトを駆使した企業サイトが多く、ユーザーを飽きさせない工夫が施されています。
また、他にも以下のようなツールやゲームを作成することも可能です。
|
シンプルなツールやゲームであれば、適したライブラリを使用することで数時間程度で作成可能なものもあります。特にゲームに関しては「Infinite Mario Bros」を除き、企業がJavaScriptを用いて開発することはほとんどなく、個人開発が主です。
JavaScriptを学ぶべき人とは
JavaScriptは文法がシンプルで、比較的学習しやすいプログラミング言語です。
そこで、JavaScriptを学ぶべき人とは、主に以下の通りになります。
|
JavaScriptはライブラリも豊富なため、習得することで幅広い分野や開発に携わることができます。そのため、まずは基本的なプログラミング言語を習得して、携われる分野を幅広く設けたいというプログラミング初心者には向いているでしょう。
また、JavaScriptを習得することで自身でWebサイトやスマホアプリ、作業効率向上のための機能開発を行うことができます。JavaScriptは個人の制作にも役立てられるため、十分学ぶ価値があると言えます。
JavaScriptの学習方法
JavaScriptは海外だけでなく、国内でもトップクラスの認知度と人気を誇るプログラミング言語です。そのため、学習に必要な教材や情報が豊富に存在しており、独学で十分学習できる環境が整っていると言えます。
そこで以下では、JavaScriptの効率的な学習方法について解説していきます。
基本文法を学ぶ
JavaScriptの学習は、まず基本文法を学ぶことです。
JavaScriptの文法は、HTMLやCSSと比べると複雑に感じることもありますが、比較的シンプルで初心者でも学習しやすい難易度になります。
JavaScriptの教材や情報はインターネット上や書籍にあるため、まずは入門書から始めてみましょう。特に「条件分岐」や「繰り返し」といった箇所は重要です。
次に、実際に学んだコードを書いてみる「写経」を行うことも効果的です。一行ずつ写経していくことで、自然と頭に残すことができるため、より効率的にコードを覚えられるでしょう。
実際にWebサイトを制作する
基本文法を学び、写経を通してコードを書けるようになったら、実際にWebサイトを制作してみましょう。実践を繰り返すことは、プログラミングを習得する上で大切なポイントです。
そこでおすすめなJavaScriptのライブラリが「jQuery」です。jQueryを利用することで必要なコードの量が少なく済むためハードルが高くなく、jQueryから初めてみる人も多いです。
計算機や拡張機能など、段階を踏んで実践を進めていき、慣れたらライブラリを使用せずJavaScriptのみで実装してみましょう。
JavaScript学習時の注意点
他のプログラミング言語と比べて学習しやすいJavaScriptですが、注意するべき点が1つあります。それは、JavaScriptを扱う上でセキュリティに関する知識を別途学習する必要がある点です。
JavaScriptは、ブラウザから誰でもソースコードを閲覧することができます。そのため、ログイン機能やシステムの基幹など、外部に漏洩できない箇所はJavaScriptで実装することができません。
そのため、セキュリティが必要な箇所は、JavaScriptとは別にセキュリティに関する学習をして知識を身につけておく必要がある点に注意しましょう。
JavaScriptの将来性
JavaScriptはWebサイトの構築に強く、Webサービスのフロントエンド部分は特に圧倒的なシェア率を誇っています。また「Node.js」の登場でバックエンド部分での活躍も目にするようになり、JavaScriptの需要はますます大きくなっていると言えます。
さらに、JavaScriptは汎用性の高いプログラミング言語です。
ブラウザとテキストエディタがあればすぐに開発を進められる手軽さも相まって、Webサイト分野ではJavaScriptと競合となる言語の存在がないのが現状です。
そのため、今後もJavaScriptの需要は安定的に伸び続けることが予想できるでしょう。
参考記事:Javascriptの将来性は抜群!? その理由や年収相場を徹底調査!
まとめ
JavaScriptは、Webサイトに動的な要素を付け足すことを目的に開発されたプログラミング言語です。
JavaScriptでできることは、以下の通りです。
|
JavaScriptを習得することで自身でWebサイトやスマホアプリ、作業効率向上のための機能開発を行うことが可能です。JavaScriptは個人の制作にも役立てられるため、十分学ぶ価値があると言えます。
また、JavaScriptは多くのWebサイトに利用されており今後も需要は安定的なため、JavaScriptエンジニアの将来性は明るいと言えるでしょう。