プログラミング言語「Kotlin」はアプリケーション開発などを中心に、近年注目を集めています。
Kotolinはアプリ開発を効率化したり、Javaとの互換性があるなど様々な特徴があります。
Kotlinの機能を最大限に発揮するためにも、フレームワーク選びは重要です。
本記事では、Kotlinについての基本的な情報から、その有用性や目的別に見たKotlinが使用できるフレームワークについてご紹介します。
各フレームワークの特徴についても解説しているので、ぜひ最後までご覧ください。
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アプリケーション開発の歴史
従来、複数のプラットフォームでのアプリケーション開発といえば、Javaが主流と言われていました。
Javaは1990年ごろに開発され、現在でも使用されることも多いプログラミング言語です。
2007年にはGoogleがアプリケーション開発にJavaを採用したAndroidを発表しました。
そのような中で、近年注目を集めるプログラミング言語が「Kotlin」です。
KotlinはJavaよりもコードをより早く記述できたり、コードの記述量も少なくて済むなど、今までよりも作業効率化を実現できる機能があります。
そのため、最近ではJavaに並んでKotlinが主要に使用されています。
Kotlinでできることは?
KotlinとはC#やJavaと同様にオブジェクト指向を取り入れた、2011年ごろに開発されたプログラミング言語です。
JVMというJavaの仮想マシン上で動作し、優れたプログラミング言語でJavaとの互換性の高さなど様々な特徴があります。
- Androidアプリケーションの開発
- サーバーサイドの開発
- Javaと互換性が強く、相互利用が可能
以上がKotolinが使用される主なケースと特徴です。
androidを中心としたアプリケーション開発
Kotlinは2017年にAndroid公式開発言語に追加されたこともあり、注目を集めました。
今ではJavaに並び、Androidアプリケーションの開発の代表的な言語となっています。
サーバーサイド開発
Javaから派生したKotlinはサーバーサイド開発も可能としています。
サーバーサイドとは「サーバー上で動く何か」を意味しています。
私たちは、スマホやPC(クライアント)を使用するとき、ネットを介してサーバーとやり取りが可能です。
サーバーには様々な情報が保管されており、私たちユーザーの操作に対して適切な解答や反応をしてくれます。
このサーバーの動きをより改善させたり、開発するのもKotlinなら可能です。
Javaとの相互利用が可能
KotlinはJavaと相互利用することができます。
JavaのコードをKotlinで使用することができるので非常に効率よく作業を進めることが可能となります。
KotlinはもともとJavaの長所を伸ばし、欠点を補うことを目的として開発されたプログラミング言語で、Javaとよく似ています。
Javaから派生したものでいうとScalaがあります。
Scalaも非常に優秀なプログラミング言語ですが、Javaとの相互利用ができるのはKotlinだけです。
Javaの知識があると幅が広がる
Javaの知識があると、Kotlinをより効率よく使用することが可能です。
先ほどお話しした、KotlinとJavaの互換性も大きく関係しており、KotlinとJavaをうまく併用するのが一般的でしょう。
使い方としては、より簡易的に使用できるKotlinでコードを記述して、Javaに変換することが多いです。
Javaが今も優れたプログラミング言語のため、アプリケーション開発にはJavaがまだまだ主流です。
Kotlinの習得にはJavaの知識が絶対に必要なわけではありませんが、より拡張性を持たせるのであればJavaの知識があるに越したことはありません。
目的の違いに合わせてフレームワークを選ぶ
Kotlinを使用できるフレームワークは複数の種類があります。
フレームワークとはシステム開発のプログラミングを効率的に行うための枠組みのことをいいます。
汎用的な機能群を多く含んでいるため、フレームワークを活用することでプログラミングにおける記述コードを最小限に抑えることが可能です。
フレームワークによっては軽量化に長けているものや、作業のシンプル化を追求しているものなど様々です。
目的や特徴の違いに合わせて、自分に合ったフレームワークを選ぶようにしましょう。
【2023年版】おすすめのフレームワーク
Kotlinを使用するのに、以下のおすすめフレームワークをご紹介します。
- Ktor
- Javalin
- Gradle
- Jooby
- Spring Boot
自分の使い方や目的に合ったものを選べるように確認していきましょう。
1.【Ktor】軽量かつ拡張性が欲しい
Kotlinnが開発するフレームワークです。
軽量でありながら、拡張性が高いことが特徴としてあげられます。
2018年にリリースされたばかりの最新のものですが、提供しているのがプログラミング言語の開発元なだけに、Kotlinとの相性も良好です。
androidアプリでもスムーズな処理が可能
Ktorの良い点としては「軽量」であることです。
Androidアプリなどの開発では、多くの処理をよりスムーズに行う必要があります。
Ktorは最低限の機能のみを搭載することで円滑な処理が可能。
軽量化を実現しながらも、Ktorほど十分な品質を保っているフレームワークはそう多くないでしょう。
拡張性が高く、自由な開発が可能
Ktorは拡張性が高く、エンジニアによっては様々な作業を可能とします。
一般的なフレームワークでは独自のルールがあることで、作業はシンプルだが拡張が自由にできないものが多く存在します。
Ktorではエンジニアによって自由に開発することができるので、幅広い活用が可能です。
Kotlinxライブラリ・APIによる作業効率化
Kotlinxライブラリはマルチプラットホームに対応する標準APIを公開しています。
これにより、automaticな操作でどのプラットフォームからも動作することが可能です。
また、コルーチンによる非同期処理を行い、プラットフォーム間のデータの共有なども行えます。
Kotlinxライブラリを活用すれば、従来からあるコードを利用することもできるので、作業の効率化にも役立つでしょう。
(Ktor 公式:https://jp.ktor.work)
2.【Javalin】KotlinとJavaを併用して使いたい
JavalinはKotlinとJavaの両方を使うことを想定したフレームワークです。
最近スポットライトを浴びているKotlinですが、Javaもまだまだ活用性が高いプログラミング言語です。
Kotlinはコードの記述がJavaに比較して簡単なため、作業効率化に関しては大きなメリットがあります。
しかし、Javaの方が汎用性も高く使い勝手がいい面もあるため、両者を併用することが可能なJavalinの需要も高くなっているのでしょう。
軽量かつシンプルな設計
Javaを使用するフレームワークは動作が重くなりがちですが、Javalinは非常に軽量です。
軽量化による処理速度の向上はWebアプリケーションの開発に非常に有利に働きます。
またJavalinはとてもシンプルな設計で、使用ルールもシンプルで使いやすいものになっています。
基本的なKotlinとJavaの操作が可能であれば、使用することが可能です。
必ず習得しないといけないというような概念がない分、使いやすい設計になっています。
Java・Kotlinの2つを相互運用できる
Javalinの名前通り、JavaとKotlinの2つを併用できるのも大きなメリットです。
本来であれば、言語ごとに対してフレームワークを導入しなければなりません。
Javalinでは若干のルールの違いはあるものの、KotlinとJavaの2つを並行して使用できるため、エンジニア側が言語を意識する必要がありません。
言語を気にせずに済むので、非常に有用性が高いポイントでしょう。
非同期モードが可能
Javalinは非同期リクエストに対応しています。
デフォルトでは同期モードとなっていますが、Futureを設定することで非同期モードに変更することが可能です。
Webアプリの効率の良い動作には、同期・非同期リクエストができることが大切です。
処理に時間がかかっても、待機が短くなることで結果的に使いやすさやユーザーの満足度の向上に繋がります。
(Javalin公式:https://javalin.io)
3.【Gradle】Javaの開発を効率化したい
Javaの開発を効率化しつつもKotlinを使いたいなら「Gragle」がおすすめ。Gradleも比較的新しいフレームワークですが、その機能性から需要は高く従来のフレームワークに負けない人気があります。もともとはJava開発の効率化をするフレームワークなのでGroovyなどの言語との互換性も高いですが、最近はKotlinも使用することが可能です。
インストールしていなくても作業が可能
本来であれば、フレームワークをインストールしていない状態では、適切に動作しません。いかにフレームワークでKotlinの開発を行っても、作業元にインストールされていなければ、動作しない恐れがあります。
しかし、Gradleではその心配はありません。Gradleには「Gradle Wrapper」と呼ばれる機能があります。これにより、Gradleがインストールされていない環境下でも適切な動作が可能です。作業や動作の確認に場所を選ばずに済むので、効率よく作業することができます。
文法が簡単で低コスト
GradleではKotlinの使用もできますが、最大限利用するためにGroovy言語の習得が必要になります。GroovyはJavaとの互換性にも優れており、非常に使い勝手のいいプログラミング言語です。加えて、低コストで学習・習得ができるのも嬉しいポイントです。
複数の言語に混乱する
Gradleを使用するには注意すべき点もあります。
それは「文法が曖昧なこと」です。JavaやC++ 、Groovyなど一定しない言語の記述を行うことで言語に混乱してしまい、システム開発をスムーズに進めることができません。大切なことは事前のルール決めです。複数人で使用する際に、事前に決まりごとを作っておけば、問題の発生を未然に防いだり、素早く対処することも可能でしょう。
(Gradle公式:https://gradle.org)
4.【Jooby】とにかく軽量化したい、Javaの知識や経験がある
JoobyはKotlinのフレームワークの中でもさらに軽量でマイクロフレームと呼ばれます。最低限の機能搭載により実現された軽量化ですが、その機能は申し分のないものになっています。
高速だが、超軽量な「マイクロフレーム」
Joobyはマイクロフレームと呼ばれるだけあって、超軽量です。
そのため導入もしやすいですが、様々な機能を搭載しているため、その他のフレームワークとは一線を書きます。
拡張性も良好であり、高度なレベルでの効率的な作業が可能となります。
Javaの知識・経験が活きる
Joobyでは型安全を重視しており、適切な開発を目指しています。
エンジニアとしては注意すべき点が増えますが、これによりコンパイル時に発生しやすいトラブルを少なくできるメリットがあります。
型安全はJavaで最重要視される考えで、これを理解するにはJavaに精通した知識や経験が必要です。
そのため、未経験者にはハードルが高かったり、学習コストが高くなったりするデメリットもあります。
しかし、Javaの知識があればある程度順応することも可能でしょう。
データ管理やコントローラの処理が大変
JoobyではMVCAPIを使用します。
MVCとはデータベースの情報の保存・更新・削除を常に最新の状態に保ち、ユーザーからのリクエストに反応するように設定された処理を行うことで、バグの防止や追加機能をどこに作るか明確にすることが可能です。
MVCモデルは非常に優秀な反面、データ管理やコントローラの処理が大変という面もあります。
(Jooby公式:https://jooby.io)
5.【Spring Boot】シンプルな設計
Spring BootはSpring Frameworkの問題点を改善及び修正して開発されたフレームワークです。
もともとJavaのアプリケーション開発によく利用されますが、Kotlinでも使用することが可能です。
独自のシンプル設計で作業が最小限で可能
Spring Bootは独自のスターター機能により、最小限の設定で簡単に始められます。
公式ホームページからクイックスタートによるガイドもあるため、参考にしてみるといいでしょう。
シンプルな設計で、記述コードも削減されており、エンジニアの負担が軽減されています。
古い歴史と成熟したコミュニティ
Spring Bootも歴史があるため、コミュニティが成熟しています。
コミュニティをうまく利用することで、最新の情報収集を行ったり、悩みを解決したりすることも可能です。
ぜひ、積極的に利用してみてください。
(Spring Boot公式:https://spring.io/projects/spring-boot)
Kotlinに最適なフレームワーク まとめ
Kotlinは近年注目される素晴らしいプログラミング言語ですが、最適なフレームワークを使用することで、自分の考える拡張性を持たせることも可能です。
Javaとともにアプリケーションやサーバーサイド関係の開発にこれからも必要とされるであろう言語であることは間違いないでしょう。
最後までご覧いただきありがとうございました。