Rustというプログラミング言語をご存知でしょうか?
Rustは、最近世界から注目を集めつつあるプログラミング言語です。
エンジニア職で働く人間が習得したいプログラミング言語として、Rust言語を選ぶほど、高い人気を誇ります。
今回の記事では、そのような世界から人気を集めるRust言語について深掘りしていきましょう。
Rust言語の特徴やできること、将来性、インストール方法まで解説します。
ぜひ、今後より需要が高まっていくことが期待されているプログラミング言語のため、この機会にRust言語の知識を蓄えていってください。
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Rust言語とは
そもそもRust言語とは、どのようなプログラミング言語なのでしょうか?
Rust言語は、オープンソースのプログラミング言語として、2006年に開発されました。
非常に高いパフォーマンスを誇るだけではなく、安全性の面においても圧倒的に優れていることから、AmazonやGoogle、Microsoftといった名だたるIT企業などでも活用されている事例があります。
中には、「Rustは、C言語の代わりになるような非常に優秀なプログラミング言語になりえる可能性がある」といった表現で、高く評価する人もいるほど認められています。
また、プログラミング技術に関するコミュニティなどを開催している組織であるStack Overflowが行ったアンケート調査でもRust言語は高い評価を得ています。
全世界の180の国を対象にアンケート調査が行われました。
7万人以上もの方から回答を得た結果「エンジニアなどの開発者が最も愛するプログラミング言語」として選出されているのです。
しかも、2022年まで7年もの間連続で選出されているということが素晴らしいです。
参照:「Stack Overflow Developer Survey 2022」
Rust言語の特徴
ここまでRust言語の概要について説明してきました。
それでは、Rust言語の特徴としてはどのようなものがあるのでしょうか?
下記の3つの項目に分けて解説していきます。
処理速度の速さ
まずは、処理速度が速いということが特徴としてあげられるでしょう。
プログラミング言語として、処理速度の速さは非常に重要です。
なぜなら、処理速度が遅いと、ユーザーがWebサイトを使用する際にページの読み込みを待つことができずに、離脱してしまう可能性が高まるからです。
前提として、RustはC言語を代替することを目標に開発されたプログラミング言語という背景があります。
よって、C言語に匹敵する処理速度になっており、他のプログラミング言語を圧倒する処理スピードなのです。
ちなみに、Cycles(サイクル数)とInstructions(命令数)という項目においては、なんとC言語の処理速度を上回るほどRustの処理速度は速いのです。
並行処理が可能
続いては、並行処理が可能という特徴があげられるでしょう。
Rustは、一度に複数の異なるプログラムを並行して処理できるというマルチスレッドに対応しているのです。
マルチスレッドには、タスクが完了するまでの時間が短縮されるというメリットがあります。
しかし、同時に、複数のスレッドから関数を呼び出す際にデータ同士が衝突して競合が生まれることや、デッドロック(2つ以上のスレッドが衝突して先に進めなくなること)になってしまうことなどのデメリットもあるのです。
C言語で上記のようなエラーを発生させないように、正確に並行処理を実行するためには、データ競合を避けるようにプログラミングを設定する必要があります。
しかし、Rustは変数の値を借りる際の厳密なルールがあるため、データ競合を防ぐことが容易に可能です。
よって、Rustのほうが、C言語よりも高いレベルかつ安全に並行処理をすることができると言えるでしょう。
安全性
続いては、安全性が高いという特徴があげられます。
Rustは、所有権(変数が値を所有できること)というメモリ管理のシステムがあるため、そもそも多重解放が発生することがありません。
しかし、C言語の場合は、メモリの解放やメモリリーク、バッファオーバーフローといったリスクを考慮しながら作業をする必要があるため、開発者としては負担がかかるでしょう。
そして、メモリの多重解放が発生すると、セキュリティに問題が起こってしまうのです。
よって、RustはC言語よりも安全にメモリを管理、運用していくことができるプログラミング言語と言えるでしょう。
Rust言語でできること
ここまで、Rustの特徴について解説してきました。
ここからは、特徴を活かして、Rust言語でできることについて紹介していきましょう。
Rustを使った開発事例
Rustを使ったシステム開発事例にはさまざまなものがあります。
たとえば、広告事業の配信サーバーやドライブレコーダーで動作するシステムの開発、法人向けのウォレットサービスのサーバー開発のプログラミング言語としての利用などがあげられるでしょう。
また、画像解析のアルゴリズムの開発や、採用マッチングプラットフォームサービスの開発、オンラインイベントサービスを扱うプラットフォーム開発、SNSマーケティングツールの開発にも応用されています。
今後、Rustでできることは広がっていき、多くの産業、業界、サービスの開発に携わっていくことが予測されるでしょう。
ウェブアプリ開発
Rustは、Webアプリケーションの開発にも活用されています。
RustはWeb用の多くのフレームワークが存在しているのです。
たとえば、Actix Web、Rocket、Warpなどです。
Rust言語のWeb用フレームワークで最新のものは2021年8月に発表されたAxumです。
これからも多くのWeb用フレームワークを制作して、Webアプリケーション開発者の助けになっていくでしょう。
今注目のRustとは?言語の特徴やフレームワークについて解説
ソフトウェア開発
ソフトウェアの開発にもRustは貢献することができます。
Rustは、C言語のような高水準言語であるにもかかわらず、メモリの管理を行うことができる貴重なプログラミング言語です。
また、機械語やアセンブリ言語と組み合わせて使用することも可能なため、CPUやGPUに直接命令を下すこともできる優れものという特徴があるのです。
Rustは、OSやドライバなどの低レイヤー・低レベルの処理を必要とするソフトウェア開発ができます。
コンピュータの具体的で詳細な処理までできるということです。
Webアプリケーション開発だけでなく、ソフトウェア開発にも重宝されるということがRustの魅力だと言えるでしょう。
また、Rustは実行速度が求められるソフトウェア開発にも非常に活用できます。
たとえば、囲碁や将棋などのゲームAI、検索アルゴリズム、競技プログラミングなどです。
実行速度はさまざまなシーンで重要視されるため、Rustも幅広い分野で活用が期待されることでしょう。
Rust言語の将来性
ここまで、Rust言語でできることを紹介してきました。
では、これからのRust言語の将来性はどうなっていくのでしょうか?
結論から申し上げますと、今後も非常に高い将来性になってくると言えるでしょう。
なぜなら、現時点で米国のMicrosoftやAmazon、Googleなどの大手企業がRust言語を積極的に採用しているためです。
さらに、上記の項目でも紹介したように、プログラミング技術に関するコミュニティなどを開催している組織であるStack Overflowが行ったアンケート調査でエンジニアに愛されるプログラミング言語としてRust言語はランクインしていることも理由の一つです。
今後は、Rust言語を活用した開発の案件が増えていくことが予測されています。
よって、エンジニアとしても将来Rust言語が伸びていくことを予測して、早めに学習して対策をとることがおすすめです。
Rustの歴史
続いては、Rustの歴史を見ていきましょう。
Rustは2006年から開発が始まり、C言語に取って代わるような新時代のプログラミング言語を開発するためにプロジェクトがスタートしました。
2010年に初めてリリースされ、2016年から2022年まで7年間、Stack Overflowが行ったアンケート調査でエンジニアに愛されるプログラミング言語としてRust言語はランクインしているほど人気なのです。
Rustの優位性
続いては、Rustの優位性について紹介していきましょう。
RustはC言語の上位互換を目指して開発されたため、非常に高速でメモリ効率が高いことが魅力です。
また、メモリの安全性とスレッドセーフ性が保証されていることにより、コンパイルの際に多くのクラスのバグを排除することができるのです。
さらに、優れたドキュメントやエラーメッセージ機能が搭載されているなど、生産性が高いという特徴もあります。
今後もRustの優位性を発揮して、さまざまなプロジェクトで活用されていくことでしょう。
Rust言語の始め方
ここまで、Rustの将来性や歴史、優位性などについて見てきました。
Rustがいかに優れたプログラミング言語か理解していただけたと思います。
それでは、実際にRust言語を始めたいというときに、どのような手順が必要なのでしょうか?
下記項目で紹介していきましょう。
インストール方法
まずは、インストール方法ですが、公式サイトからインストールします。
https://www.rust-lang.org/ja/tools/install
使用するPCの環境が32-Bitか64-Bitかによって、インストールするものが異なるので注意しましょう。
ここからはWindowsとMacに分けて見ていきます。
Windows
WindowsでRustを起動するためには、C++のビルドツールが必要となります。
今回は、ビルドツールのインストール方法は省略して進めていきましょう。
まず、Rustのインストーラーを実行します。
コマンドプロンプトの1番を選択し、デフォルトでインストールしましょう。
エンターキーを押して終了です。
続いては、インストールを確認していきます。
コマンドプロンプトを起動した後に、「rustc--version」を入力しましょう。
バージョンが表示されたら、インストール完了の印です。
Mac
続いては、MacでRustをインストールする方法を見ていきましょう。
まずは、ターミナルから「curl https://sh.rustup.rs -sSf | sh」というコマンドを入力して実行します。
次に入力が求められるので、「1」を入力しましょう。
そして、ターミナルを立ち上げて下記の通りにコマンドが利用できるかを確認できれば完了です。
rustc --version
rustup --version
cargo --version
まとめ
いかがでしたか?
今回は、Rust言語とはそもそも何か、特徴や具体的な活用方法、将来性、歴史、優位性、実際に利用開始する際のインストール方法などについて詳細に解説してきました。
Rustは、C言語に取って代わるくらいの高水準言語となることを目指して開発されました。
そして2016年から2022年の7年間、Stack Overflow Developer Surveyというアンケート調査において「エンジニアなどの開発者が最も愛するプログラミング言語」として人気を博しているのです。
Rustを開発した担当者からすると、Rustをわが子のように思い、わが子が世界中から愛されているという喜びをかみしめているでしょう。
Rustは、速度処理が速く、並行処理も可能で安全性も高いという優れた機能を持っています。
そして、Webアプリケーションの開発だけでなく、ソフトウェアの開発にも重宝されるほど多方面で活躍しています。
今後は、あらゆる分野でRustが活用されていくことが予測されるでしょう。
だからこそ、現時点からRustについて学習して、将来需要が高くなるRust言語をマスターしていくことで、自分の仕事の幅が広がっていきます。
ぜひ、あなたのスキルアップに役立つ記事になっていれば幸いです。