COBOLとは?フリーランスの仕事内容や年収相場、案件を獲得するための方法を解説!

「COBOLのフリーランスエンジニアとして独立したい」

「COBOLのプログラミング言語って稼げるの?」

上記のような疑問を持っているあなたに、今回はCOBOLについて詳しく解説していきます。

フリーランスエンジニアとして独立したときの、年収や仕事内容、案件を獲得するにはどのようにすればよいかという方法まで紹介するので、参考にしていただければと思います。

また、COBOLの特徴やできること、開発事例、将来性についても言及していくので、COBOLに対して理解を深められるでしょう。

COBOLをマスターして、ぜひあなたの今後のキャリアプランを広げていってください。

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COBOLとは

PCに書かれたソースコード

COBOLとは、証券や銀行、保険会社などの金融業界でシステム開発のために使用されているプログラミングです。

COBOLは、Common Business Oriented Languageの略称です。

1950年代にアメリカにて開発された、歴史のあるプログラミング言語となっています。

1950年代はプログラミング言語は存在していたものの、今以上にプログラミング言語の内容を理解することは難しい状態でした。

また、事務処理で使用するためのプログラミング言語、特に金額計算の際に簡単にソースコードを記述できるものがなく、事務処理用のプログラミング言語の需要が高まっていました。

そのような中で、COBOLは事務処理用の高級言語として制作され、人間が理解しやすいような設計になっています。

プログラミング言語の入門として、初心者が学習を始める際に最適だったこともあり、全世界に利用者が拡大していきました。

よって、これからプログラミング言語を学びたい未経験者の方や、新しくプログラミング言語を吸収していきたいベテランのエンジニアの方にもおすすめのプログラミング言語です。

2023年3月時点の人気プログラミング言語指標としてTIOBEが発表したランキングでは、23位にランクインする結果となっています。

1950年から存在している言語にも関わらず、人気プログラミング言語ランキングに入っていることは素晴らしいと言えるでしょう。

出典元:

https://www.tiobe.com/tiobe-index/

金融機関や政府組織などミスが許されないような厳格な業界で利用されることが多く、COBOLの信頼性は高いです。

また、英語に近い記述でソースコードを書いていけるため、プログラミング言語の中では読みやすく書きやすいので扱いやすいです。

COBOLの特徴

PC画面のソースコード

では、COBOLの特徴にはどのようなものがあるのでしょうか?

下記の項目に分けて解説していきます。

オブジェクト指向

まずは、オブジェクト指向だという特徴です。

COBOLは、大量のバッチ処理に向いており、金融業界に使われることが多いです。

プログラムをロードする際に、メモリ領域を静的に確保することができます。

COBOLは、1950年代に開発された汎用プログラミング言語ですが、2000年代にオブジェクト指向にも対応できるようになりました。

クラスメソッドの定義や動的なインスタンス化も可能です。

オープン環境で使用されるため、OPENCOBOLと呼ばれることもあります。

可読性が高い(初心者向け)

続いては、可読性が高く、初心者向けであるという特徴です。

COBOLは、プログラミング言語やITに詳しい専門家ではなくても、理解できるような英語に近い構文やコマンドを採用しています。

デメリットとしては、プログラムが冗長になってしまうことです。

しかし、デメリットを凌駕するほどに可読性が高いというメリットがあります。

よって、プログラミング言語に詳しくない初心者の方でも、COBOLを使用していればソースコードを修正したり、追加したり、削除したりといった作業が可能になります。

信頼性、保守性が高い

続いては、信頼性、保守性が高いという特徴です。

COBOLは、ATMのトランザクションや金融機関の事務処理用のプログラミング言語として使用できるため、信頼性が高いと言われています。

また、1950年代から現在まで使用されているCOBOLは保守性が高いというメリットもあります。

通常、プログラムを保守する際は、地道な作業を繰り返したり、専門知識を駆使したり、非常に多くの人員と手間がかかってしまうものです。

しかし、保守性が高いCOBOLを使用することで、企業側の人件費や作業の負担を軽減していくことができます。

金融業界向け(計算処理が得意)

続いては、金融業界向けで計算処理が得意という特徴です。

COBOLは、もともと電子計算処理をすることを目的に開発されたプログラミング言語です。

従業員の給与計算、事務処理や大規模な数値計算など、十分な十進演算機能が実装されています。

10進固定小数点で数字を丸めることで誤差を制御しています。

通常のコンピュータだと2進法を採用しているため、人間にはわかりずらい形式となってしまいます。

しかしCOBOLは2進化10進法で演算を定義するため、四則演算の計算をわかりやすく表現できるのです。

また、通常はデータ項目に対して、浮動小数点を扱う場合、余剰分は切り捨てるのが一般的ですが、COBOLは小数点以下を切り捨てずに定義することができます。

証券会社や銀行、保険会社などの金融業界で重宝され、誤差がなく大規模数値の計算ができるという強みを活かしてCOBOLは活躍しています。

現在のATMトランザクションのほとんどすべてや業務システムの60%以上がCOBOLで稼働しているのです。

COBOLで数値を計算することで、人間にとってわかりやすく、ミスが発生する可能性が少ないという魅力があります。

さまざまなコンピュータで使用できる

続いては、さまざまなコンピュータで使用することができるという特徴です。

COBOLはOSに依存することなく、Windows、Linux、Unixなどのコンピュータで使用することができます。

また、あるOSから別のOSへ移植することも可能なため、柔軟性の高さもポイントです。

たとえば、Windowsで作成した成果物をもう一度Linuxで最初から作成し直すという手間を省くことができるメリットがあげられます。

途中まで作成したデータをそのまま移植できることは、作業者に救いの手を差し伸べるようなありがたい機能だということが言えるでしょう。

COBOLでできること

未来の世界観

ここまで、COBOLの特徴について見てきました。

では、COBOLでできることはどのようなものがあるのでしょうか?

まずは、金融機関や政府機関の事務処理を行うことができます。

もともとCOBOLは事務処理用のプログラミング言語として開発されたため、事務処理は得意分野です。

金融機関や政府機関がこれまでずっとCOBOLを使用している理由は、桁が大きい大規模な数値計算が得意だからです。

また、処理の性能も高いため、誤差やミスが発生する確率が低く信頼できます。

コンパイラやハードウェアを組み合わせることで、Javaを凌駕するほどの高い処理能力を持っていることもCOBOLの魅力であると言えるでしょう。

また、四則演算などの計算処理を行うこともできます。

COBOLは四則演算の計算を、人間が理解しやすいように10進数の演算で定義することが可能です。

通常のコンピュータであれば、0と1という2つの数値しか使用することができず、必然的に2進数での計算処理となってしまいます。

ただし、2進数で計算処理をした後に、出力する際は10進数で画面に結果を表示する必要があります。

2進数から10進数に変換をする際に、ミスや誤差が生じる確率が非常に高いのです。

正確に計算を行うことが難しいというデメリットを解消するために、COBOLでは最初から10進数で演算処理をできるように設定がされています。

また、帳票出力などの項目から作成することも可能です。

帳票とは、会社の取引履歴や会計履歴などが記されている、情報記録書類のことを指します。

会社の経営に関わる書類のため、非常に慎重に保管されなければなりません。

COBOLを使用することで、帳票で何を出力するべきで、何を出力しないべきかという選択を項目で定義することができます。

また、帳票を印刷する際のフォーマットを指定することも可能です。

右寄せか左寄せか、空白を入れるかどうかといった詳細な設定もプログラミングして指定できます。

よって、COBOLは金融機関システムや政府機関の書類作成を行う際に、非常に重宝されるプログラミング言語となったのです。

さらに、COBOLは莫大なデータ量を一括で処理することもできます。

バッチ処理機能が優れているCOBOLは、100万件の情報量を一気に処理することも容易です。

また、一気に莫大なデータを処理しても、メモリを大量に消費するわけではないのも魅力だと言えます。

反対にJavaで計算処理を行うと、その都度メモリを大量に消費してしまいます。

よって、COBOLはバッチ処理を利用し、大量データを一括処理ができるからこそ、事務処理や計算処理といったシーンで利用されることが多いのです。

COBOLを使った開発事例

夜に輝くPC

ここまでCOBOLがどのようなことができるかを解説してきました。

では、実際にCOBOLを使った開発事例にはどのようなものがあるのでしょうか?

まずは、金融機関の業務システムでCOBOLが利用されています。

銀行や証券、保険会社などの業務システムは、計算処理の正確さやスピードが求められ、COBOLを非常に重宝しているのです。

COBOLによって、計算処理が自動で行えるようにプログラミングすることができました。

続いては、政府機関などの行政システムでCOBOLが用いられています。

なぜなら、COBOLは計算処理はもちろん、莫大なデータを一括で処理することも得意だからです。

行政のシステムは非常に煩雑で情報量が多いため、いかにデータを素早く処理できるかが求められます。

莫大なデータを処理するような業界で、COBOLは魅力を発揮します。

企業の基幹システムでもCOBOLは利用されます。

COBOLの強みとして、プログラミングが容易で初心者の方でも読みやすく書きやすいという点があげられます。

よって、企業の担当者でも、慣れることができれば問題なくCOBOLを使用できるでしょう。

ソースコードを書く人によって、クオリティに差が発生しにくいため、企業の基幹システムに利用されているのです。

飲食店やホテルの予約システムにもCOBOLが利用されています。

飲食店でもホテルでも、次々と予約が埋まっていくなかで、予約状況を従業員が手動で管理していくのは明らかに現実的ではありません。

たとえば、予約するユーザーによって確保するホテルの部屋も違ったり、飲食店で料理のメニュープランも違ったりと煩雑になりがちです。

よって、COBOLを使用して大量のデータや煩雑な金額計算を自動化していくことが付加価値となります。

COBOLの将来性

プログラミング言語を書いたPC画面

では、COBOLの将来性はどうなっていくのでしょうか?

COBOLは1960年ごろから存在しているプログラミング言語であるため、歴史が古く将来性に不安を感じる方も多いでしょう。

しかし、現在多くの金融機関や行政機関、企業の業務システムなどでCOBOLは活用されています。

よって、今あるシステムの保守作業をすることは避けては通れないため、需要がなくなることはありません。

COBOLは1950年の当初から進化を続けています。

たとえば、1959年に開発されたときは汎用プログラミング言語でしたが、2000年代にオブジェクト指向にも対応できるようになりました。

そして、今後も進化を続けていくことが考えられます。

現状、COBOLをマスターしているエンジニアは少なく、需要に対して供給が不足しています。

だからこそ、今後COBOLのエンジニアを目指す方は需要が高く、将来性があると言えるでしょう。

注意点としては、COBOLで開発したシステムを他のプログラミング言語に置き換えていく企業も少なくないという点です。

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COBOLフリーランスエンジニアの仕事内容

仕事をする男性

では、COBOLフリーランスエンジニアの仕事内容を見ていきましょう。

COBOLエンジニアの仕事内容として、まず既存のシステムの機能追加や改修といった作業があげられます。

証券、銀行、保険会社などの金融機関や行政機関、一般企業のシステムは制度や法律の改正によって頻繁に改修していく必要があります。

さらに、商品やサービスを扱っている企業は新商品を追加したり、撤退する商品を削除したりという作業が求められます。

そのような中でCOBOLエンジニアが要件定義や基本設計、開発、テスト、リリース、保守といった上流から下流まで一連の流れを任されるのです。

よって、システム改修や機能の追加削除が主な仕事内容となります。

さらに、オープンシステムやクラウドシステムへ移行する際の業務を任されることもあります。

近年、コスト削減のために、LinuxやWindowsサーバーなどのオープンシステムやAWSなどのクラウドシステム上に移行する流れがあるためです。

常駐エンジニアとフリーランスエンジニアの年収の差

PCを触る手

では、常駐エンジニアとフリーランスエンジニアの年収の差を見ていきましょう。

正社員で働いた場合の常駐COBOLエンジニアの平均年収は、約550万円です。

20代で約373万円、30代で約509万円、40代で約605万円、50代以上は約701万円となっています。

一方でフリーランスのCOBOLエンジニアの平均年収は、約625万円となっています。

最低年収が約240万円で、最高年収が1,800万円と幅が広いです。

(出典元: フリーランススタート

年収ベースで見ると、正社員で働いた場合よりもフリーランスで働いた場合のほうが約80万円ほど高くなることがわかります。

ちなみに、フリーランス求人のCOBOLエンジニアの案件の単価を見ると、平均月額単価が約52万円、最高月額単価が150万円、最低月額単価が20万円となっています。

よって、報酬面を重視して今後働いていきたいのであれば、フリーランスとして働くことをおすすめします。

フリーランスエンジニアで年収2,000万円は可能?達成可能な言語や相場を解説

フリーランスエンジニアの単価相場は?単価の上げ方と高単価案件の見つけ方をまとめて解説

COBOLエンジニアの求人数・案件数

PCとメモ

では、フリーランスのCOBOLエンジニアとして働く場合の案件数を見ていきましょう。

「エンジニアスタイル」でCOBOLの案件を調べた結果、3,018件ヒットしました。(エリア:全国)

https://engineer-style.jp/jobs/cobol

「フリーランススタート」でCOBOLの案件を調べた結果、3,889件ヒットしました。

https://freelance-start.com/

フリーランスエンジニア専用のエージェントサイト「レバテックフリーランス」でCOBOLの案件を調べた結果、約320件ヒットしました。

レバテックフリーランスは、非常に多くの求人を扱っているITフリーランスのためのエージェントサイトとなっています。

案件の規模が大きいことで有名で、あなたの希望や条件に合った案件を見つけることができるはずです。

大手企業の案件も多く、高単価案件を獲得したい方におすすめだと言えるでしょう。

https://freelance.levtech.jp/

COBOLは、全国検索だと案件は多いのですが、エリアを絞るとそこまで案件数が多くないのかもしれません。

フリーランスエンジニアのメリット・デメリットを解説!会社員エンジニアとの違いは?

【高単価/週3案件】フリーランスエンジニアが週3日の仕事を探す方法!おすすめの案件の探し方・サービスも徹底紹介!

COBOLエンジニアが案件を獲得するためには

画面いっぱいのソースコード

では、フリーランスエンジニアとしてCOBOLの案件を獲得するにはどのようにすればよいのでしょうか?

まずは、フリーランスエンジニアの専用エージェントに登録しておくことを推奨します。

なぜなら、非常に高いスキルや貴重な経験値があったとしても、自分でクライアントを探すために営業をかけていくことは大変だからです。

さらに、効率も悪いし、手間や時間もかかります。

実際に、フリーランスエンジニアとして独立した後、自分で営業をかけて案件を獲得することができずに、フリーをやめる人が多くいらっしゃいます。

自分で営業をかけることが難しいのであれば、フリーランスエンジニア専用エージェントや代理店を利用することがおすすめです。

フリーランスエンジニアとして活躍していくためにも、自分の仕事の作業時間を確保することが大切です。

だからこそ、仕事を獲得するために、エージェントサイトを利用して工数を削減することが必要なのです。

フリーランスになったからといって、「営業も作業もすべて自分ひとりでできると」いうように意地を張ることなく、フリーランスエンジニア専用エージェントを利用することをおすすめします。

さらに、前の職場などの人脈をたどって、仕事をもらうことも非常に大切です。

SNSで知り合いを作ったり、独立前の仕事仲間から仕事をもらったりするなど、決してすべて一人でやると強がらずに柔軟性を持って、営業をかけていきましょう。

また、SNSを活用して案件を探すことも可能です。

理由としては、SNSにはフリーランスエンジニアが集まるコミュニティがたくさんあるからです。

たとえば、COBOLの学習方法を聞いたり、COBOLのフリーランスとして活躍するにはどのようにすればいいかを聞いたりすることもできます。

SNSで「自分はCOBOLのフリーランスとして活動している」というアピールをしていくことで、企業の方が発見してくれて、仕事を依頼してくれる可能性もあります。

求人を選ぶポイントとしては、「理想とする働き方かどうか」「案件の報酬が見合っているか」「スキルや経験に合っているか」という3つのポイントを意識しましょう。

自分の求める報酬額ではない場合、仕事のモチベーションアップにもつながらず、成果物の成果も下がってしまいます。

よって、ベストは大手企業の案件や直請け案件、上流工程の案件をもらうことです。

また、自分の希望する条件に合っていないとうまく成果を出せないでしょう。

たとえば、リモートワーク、週2回勤務、フレックス勤務などの条件面は働いていく上で理想とする項目です。

条件面をないがしろにした場合、後々自分の選択に疑問を感じ、仕事を投げ出してしまう恐れもあります。

きちんと、仕事を獲得する前に「どのような働き方を希望するか」を自己分析する必要があるのです。

さらに、自分のスキルや経験を活かせるかどうかも大切です。

たとえば、これまでリーダーとして部下を指導・育成してきたのであれば、リーダーシップを発揮できるマネージャーのような立場の案件を獲得するのがよいかもしれません。

また、これまで一人でコツコツとソースコードを書き続けて、「処理が速い」と評判だったのであれば、一人で作業でき、生産性を高めていける案件を探すべきです。

自分の向いている方向と別の案件を受注した場合、実力が発揮できずに苦労する危険性があります。

だからこそ、自己分析や業務の棚卸しをして、自分に最適な案件を獲得するようにしていきましょう。

フリーランスエンジニアが行うべき「8個の営業方法」と「6つのコツ」を徹底解説!【2023年最新版】

まとめ

PCとコーヒー

今回は、フリーランスエンジニアとしてCOBOL案件の仕事内容や年収、どのように案件を獲得すればよいかという方法まで解説してきました。

また、COBOLの特徴やできること、開発事例、将来性についても言及してきたので、COBOLに対して理解を深められたのであればうれしいです。

COBOLは非常に長い歴史があるプログラミング言語です。

今後需要がなくなっていくという懸念もありますが、需要が0になることはありません。

既存のシステムの保守作業など、COBOLの活躍する場は多くあります。

フリーランスエンジニアとして安定して高い報酬を稼いでいくためにも、COBOLというプログラミング言語をマスターして、仕事の幅を広げていきましょう。