「CSSって何のためにあるの?」
「CSSなんて使わなくても別に良くない?」
と思っている方もいるのではないでしょうか。
CSSは、Webページのデザインを設定するための言語です。
CSSがなくてもWebページは作れますが、あったほうがメリットが大きいでしょう。
Web制作やWeb開発をするエンジニアには、必須の言語です。
この記事では、CSSについて下記の内容をお伝えします。
- できること
- 特徴
- メリット・デメリット
- 学習方法
この記事を読めば、Webページを作るときにCSSを使ったほうが良いと思えるでしょう。
Webページ制作をする人や、CSSの使用メリットが知りたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
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CSSとは
CSSは「Cascading Style Sheets」の略です。
スタイルシートと呼ばれることもあります。
CSSはWebページの装飾をするためにデザインを指定する言語です。
CSSでできること
CSSでできることは下記の3つです。
- Webページを装飾する
- HTMLをシンプルにする
- アニメーションをつける
それでは、順に解説していきます。
Webページを装飾する
CSSを使用すれば、Webページを好みのとおりに装飾することが可能です。
文字が並んでいるだけのページより、文字の大きさや色などが変わっていたほうがメリハリができて、見やすかったり、わかりやすかったりします。
また、色やフォントなどを工夫することで、Webサイトを使って企業のコンセプトやイメージを視覚的に伝えることもできるでしょう。
HTMLをシンプルにする
CSSを使用することで、HTMLのソースコードがシンプルになります。
一昔前までは、HTMLにデザインのためのコードを書いていましたが、デザイン部分をCSSに移動させることで、HTMLをすっきりさせることが可能です。
そして、HTMLがシンプルになったことで、メンテナンス性も上がりました。
アニメーションをつける
近年、CSS3を使うことで、CSSでアニメーションを実現することが可能になりました。
たとえば、文字がふわっと浮き出てきたり、マウスオーバーでボタンがへこんだりといった、簡単なアニメーションであれば、プログラミングをしなくてもCSSだけで表現できます。
アニメーションをつけることで、Webページに遊び心や新たなエッセンスが加わり、他のサイトとの差別化を図ることができるでしょう。
CSSの特徴
次にCSSの特徴を見ていきましょう。
CSSの特徴は下記のとおりです。
- 構成は3つだけ
- HTMLとの組合せで使われる
- フロントエンドエンジニアなら必須の言語
- 実はフレームワークがある
- CSSのスタイル記述箇所は3種類ある
それでは、それぞれの特徴について順に解説していきます。
構成は3つだけ
CSSは下記の3つで構成されています。
- セレクタ
- プロパティ
- 値
「セレクタ」は、セレクト(選ぶ)のとおり、どの部分にスタイルを適用させるかを示します。
「プロパティ」は、何を適用させるかを指定する要素です。
文字サイズや文字色などがプロパティにあたります。
「値」は、プロパティに対して、どのように変更するかを指定する場所です。
たとえば、「ヘッダの背景色を青にしたい」場合は、「セレクタ=ヘッダ、プロパティ=背景色、値=青」というようになります。
なお、3つの要素の記述方法は下記のとおりです。
セレクタ {
プロパティ: 値;
}
代表的なプロパティ
ここで、代表的なプロパティをご紹介します。
プロパティ名 | 適用するもの |
---|---|
font-family | フォントの種類 |
font-size | 文字のサイズ |
font-weight | 文字の太さ |
background-color | 背景色 |
background-image | 背景の画像 |
この他にも、たくさんのプロパティがあります。
CSSを使えば様々なデザインを作ることができるので、徐々に覚えていきましょう。
HTMLとの組合せで使われる
CSSは単体での需要はありません。
Webページを作るためのHTMLとセットで使われます。
HTMLファイル側から、適用させたいスタイルが記述されたCSSファイルをリンクで指定して使うのが一般的です。
フロントエンドエンジニアなら必須の言語
フロントエンドエンジニアは、Webサイトの見た目部分を作るのが仕事です。
主にHTMLを使ってコーディングするので、Webページの装飾のためにCSSもあわせて使用します。
また、Webデザイナーも美しく見やすいWebデザインを実現するために、CSSを使うこともあるでしょう。
実はフレームワークがある
実は、CSSにもフレームワークがあります。
フレームワークの利用で、デザイン性の高いWebページも簡単に作ることが可能です。
フレームワークを使えば、少ない知識でも見栄えのするWebサイトを作ることができるようになるため、難しいと思われていたWeb制作のハードルも下がることでしょう。
CSSのフレームワークについて詳しくしりたい方は、こちらの記事もご覧ください。
CSSのスタイル記述箇所は3種類ある
CSSのスタイル記述箇所は、1箇所ではありません。
記述箇所には下記の3種類があります。
- 外部ファイル
- HTMLファイル内
- インライン(タグの中)
それぞれの記述箇所の特徴について順に解説していきます。
外部ファイル
外部ファイルは、メモ帳などのテキストファイルにスタイルを記述し、拡張子を「.css」としてCSSファイルを作ります。
適用したいスタイルが記述されたCSSファイルのURLをHTMLで指定すれば、該当のWebページに装飾をほどこすことが可能です。
CSSが外部ファイルになっていることで、複数のWebページから1つのスタイルを参照することができるため、メンテナンス性が高くなります。
外部ファイルを作ることでシステム全体のファイルの数は多少増えますが、HTMLファイルがすっきりするため、おすすめの方法です。
HTMLファイル内
HTMLファイル内にCSSを記述することも可能です。
特定のページのみ適用したいスタイルがある場合に、HTMLファイルのヘッダー部分に書くことがあります。
複数ページに同じスタイルを適用する場合は、HTMLファイル内に書くとメンテナンス性が悪くなるのでおすすめできません。
インライン(タグの中)
インライン形式は、HTMLのタグの中に直接スタイルを記述する方法です。
たとえば、1つの文章を強調するために文字色を変えたいときなどに使えます。
適用させたい要素に対して、スタイルを直接指定するので、直感的にはわかりやすいでしょう。
しかし、他の文章も強調させたい場合、その都度スタイルを記述する必要があるため非効率です。
たとえば、強調する文章は「サイズ20pxの赤文字」で記述すると決めていた場合、強調したいすべての箇所に「文字色=赤、フォントサイズ=20px」と指定することになります。
このようなインラインの記述をしてしまうと、「文字色を赤ではなくピンクにしたい」という要望があった場合、強調しているすべての箇所を修正することになるので、あまりおすすめはできません。
CSSを使用するメリット
CSSを使用するメリットは下記のとおりです。
- 統一感のあるWebサイトが作れる
- メンテナンス性が向上する
- HTMLとの役割を分担することができる
- HTMLファイルが軽くなる
- レスポンシブWebデザインで作れる
これらは、主に外部ファイルでのスタイル適用の場合を想定したメリットです。
それでは、それぞれのメリットについて順に説明していきます。
統一感のあるWebサイトが作れる
スタイルが決まっていることで、デザインに統一感のあるWebサイトを作ることができます。
あらゆる要素に対して、あらかじめ適用するスタイルのルールを決めておけば、どのページを見ても同じコンセプトのページになるため、誰が作っても同じ雰囲気のページを作ることが可能です。
HTMLとの役割を分担することができる
HTMLにはWebページの構造を記述し、CSSにはデザインを記述するというように、役割を明確にすることができます。
HTMLにデザインの記述まで入れてしまうと、情報(ユーザーの目に入る文章など)の構造がコンピューターにとってわかりにくくなってしまうでしょう。
コンピューターへのわかりにくさは、検索エンジンへのわかりにくさに直結します。
いくら良質な内容が書かれていても、検索結果の上位に表示されないと、そのWebサイトは人に見られることがありません。
役割分担をしてHTMLをシンプルな構造にすることで、検索エンジンにも理解されやすくなるでしょう。
メンテナンス性が向上する
CSSをHTMLから切り離すことで役割分担できるだけでなく、メンテナンス性も上がります。
外部ファイルにすることで、スタイルの共通化が可能になり、修正箇所が少なくて済むことは、エンジニアにとって大きなメリットです。
HTMLファイルが軽くなる
すべての要素に対して直接スタイルの記述をするより、共通化されているほうがHTMLファイルのサイズが小さくなります。
HTMLファイルの軽量化によりWebサイトの操作性が上がることも期待できるでしょう。
レスポンシブWebデザインで作れる
CSSを利用することで、レスポンシブWebデザインにすることができます。
レスポンシブWebデザインとは、パソコンやスマホ、タブレットなど様々なデバイスの画面サイズに応じてCSS(デザイン)を切り替えることで、HTML(表示情報)は1つだけで対応できるデザインです。
パソコン用、スマホ用でHTMLを分けて作ってしまうと、メンテナンス性が悪くなるだけでなく、それぞれのURLが変わってしまいます。
URLが変わるということは、別のページという扱いになるため、検索エンジンの評価(SEO効果)も良くありません。
第三者にページを教える場合も、URLが2種類あると不便です。
CSSを使ってレスポンシブWebデザインのサイトが作れれば、様々な面でメリットが大きいでしょう。
CSSを使用するデメリット
CSSを使用することにより、下記のようなデメリットもあります。
- ブラウザによって表示が変わる
それでは、デメリットについて説明します。
ブラウザによって表示が変わる
CSSのデメリットは、万能ではないところです。
Google Chrome、Microsoft Edge、Firefoxなど、Webブラウザには様々な種類がありますが、CSSのプロパティのなかには、一部のブラウザに対応できないデザインがあります。
特定のブラウザではきれいに表示できたのに、別のブラウザでは画面の一部分だけスタイルが適用されていないということがあり得るのです。
また、古いWebブラウザのなかには、CSSが未対応のものもあります。
そのため、Webシステムを作る場合は、対象となるWebブラウザを絞って作ることが多いです。
CSSの学習方法
CSSの習得は比較的簡単にできます。
基本的なことなら、独学で十分に理解できるでしょう。
CSSの学習方法を4つご紹介します。
- 先にHTMLを理解する
- 書籍で学習する
- Webサイトで学習する
- Webページを真似してみる
それでは、学習方法について順に説明していきます。
先にHTMLを理解する
CSSはHTMLと一緒に使われます。
CSSを学習する前に、まずはHTMLについて理解しましょう。
HTMLの学習方法について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
書籍で学習する
書籍で学習する場合は、HTMLとCSSを同時に学べるものを選ぶと効率よく学習できるでしょう。
CSSは、ある程度のルールを覚えてしまえば、あとはプロパティの違いだけなので、すべてを覚える必要はありません。
ルールさえわかっていれば、作っている最中にネットでプロパティを調べるだけで仕事でも十分に対応できます。
CSSの学習におすすめの書籍は下記のとおりです。
- WHTML5&CSS3レッスンブック(著者:エビスコム、出版社:ソシム)
- 実践でスグに役立つ 新しいWebデザイン&制作入門講座 CSSフレームワークとグリッドで作るマルチデバイス対応サイト(著者:下野宏、出版社:ソフトバンククリエイティブ)
- いちばんよくわかるHTML5&CSS3デザインきちんと入門(著者:狩野祐東、出版社:ソフトバンククリエイティブ)
- スラスラわかるCSSデザインのきほん(著者:狩野祐東、出版社:ソフトバンククリエイティブ)
初心者が基礎からしっかり知識を身につけたい場合は、「WHTML5&CSS3レッスンブック」がおすすめです。
「スラスラわかるCSSデザインのきほん」は、HTMLをある程度理解していている人向けとなります。
また、HTMLの学習方法で紹介した書籍もHTMLとCSSを合わせて学習するのにおすすめです。
Webサイトで学習する
パソコンを使って実際に記述しながら学ぶなら、Webサイトの利用をおすすめします。
CSSの学習におすすめのWebサイトは下記のとおりです。
「Markup」はCSSの学習に特化したWebサイトです。
サンプルのとおりに入力して、結果をプレビューで見ることができるため、記述したコードと表示される結果の対応を理解しながら学習できます。
また、HTMLの学習方法で紹介したWebサイトもHTMLとCSSを合わせて学習するのにおすすめです。
Webページを真似してみる
CSSは、HTMLと合わせて覚える必要があります。
HTMLはWebページを作るための言語です。
そこで、Webページを1つ選んで、そのページと同じように作ってみるのはいかがでしょう。
実際にあるWebページをお手本にして、その見た目をそっくりそのままトレースするのです。
CSSは実際に記述して、様々なプロパティや値を適用させてみることで、目で見て理解しながら学習することができます。
まずは簡単なWebページを探して、チャレンジしてみると良いでしょう。
実際にネット上にあるものが作れたら、大きな自信につながります。
CSSとは?特徴・メリット・デメリット・学習方法を解説まとめ
この記事では、CSSについてお伝えしてきました。
CSSは、Webページを装飾するための言語で、HTMLと一緒に使われます。
CSSを利用することで、見る人に情報が伝わりやすくなったり、視覚的にサイトや企業のイメージを伝えることが可能です。
学習難易度も低いので、HTMLと合わせてCSSも習得すると良いでしょう。